先日掛川組として釧路へ遊びに来てくれた友人のサトー君が、阿寒川でのフライについて「北海道がテリトリーになった」という素晴らしい文章をブログに書いていました。
彼こそ日頃から「これからはロコですよ、ロコ!」と地元を良く知り地元を徹底的に遊ぶ地元民を『ロコ』と名付けて面白がっている張本人。
漫然と地元に生きていてはロコにはなれない。自分の興味あるフィールドを徹底的にしゃぶり尽くさなくてはロコとは呼べないのです。
そんなロコ伝道師であるサトー君が阿寒川でフライフィッシングをしたい、というのだから、こちらとしてはロコのフライフィッシャーと言うことでH田さんに頼み込んで案内をしてもらったのだが、これがベストマッチングでした。
---------------≪ ここから引用 ≫--------------
【道東がテリトリーになった「自然回帰マーチャンダイジング」】
http://bit.ly/knq26x
…(前略)
いつもとは勝手の違う釣りが要求されていることを承知しつつ、いつものソフトハックルの釣りが通用しないはずがない、とタカをくくって釣り上がっていったが、ウンでもスンでもない。
すると早田さんが近づいて来て、「あのー、サトーさんは南アルプスの渓がホームグラウンドだから、流れの速いところを流してますね。この川の場合、例えばあの小さな流木脇の、さらに岸寄りかな。
あるいはもっと際で、もっと浅くて、もっと緩くて、サトーさんからすれば、え?こんなところ?くらいのピンスポットを大切にやってみてください。私はさっきサトーさんがやっていたところで、50cmオーバーが出ましたよ!」やんわりと、流し方とスポットがズレているという指摘だった。
阿寒川の流儀を大切にしないとアカン!のだと、釣り方もシステムもフライも変更。早田さんの言う通りを、さらに大げさに解釈してトライしてみたら、阿寒川のニジマスは、いともあっさり、バコーン!と迎えてくれた。しかも早田さんからいただいたこのフライに…。
(以下略)
---------------≪ 引用ここまで ≫--------------
H田氏は、この時期にこれくらいの魚と遊べる川筋はどこかを瞬時に思い浮かべてそこへ連れて行ってくれ、さらにはそれぞれの力量を見定めたうえで的確なアドバイスをして回っていた。
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サトーさんからH田さんとの間でそんなことがあったと聞いて、早速H田さんとあった時のその話をしてみた。
「サトーさんが、『H田さんは後ろからじっと様子を見ていて、頃合を見計らって、フライを入れる場所を的確に教えてくれました。後で掛川でスライド上映会をしたのですが、皆、そんなところに落とすなんて考えられない、と言っていたんですがね。やっぱりロコには敵わない、って話なんですけど』なんて言っていましたよ」
そういうとH田さんは、「サトーさんは上手だから狙ったところにちゃんと落せていましたからね。ただ、南アルプスの川は急流ですが魚も小型のものが多いから急流を流れていても疲れないんです」
と言います。
「ふむふむ」
「阿寒川でも小物で良ければ必ず釣れる、というところもあれば、確率は低いけれど大物が出るところを楽しめるところ、といろいろなポイントの特徴があります。今回は後者の、『当たればでかい』のが出るところでやっていたんです」
「なるほど」
「大物は、体がでかいだけに急流を上流に向かって泳ぎ続けるなんていうのは、小型の魚と違って体力がいるので楽をしたくて流れの緩やかなところにいるものなんです。それが分かっていると、『あの辺に落としてみたらどうですか』と言えるし、アドバイス通りそこに落とせれば釣れるというわけですよ。全部魚の考えそうなことを理解できれば釣れますよ」
ふーむ、経験と眼力のないものはそれができないのですがね。やっぱりロコには敵わないものです。
もしも我々が南アルプスを案内されるようなことがあれば、ロコはサトーさんだ。その時にはやっぱりロコに敵わないのだろう。
自分はどこで何のロコでいられることだろう。転勤族にもロコは憧れである。