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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

会議には牛乳を

2006-04-20 23:25:28 | Weblog
 今日から明日にかけて一泊二日で東京出張です。書き込みが遅くなって済みません。

【会議の友】
 今日の午後から明日の午前にかけては東京で全国からの担当者を集めての情報連絡会議なのです。

 議題は年度の初めという事で、今年これから募集のかかる調査に関する注意点や観光振興などの各種事業の進め方についての情報伝達が中心です。

 これからのお願いの仕方によっていただける調査費などはよくよく勉強しておいて、地元からの要望があったときに素早く対応出来るようにしなくてはいけないのです。
 
 しかしこの手の調査費も種類が多く、それぞれにねらいがありますからそれらを熟知しておかないとなかなか要求に載せることも認めてもらう事も出来ません。このあたりには「餅は餅屋」で、行政経験があればこそ認めてもらえるテクニックがあるのです。

 そしてこのテクニックがあるかどうかという担当者の力量こそは、見た目では分かりません。

 多くの上部機関の担当者とのコミュニケーションや他省庁との友人、知人、大学の先生、シンクタンク、各種業界、地方自治体職員、マスコミなど、ありとあらゆる情報源を組み合わせて、関係者全体にとって益があるように組み立てる能力が必要です。

 いろいろなチャンネルを数多く持つ事こそが財産である所以です。目には見えにくい努力を続けなくては財産は増えないものです。こういう会議も格好の場であり、多くの人たちと仲良くなって情報源を増やしたいものです。

    *   *   *   * 

 会議の最中には飲み物を持参する事が許されていますが、「そうだ、こういうときこそ牛乳を飲まなくては!」と思い出して、勇んで売店へ行って牛乳を買ってきて同席している同僚にも配りました。

 すると一人から「あれ、これは北海道産じゃないんですね。本州の牛乳消費を増やしたら北海道のためになりませんよ!」とだめ出しをくらってしまいました。

 東京で北海道産の牛乳を探すというのは難しいんですね。会議中は牛乳ではなくチーズを食べる事にしますか…。うーん、ちょっと無理か。


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新しい門出を祝う

2006-04-19 23:45:32 | Weblog
 ううむ…、本当に暖かくなりません!気温は8℃くらいなので、真冬に比べると暖かいはずなのですが、体感温度は寒い毎日です。
 週末まではまだ寒い日が続きそうです。

【友人の門出を祝う】
 数年来の友人が、この4月に、永年勤めた職場を離れて新しい世界へ飛び込みました。まだ年齢的に退職するには早いのですが、本人の志がそれまでの立場を離れる事を選択させたのでしょう。

 今夜は街なかで、全く職業に関係ない人たち約30人が集まって友人のAさんの門出を祝いました。

 こういう会合で普段なかなか会えない人たちどうしが会えて、また新しいネットワークに繋がって行くのです。人を引きつける求心力は面白いものです。

 人に会うときは、一対一で会いたい人に会うと言う事も大事なのですが、面白い人が二人でいるその間に入って、三人で話をする事も面白いことです。

 二人だけでは煮詰まってしまう世界に、新しい風を送り込んでくれる効果があります。人生、自分以外は皆師匠です。

 新しい職場に欠かせないものは名刺入れです。参加者全員の会費から少しずつお金を出しあって名刺入れをプレゼントしました。

 新しい職場では、前職では出来なかった自由な立場でさらに新しい挑戦を続けてください。

 何かに挑戦する勇気を持つ事のお手本にさせて欲しいと思います。
 

  
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シーニックバイウェイに新しいルートが仲間入り

2006-04-18 23:28:50 | Weblog
 今日もまだ寒くてどんよりした日。平日はよいけれど、休日は晴れて下さいよ。

【シーニックバイウェイに新しい仲間】
 今日は朝から一日会議の連続。

 最後の会議がシーニックバイウェイの推進協議会でした。

 シーニックバイウェイという道をキーワードにした地域連携事業があります。これまでに北海道では三つのルートを認定しました。

 それぞれの地域では、地元の熱意溢れる人達が連携をして地域を売り込んだり地域で元気に生きて行くためにいろいろな活動をしています。

 今日はそのシーニックバイウェイの推進協議会が開かれて、このルートに新しく宗谷シーニックルートが仲間入りをしました。

 宗谷シーニックルートの特徴は、利尻島と礼文島を結ぶ船の航路もルートに含まれていることです。

 今まではドライブで走る道だけがルートだと考えていましたが、それぞれの地元なりの工夫と自分たちの資源をどう売るかを考えた時に、「船の航路も道だ」ということに気付いて、それをウリにしたルート設定にしたのです。

 ここの関係市町村は、稚内市、猿払村、豊富町、礼文町、利尻町、利尻富士町の6市町村で17の団体がこのルートを構成しています。

 参加の共通点は利尻富士が見える町という事なのだそうですが、これもまた面白い発想です。この調子で地域らしさをどんどん売り込んで欲しいものです。

 また併せて、これから頑張って熟度を上げて指定ルートになろうとする「候補ルート」として、十勝平野北側の「十勝平野・山麓ルート」、十勝平野南側の「南十勝夢街道」、日本海側の「萌える天北オロロンルート」の三つが認められました。

 地域の結束力を高めて活動を充実させて、早く指定ルートになって欲しいものです。

 さてこのシーニックバイウェイ北海道では、5月の19~21日にかけて富良野を舞台として、勉強会や懇談会、地元見学会などを開催する予定になっています。今年の春も、ドライブならシーニックバイウェイというわけです。

 今年も、ドライブをサポートする技術開発や海外からのお客さんを迎え入れるための工夫などをして行く予定です。

 北海道をドライブ観光地のメッカにして、ドライブの楽しさをもう一度感じてもらいたいものです。
 
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省エネと粋

2006-04-17 23:36:39 | Weblog
 夕べはさすがに雪は降らなかったものの、小雨で寒い朝。それでも残雪は日一日と融けて行きます。
 寒くても春は春なのです。

【職場の省エネ】
 職場での省エネ運動がいよいよ活発になってきました。

 この4月から、課で契約しているコーヒーメーカーが省エネタイプになりました。今までのものとどこが違うかというと、今までは落としたコーヒーを温めるのにずっと通電して温度を保っていたのでした。

 それが今月からは魔法瓶のような容器で保温が出来るタイプのものに切り替わったので通電し続けなくても良いということになったのだそうです。

 しかもこれが職場を通じての指導の結果ということで、省電力への新たな決意です。

 最近ではエレベーターホールの蛍光灯が照度を落として暗くなっています。必ずしも普段は明るい必要のないところは暗くたって良いのです。これもまた省電力です。

 そしていよいよ今日からは、冷たい水が飲める冷水器とトイレでのジェットタオルが使用禁止となりました。なるほど、ここまでやるとはいよいよ相当に本気であるという強い意志が感じられます。

 我々もむやみに文句を言うよりは、そういう強い意志を感じ取って率先して省エネに努めたいものです。

 それにしても、冷水器なども過剰サービスのような気がしていましたし、なによりもジェットタオルは私は大嫌いでしたので、よくやったという思いがします。

 たかが濡れた手を乾かすのになぜハンカチを持たずにエネルギーを使わなければならないのか、そのことが便利な生活である一方でブーブーと大きな音をたてるどこか品のないことなのではないか、という感じがしていましたので私はジェットタオルを使わずにいたのです。

 エネルギーを使うことがどこか品が無くて、エネルギーを無駄に使わないことが品のあることだ、という価値観が生まれるでしょうか。エネルギーを使わずに上手に日常を生きていたのが日本人の知恵であったように思われ、改めて「品格」という言葉の他にも「立ち居振る舞い」や「所作」、「粋」などという判断の基準があったのだな、と思うのです。

 それらを見せてくれる大人の存在は極めて大事なことです。そんな大人になりたいものです。

 
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子供を可愛がるという事

2006-04-16 23:35:02 | Weblog
 昨日とはうってかわって、朝からどよんとした天気。小雨は降るわ、夜には雪だそうです。やれやれ…。

【祖父母のお年忌法要】
 今日は母方の祖父母の法要をすることになっています。祖母の27年忌と祖父の23年忌を一緒に行うのです。

 祖父母のお寺さんは洞爺湖町(旧虻田町)にあるのですが、お坊さんにお願いして、このために来て下さることになっているのです。お坊さんも大変です。

 親戚の多くはない我が一族ではありますがこういう時は揃うもので、法要が死んだ者のためではなくて生きている者のために行われるものだということが分かります。
 節目節目を大切に生きて行きたいものです。


 法要に集まった最年少は、昨年8月に生まれた生後八ヶ月の甥っ子です。念仏の始まる前は割とおとなしくしていたのですが、お坊さんの経が始まると驚いたのか大きな声で泣き始めました。

 お母さんである義理の妹は抱きかかえてあやしていますがなかなか泣きやまず、ちょっと大変。でも幼い時から経を聞かせるような生活はもう現代日本ではなかなかないのでしょうね。
 日常生活からの縁が切れてしまうと、文化も急速に廃れてしまいそうです。現代の新しい形の祖先を敬う儀礼はどういう形になるのでしょうか。

    ※    ※    ※    ※

 弟夫婦は長男誕生が嬉しくてたまらず、始終話しかけています。自分もああだったのでしょうか。

 イザベラ・バードというイギリス人の女性旅行家が明治11年に日本にやってきたのは47歳の時だと伝えられています。

 彼女は北陸から東北、そして蝦夷地までを旅して「日本奥地紀行」という優れた紀行文を残してくれています。

 まさにそこには外国人の暖かいまなざしで見た日本の庶民生活が興味深く描かれています。当時の日本人には当たり前すぎてだれも書物に書こうなどとはしなかったことが、外国人の彼女から見ると何もかもが不思議であるために事細かな描写で描かれているので、余計に当時の当たり前の日本が見えるのです。

 日光のあたりを訪ねた時に、彼女は大変に子供を可愛がる日本人を驚いたように眺めている描写があります。

「私は、これほど自分の子供をかわいがる人々を見たことがない。子供を抱いたり、背負ったり、歩くときには手をとり、子供の遊戯をじっと見ていたり、参加したり、いつも新しい玩具をくれてやり、遠足や祭りに連れて行き、子供がいないといつもつまらなそうである」(宮本常一著「イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む」平凡社ライブラリー)

「毎朝六時ごろ、十二人か十四人の男たちが低い塀の下に集まって腰を下ろしているが、みな自分の腕の中に二歳にもならぬ子供を抱いて、かわいがったり、一緒に遊んだり、自分の子供の対角と知恵を見せびらかしていることである」

「その様子から判断すると、この朝の集会では、子供のことが主要な話題となっているらしい。夜になり、窓を閉めてから、引き戸をかくしている縄や籐の長い暖簾の間から見えるのは、一家団欒の中に囲まれてマロ(ふんどし)だけしかつけてない父親が、その醜いが優しい顔をおとなしそうな赤ん坊の上に寄せている姿である」

「母親は、しばしば肩から着物を落とした姿で、着物をつけていない二人の子供を両腕に抱いている。…子供達は私たちの考えからすれば、あまりにもおとなしく、儀礼的にすぎるが、その顔つきや振る舞いは、人に大きな好感を抱かせる…」

 宮本常一さんはこの描写を読んで、「たしかに日本の親は大いに子供を可愛がっていた」ということを改めて発見し、「日本で技術が伝承されていったのは、こういう世界があったからで、このような形で育てていくことが親の義務だったのです。学校教育が進むようになってから、切り離されて学校がそれをやるようになってくるのです」と述べています。

 そのうえで「百年前のイギリスにはすでにその時期のイギリスでは家庭が団欒とか教育の場としては機能していなかったのではなかろうか、これは外国人が自分の国と比べながら日本を見ているために、特に日本に対して全然先入観のない人が見ているだけに非常に興味を引かれるのです」と述べているのです。

 日本人が子供を好きで、溺愛するのはどこか国民のDNAに組み込まれていることだと言ってよいのでしょうか。

 最近の日本では逆に子供を可愛がる様子を見て、子離れしていないとか、溺愛しすぎ、多少離した方が我慢強くなるということを言いすぎてはいるのかもしれません。

 可愛い子供を可愛い年頃の時に可愛がるということは時代を超えて親にとっては無上の幸せのはずです。
 
 子供を可愛がるということの意味を現代の我々ももう一度考えてみたいものです。それもまた先祖への供養なのかも知れません。
 
 
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冬の後始末

2006-04-15 23:33:17 | Weblog
 今日は朝から春の陽射しの明るい一日です。気持ちを春に切り替えて冬の後かたづけといきますか。

【冬の後始末】
 外で活動しても暖かい週末ですから、今日は冬の後始末です。

 北海道ではまずは車のタイヤ交換が定番の作業でしょう。昨年購入した車は最初からスタッドレスが着いてきたので、夏のタイヤは今日が走り初めです。

 タイヤ交換などはカーショップへ行くと一本500円くらいでやってくれるのですが、自分の車をまじまじと見るよい機会でもありますから、そんなときくらいは自分でやりたいものです。

 タイヤ交換一つするのでも、ジャッキなどの工具がどこに積まれているかを確認したり、その使い方を実際にやってみるよい機会です。

 ジャッキだって車体のどこにセットするかということやタイヤホイールをどうやってはずすのかということは、一度でもやってみて経験を積んでおくと、出かけた先でパンクした時などのいざというときの訓練になるものです。

 北海道で車に乗るなら、冬への備えとしてはバッテリーが上がってしまった時のケーブルの付け方と牽引したりされたりする時にどこに牽引ロープをつけるのか、ということくらいは知りたいものです。もちろん専用のブースターケーブルと牽引ロープを車に備えておくというのも常識にしたいもの。

 私も若かりし時に一度深夜にカーブで雪山に突っ込んで動けなくなったときがありました。困っていた時にちょうど、開発局の除雪車が通りかかったので「助かった!」と思い、引っ張ってくれるようにお願いをしたのですが、
「牽引ロープある?」
「いえ、ないんです」
「あらら、じゃ駄目だわ。ごめんね~」と言われて、がっかりしたことがありました。

 それ以来牽引ロープとケーブルは積むようになりましたが、人間は実際に経験しないと行動に移せないものなのですね。そんな風に、良い話を聞いたからと言ってすぐに行動に移せる人は稀だ、という思いがありますから逆に良い話を実践できるような『心の柔軟性』がほしいものだと思いました。

 タイヤ交換は二時間ほどかかりましたが、冬のタイヤと冬用ワイパーを手入れしてしまい込み、これで車は夏仕様に変わりました。

 タイヤには前後輪と左右のどこにつけていたかを記録しておくと、次に装着する時のローテーションを考えることもできます。またタイヤ交換をした日と距離数はメンテナンス手帳に記録を取っておくと、次の機会の参考にもなりますから、そんな記録手帳は案外良いものです。どうぞお試しを。

 昼は妻を連れて市内へ中華ランチを食べがてらお店の様子を視察です。中国の本格中華料理がお安く食べられるということが分かったので、五月に予定している父の喜寿祝いの会合をここで予約しました。

 街なかも明るくて春の雰囲気です。今日は気持ちがよいなあ。

 
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掛川スローライフデザインカレッジが始まります

2006-04-14 23:19:45 | Weblog
 やっと少し暖かくなってきた今日この頃。雪が融けた後の土の匂いがしてきました。これが北海道の春の香りなんですね。

【スローライフ・デザインカレッジ】
 掛川のNPO法人スローライフ掛川では年間活動事業として、「掛川でスローな生活をデザインする講座」というサブタイトルのライフスタイルデザインカレッジを開講する運びとなりました。

 呼びかけの言葉は、

 知識を知恵に、そして行動に。
 自分の生活や地域をクリアに見直したい人に。
 地域の楽しい生活・面白い生活・粋な生活をテーマとして、
 「まちの新しい使い方」 「足るを知る心」  「美しい毎日の創造」を探求し、実践する、大人のための生活提案講座です。

 …とあります。

 掛川にはかつて「とはなにか学舎」という地元巡りと座学を通じて地元を題材として教養を深めるというユニークな取り組みがありました。年間受講生枠が36人ということでスタートしたこの取り組みも、10年を経て一定の役割を終えて、市役所としては別の形にするのだそうです。

 まさに期を一にして、行政としての取り組みを受けて市民の自由な発想と活動で日常の生活様式、ライフスタイルを考え、変えていこうとする取り組みがこのNPO法人によるライフスタイルカレッジに他なりません。

 このカレッジのコンセプトは「スローライフ」です。

 具体的な中身は、多彩な講師陣による講義型のフォーラムを年12回行い、まちの新しい使い方、面白い生活提案のワークショップを繰り広げる参加型セッションを年6回以上、そして受講生、講師陣、運営スタッフ、事務局が、一同に会した交流会を年に一度開催する事としています。

 この講師陣がなかなかすごい人選で、初っぱながライフスタイルプロデューサー浜野安宏さんである。
 
 いよいよ明日15日に開講して、これからは掛川を舞台としたいろいろな実践的参加型の催しが繰り広げられる事でしょう。

 ちなみに私も6月2日の夜に講師として登場する予定です。演題は「出会いが人生を変える」ということで、1+1が3にも5にもなる人生の不思議な化学反応についてお話をしますよ。

 興味のある方はぜひこのカレッジに参加してください。口で唱えるだけではない実践としてのスローライフがここにはあるはずです。

    *   *   *   * 

 札幌の地元情報誌に「月間クオリティ」があるのですが、この発行元が毎月ある特定のテーマによる小冊子を作成しています。今月号は「生涯学習とまちづくり」ということで私が書きました。元掛川市助役という私人の立場で書いたものですが、1万部ほど配布されるそうです。

 どこかで目に触れたらお手にとって見てみてください。

 
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台湾に売り込め!

2006-04-13 23:29:54 | Weblog
 日中韓観光担当大臣会議の準備で会合を重ねています。こういうものはひたすら情報提供を広くしている事が重要です。
 この事業を通じて我が組織の存在はどのように映るのでしょうか。分かる人にはその頑張りが分かるようにしたいものです。

【台湾へ売り込め】
 今日の午後は台湾へ北海道の産物を売り込むことに熱心な文化人類学の先生のお話を聞きました。

 台湾への売り込みと文化人類学とは全くかけ離れているようですが、実はこの先生、台湾のアミ族(高砂族とも)の研究で台湾を数多く訪れるうちに台湾通と思われ、農業などの生産者から台湾への売り込みを頼まれるようになったのだそうです。

 やがて先生のゼミに出入りしていた台湾人の学生さんの親が台湾でも有数のスーパー「Y屋」の社長という出会いがあって、そこから台湾への北海道産品の売り込みが始まったのだそうです。

 台湾もかなり偽ブランドが横行していて、「北海道…」とつくものでもなかなか本当に北海道のものはないそうです。

 北海道牛乳はニュージーランドの脱脂粉乳だったり、ぺらぺらの日高昆布があったりとまあ名前で売れる地域ブランドはあるのだそうです。

 そこでなんとか本物を輸出しようとし始めたのですが、なかなかそのためのノウハウを持っている人がいなくて、多くを自分自身が開拓しなくてはならない羽目になったのだそうです。

 メロンはツルをつけると検疫で引っかかりますが、ツルを取ってしまって丸くするとノーチェックでパスするとか、美味しい魚でも台湾には魚焼き器や焼き網がないので、鮭にしてもみな輪切りでソテーにして食べるしかなく、料理や食べ方の指導からしなくてはならないなど、苦労談は聞いていると面白いのです。

 さてこの「Y屋」の社長さんというのがなかなかの方で、実際に本人が北海道を訪れてきて北海道の食材を自分の目で見て食べてみて買い付けを決めたのだそうです。日本人にとって美味しいものは、台湾の人にも美味しい事に変わりはありません。

 本当は牛乳などは北海道旅行を経験している多くの台湾の人たちにはあこがれの飲み物なのですが、船便で運び入れるには鮮度が落ちてしまうために、先生本人が台湾入りするときに大量にパック牛乳を仕入れてハンドキャリーで持ち込んでいるのだそうです。

 台湾では衣食住で言うと、衣には驚くほどお金をかけないのですが反対に食には健康と美容という観点に加えて、祭りごとには金に糸目をつけないという社会性があって、高い食材でも納得して買ってくれるのだそうです。

 ただニセブランドも多いために、「北海道直送」という宣伝をどう信じてもらうか、というプレゼンテーションも必要なのだそうです。

 このY屋では宣伝のために北海道から雪を運んできたり、大通公園からトウキビを焼いているおばちゃんを二人台湾へ連れて行き目の前で焼くデモンストレーションをしてもらったりすることで、信用を得ようとしたのだそうです。

 面白かったのはトウキビ焼きのおばちゃんに「できるだけ北海道方言で話をしてね」とお願いした事で、標準語で話していると「日本人のようだが北海道ではないのではないか」と疑われるし、まして台湾語を理解するような人が焼いていたのでは、「あ、地元の人を使ってだまそうとしている」と全く信じてもらえないのだそうです。

 蜂蜜などは台湾では水飴混じりが常識で、北海道産100%蜂蜜ということの証明は日本で検査した証明書が大事なのだとか。台湾の証明書ではこれまた疑われるのだとか。
 北海道産を信じてもらうために随分苦労も多いようです。

 こうしてなんとか自分で運ぶ航空便での産品は信用を得てきたのですが、やはり課題はもう少し多くのものを鮮度を落とさずに短期間で現地へ運ぶルートがまだ充分ではない事だそうです。

 苫小牧からの台湾行きの船では苫小牧で荷物が満載にならないために仙台や東京へ立ち寄っているうちに日数が経過してしまい、いわゆる「足の速い(鮮度の落ちやすい)」食品はなかなか安定的に供給が出来ないのです。
 
 このような物流の改善もやはり北海道ブランドの構築に寄与するはずなのですが、道内の企業も商社も官公庁もどうも「売るのだ!」というハングリー精神に乏しくて、悔しい思いをする事も多いとか。
  
    *   *   *   * 

 一方観光の面では、やはり人気はあるそうなのですが最初は雪で売り出し、次に紅葉で人気を博したものの、最近は興味の対象が北陸に移りつつあるとか。

 その原因は「食がマンネリ」という声が多いのだそうで、素材の美味しさだけを提供するだけでは人気の継続が難しいのはグルメの国だからでしょうか。

 また提供する観光素材でも、北海道では何もない大自然をウリと考えがちですが台湾の人たちのマインドは、「大自然に人間が英知を傾けて手を入れる姿」に感動するということなのだそうです。
 
 そのため今は黒部ダムが大人気なのだそうで、あの大自然の中にちっぽけな人間がよくぞこれだけの大事業を行ったものだ、という感動を呼び起こすのだそうです。

 このようにまずは敵を知り、己を知ることが大切なのと、常に自分たちの長所も変化させて向上させて行くという不断の努力が必要だということのようです。

 北海道が本当に観光立国ということになれるのかどうか、試される大地はいつまで試されるのでしょうか。 



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品格って何ですか?

2006-04-12 23:37:38 | Weblog
 やっと日中の気温が10℃を超えたそうです。今年はこういう暖かさになるのが随分遅かったようです。
 周辺の雪を運んだ公園はまだ厚い雪に覆われています。今度の週末にでも雪割りをしたい気分です。

【ある会議と「品格」について】
 春の朗報を一つ。某優良企業が社会活動の一環として、21世紀への課題などをテーマとして自由に討論、意見交換をする会議へのお誘い手紙が届きました。

 この会議は参加資格があって、30~40代である事と定員があるので50代に突入してこの会の資格を失う枠がある事と、あとは関係の人からの推薦が必要な事などなのです。

 会場は伊豆半島の某所で開催は6月上旬です。私の場合、本当は入会資格が45歳以下という条件もあるらしいのですが、今回はかなり大量にOBが出るという事で例外的に認められたようです。
 もちろん、私の友人がこの会議に招かれていてその人達からの推薦があっての事でもあるのですが。

 メンバーはそうそうたるもので、超優良企業の40代の部長さんだとか、マスコミの面々、某県の知事、中央省庁の課長級、大学教授、かつてのオリンピックアスリートもいます。

 こういう人たちがどういう話題を繰り広げてくれるのか、出会いが楽しみです。

    *   *   *   * 

 さてこの会議、毎年一つのお題が与えられてそれを軸に意見が交換されるのだそうです。そして今年のお題はといえば「日本の品格」だそうです。

 はてさて、藤原正彦さんの「国家の品格」という新書がたいそう売れているそうですが、そういう観点を30~40代の次代を担うエリートと目されている人たちがどのように語ってくれるのかが楽しみです。

 私にも私なりの「品格」への思いがありますからそれを投げかけて反応を見てみたいものです。

 品格で言うと、「品」というものをやはり多くの日本人は失いかけているように見えます。「品がない」と注意をする事は野暮なことであるかのようです。

 法律に違反していなければ許されるというようなことではなくて、品がなくては好かれない、という価値観が厳然とあるのだ、ということが忘れられています。

 子供のときにお習字を習っていた時期がありました。あるとき書くのに失敗した半紙をくしゃくしゃに丸めてぽいと捨てたときに、先生だったおじいさんから「あなたは紙に恨みがあるのかね?」と優しく訊かれました。

 多分紙をくしゃくしゃに丸めるという行為は先生には品がなく映ったのだと思います。幼心に「そうだな。紙を丸めて捨てるものではないな」と思った私はそのときから紙を折るか畳むかして捨てるようになりました。

 しかしその行為の品格が分かるまでには、そのときから有に30年が経過していたのです。

 分かる人には分かるけれど、分からない人には分からない。分かる人が教えてあげなければ分からないのかも知れません。
 でもこんな駄文を読んで、はたと何かに気付く人もいるかも知れませんから敢えて書いています。

 トイレでエアタオルを使うのは品がありません。大人の常識としてハンカチを一枚持てばよいだけなのです。たかが手を乾かすために電気を使い大きな音を立てる必要などないのです。

 自分自身が保てない品格を棚に上げて敢えて言っています。気付いたときには恥ずかしくなって保てるようになるかも知れないからです。

 気付いたところから始めたいものです。気付かないのが問題ではあるのですが。
  


 
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マインド向上のために

2006-04-11 23:33:30 | Weblog
 そろそろ顔合わせの飲み会が増える今日この頃です。4月はスタートダッシュの季節ですから、顔合わせの出来るときに思いきり心をぶつけてみて、ハートに響く仲間を増やしておきたいものですね。

【マインド向上作戦】
 遠くへ行っていた仲間が出戻ってきた、というのは飲み会の格好のネタになるものです。今日はそんな仲間を招いての懇親会となりました。

 知らない顔もそれなりにあるのですが、お酒が入ってしまえばこちらのもので、どんどん仲良くなる事にいたしましょう。

 飲んでもつい仕事の話になってしまいがちですが、そんなときに最近よく出る単語が「マインド」です。

 「心構え」とか「気構え」、「気持ちの持ち方」などの意味で使いますが、仕事を前向きに捉えて一生懸命やろうという気持ちを評して「マインドが高い」と言い、反対に後ろ向きな姿勢で、逃げよう逃げようとしたり、人に仕事を振ろうとするような姿勢を「マインドが低い」と言うような使い方をします。

 いろいろな機関が関係する仕事に携わるとよく見えるのが関わっている組織や人たちのマインドの高さ・低さです。

 仕事を我と我がコトと思っている人はそれなりに「やろう」という意志が見えて、采配を振る側が指図をしなくても「これをしなくてよいのですか」、「ここまでやりましたけどどうですか」と突き上げるような意欲を示してくれるものです。

 それが反対に、どうも自分にはあまり関係がなく余計な事だ、と思っている人には「やりたくなさ」が透けて見えるようで、いくら「あれとこれをやっておいてくださいよ」と伝えても、締め切りは守らず、できあがりの質も低いという事が起こりがちです。

 組織のマインドを高めるという事は非常に難しくて、経営学の本などを読んでいると組織の活力を高めるために必要なリーダーシップの半分は、いかに組織のマインドを高めるかということにあると言っても過言ではないようです。

 リーダーが何を考えていて、評価の軸は何か、といったことを自分の言葉で語る事は重要だ、ということが多くの書物に書かれています。

 リーダーは何よりも意志を持ち、それを伝えよう伝えようとする努力を欠かせないということなのでしょう。

 春は気持ちを一新する良い季節です。まずは高いマインドで新しい年度のスタートを切りたいものです。
 
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