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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

自分の幸せ、社会の幸せ

2006-04-21 23:07:16 | Weblog
 夕べは入谷のホテルで宿泊。入谷の商店街は下町っぽい良さが残っています。

【自分と社会の間】
 会議を終えて羽田へ向かい、予約してあった飛行機の搭乗手続きをしようと思ったところ、なんと欠航!

 ここのところエ●・ドゥとは相性が悪くて、機材の故障に良く出会うのですが、今回はなんと札幌から羽田へ向かってくるはずの飛行機が落雷のために欠航したことで、その機材が羽田から出発できなくなってしまいました。

 幸いすぐ次の●NA便に振り替えてもらう事が出来ましたが、私が乗る便を狙ったかのような出来事でちょっと驚きです。飛行機に乗る機会が多いと、いろいろなことがありますね。

    *   *   *   * 

 夜にはお世話になっている某先生のお祝い事の相談で発起人の会合に出席です。

 世間的に活躍されている先生なので関係者もいろいろなところから集まってきます。お一人は帯広から来てくれたAさんで、まちづくりの世界では有名な方です。さすがに先生の顔は広い。

 当然お酒を交えながら、お祝い事の基本的な方向性を定めた後は二次会へとなだれ込みです。ここからが本音のお話ができるのです。

 帯広の商業の現状についてAさんと話をしていると、今度は都市計画の専門家のBさんも割り込んできてショッピングセンター(SC)の出店のお話になりました。

私「Aさん、最近の帯広はどうですか」
A「今は、大きなショッピングセンターが来るかどうかということが話題になっていますよ」

私「まだ帯広にはSCがないのですか」
A「小さいのはありますが、最大手のAグループは道内唯一まだここだけには来ていないのです。でもそれがいよいよ来るのかという話題になっています。地元では既存の商店街などに大きな影響が出るという事で来て欲しくないと思っていますよ」

私「法的な整理だけでは止める事が出来ないでしょうし、駐車場や品揃え、賑わいなどの点では消費者にとってそちらのほうが便利だという声もあるのではありませんか?」
A「確かに。しかしそうやって品揃え豊かな物を買う事が出来るということだけで地域を語って良いのか、ということまで法律は守ってくれません。大きなショッピングセンターが来たところでは、地域の文化まで破壊されているところがほとんどなのです」

私「それは見えないところでお金を出しあったりして地域のイベントを支えているような社会の構造の事ですか」
A「そうですね、それもあります」

 するとそこへ都市計画のプロのBさんが乱入してきました。
B「そうは言っても、都市計画では要件が満たされてしまえばやがては認めざるを得ないのだから、条件闘争に持ち込むしかないと思うんです。ボクが携わっていたときも、『地元のテナントは入れるのか』とか地元に少しでも有利な条件を満たしてもらうしかないと思うんだ」

私「行政が仮に進出を止めたとしても、それならば境界線すぐの隣町に作られる事でしょう。そうしたら消費だけではなく固定資産税が地元に落ちないということにもなって踏んだり蹴ったりです。地元とすれば便利になって税金が上がる道を選択するしかないのではないのでしょうか」
A「それもまた一理あることです。しかし目先はそうであっても地域とのバランスが崩れて、地域らしさは失われるでしょうね」

私「進出を止める手段などあるのでしょうか。まさか不買運動をするわけにはいきませんよね」
A「地元に対して地元らしさとはなにかを訴える事しかないと思います。『便利にはなりますが、地元の老舗のデパートが潰れて良いのでしょうか』といった類の考えです。そんなことしかないのが現実なのですが、地域らしさが失われるのは残念です」

 世の中を便利にするために科学が進歩しています。一人一人が社会の中で施設を作ったり制度を整備したり、技術革新を進めていることでしょう。

 そしてその一人一人のエネルギーのおかげで我々はより快適な生活を楽しむ事が出来ます。しかしその先にはそうして便利のお陰で得た社会と時間と空間でどんな幸せを得るのか、という社会観が必要なように思うのです。

 便利もお金も時間も、自分なりの、そしてその社会なりの幸せを得るための道具のはずですが、自分の幸せと社会の幸せのバランスをどのあたりに取るのか、というあたりに共通のコンセンサスを取れるかどうかが鍵のようです。

 自分の幸せが満たされた先に、社会の幸せが見えるでしょうか。
コメント
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