昔の人気漫画、トムとジェリーに良く出てきた穴あきチーズを思い浮かべられますか?
チーズらしく描きやすいチーズなので漫画によく登場してきましたが、あのチーズ、名前をエンメンタル・チーズと言います。エンメンタールって何?と思うでしょう。
実はこの”エンメンタール”というのはスイスの首都ベルンの東側に広がるエンメン谷(谷=タール)一体の地名のこと。今は特定の自治体の名前などに使われていない、昔ながらの地方名なんだそうです。

【エンメンタールはスイスのこの辺】

【スイスの首都ベルンの東に広がる谷一帯】
《エンメンタール》 MySwiss.jpより http://bit.ly/mOEQPu
※ ※ ※ ※ ※
これと同じような、あるんだかないんだか分からない不思議な地名なのが日本では「信州」。
「信州信濃の蕎麦よりも、あたしゃあなたのそばがいい」なんてなことを言いますが、この信州というのも良く考えると今の長野県のようなそうでないような不思議な地名。こんな不思議な地名なのに信州と名のつく信州大学まであって、長野県人はこの信州に異常なほど誇りを感じています。
また同時に、信州という枕詞が付くだけで、アルプスの山並みや美味しい蕎麦(蕎麦粉はほとんど北海道産なんだけど、ね)、涼しい気候、冷たい湧水とワサビ田などを思い浮かべて、「ああ、良いところだなあ」と思うようにできています。
つまりもはや地名会の最高級ブランドになっているのです。
※ ※ ※ ※ ※
今日は午前中に、阿寒湖畔で開かれたNPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構の総会に出席してきたのですが、そこでNPOの理事長である鶴賀の大西社長から大変厳しい観光の現状の説明がありました。

曰く、「昨年一年だけでも、日航の破綻、新型インフルエンザに口蹄疫、それらが収まったころの尖閣列島問題による中国からの入国制限などがあり、それらがようやく収束したかに見えた矢先の東日本大震災…。今年度の観光入込は大幅な減少を覚悟しなくてはならず、それを前提とした事業展開を考えていかなくてはならない」というもの。
特に、航空会社の経営方針によって団体旅行の形態が変わってしまったとのこと。それは、飛行機の席を団体旅行用として取っておくことがなくなったのことに現れています。
その原因の一つとして、無駄な空気を運ばないために機材を大型機から中型機へ、中型機から小型機へと小さくしているために、席に余裕がないこと。
そのため旅行エージェントも、ツアーを組もうと思ったらあらかじめ個人用の席を予約してから募集をかける有様なのだそう。これでは安心してツアーも組めず、団体観光はいよいよ先細ってしまいかねません。
そうしたことで、かつての団体さんのような分かりやすい広報宣伝が狙うターゲットが極めてわかりにくくなっているのだ、とも。
このような中、これからの広報のあり方は阿寒湖畔だけが頑張って他から引っ張ってくれば良い、という性格のものではなく、釧路も摩周・弟子屈も、知床も網走も、この道東地域が一体となり一丸となって取り組まなくてはとても他の観光地との比較の中で太刀打ちできないのです。
折角、このたびミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは知床、摩周湖、阿寒湖が「わざわざ旅するに値するところ」という意味の三つ星を得たところですが、それにしてもその資源性を活かすような戦略的な取り組みが求められています。
※ ※ ※ ※ ※

【阿寒湖畔だけががんばるのではなく】
私は、これは「北海道へお越しください」という茫漠たるエリアではなく、また知床・摩周・阿寒へというような連合地域でもなく、この辺りを新しく”DouTou(=道東)”と呼ぶ新しいエリアとしての再定義が必要なのではないか、と思うのです。
”DouTou”と聞いただけで、例えば信州が勝ち取っているようなエリアイメージを醸し出すようなエリア戦略。さらには、だからこそエリア内を移動できる高速交通網の確保への要望。
千歳・札幌を入り口としない、道東内での出入り口機能の強化、などなど。
そもそも道東となると、冬は明るいし、流氷、タンチョウヅル、湿原など、北海道の中でも際立って特徴的な資源を有していて、これらがむやみやたらに北海道全体のイメージなのではなく、やはりもっと限定した”Doutou”というエリアに与えられるべき強力なエリアブランドにする資源なのではないでしょうか。
道庁が、観光予算を不公平にならないように広くあまねく配らなくてはならないとしたら、これは道州制の弊害と呼ぶべきです。
道内観光のエースに道内全域の力を集中的に注ぎ込んでこその道州制であるはず。そして我々もそのことを自覚した新たなエリアブランドに向けた努力をしてゆかなくてはならないことでしょう。
広域連携の在り方を寄せ集めから、格を一段上げるような取組。
”DouTou”というブランド、どうでしょう?
《参考:ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン》
http://bit.ly/lSGmgw
チーズらしく描きやすいチーズなので漫画によく登場してきましたが、あのチーズ、名前をエンメンタル・チーズと言います。エンメンタールって何?と思うでしょう。
実はこの”エンメンタール”というのはスイスの首都ベルンの東側に広がるエンメン谷(谷=タール)一体の地名のこと。今は特定の自治体の名前などに使われていない、昔ながらの地方名なんだそうです。

【エンメンタールはスイスのこの辺】

【スイスの首都ベルンの東に広がる谷一帯】
《エンメンタール》 MySwiss.jpより http://bit.ly/mOEQPu
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これと同じような、あるんだかないんだか分からない不思議な地名なのが日本では「信州」。
「信州信濃の蕎麦よりも、あたしゃあなたのそばがいい」なんてなことを言いますが、この信州というのも良く考えると今の長野県のようなそうでないような不思議な地名。こんな不思議な地名なのに信州と名のつく信州大学まであって、長野県人はこの信州に異常なほど誇りを感じています。
また同時に、信州という枕詞が付くだけで、アルプスの山並みや美味しい蕎麦(蕎麦粉はほとんど北海道産なんだけど、ね)、涼しい気候、冷たい湧水とワサビ田などを思い浮かべて、「ああ、良いところだなあ」と思うようにできています。
つまりもはや地名会の最高級ブランドになっているのです。
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今日は午前中に、阿寒湖畔で開かれたNPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構の総会に出席してきたのですが、そこでNPOの理事長である鶴賀の大西社長から大変厳しい観光の現状の説明がありました。

曰く、「昨年一年だけでも、日航の破綻、新型インフルエンザに口蹄疫、それらが収まったころの尖閣列島問題による中国からの入国制限などがあり、それらがようやく収束したかに見えた矢先の東日本大震災…。今年度の観光入込は大幅な減少を覚悟しなくてはならず、それを前提とした事業展開を考えていかなくてはならない」というもの。
特に、航空会社の経営方針によって団体旅行の形態が変わってしまったとのこと。それは、飛行機の席を団体旅行用として取っておくことがなくなったのことに現れています。
その原因の一つとして、無駄な空気を運ばないために機材を大型機から中型機へ、中型機から小型機へと小さくしているために、席に余裕がないこと。
そのため旅行エージェントも、ツアーを組もうと思ったらあらかじめ個人用の席を予約してから募集をかける有様なのだそう。これでは安心してツアーも組めず、団体観光はいよいよ先細ってしまいかねません。
そうしたことで、かつての団体さんのような分かりやすい広報宣伝が狙うターゲットが極めてわかりにくくなっているのだ、とも。
このような中、これからの広報のあり方は阿寒湖畔だけが頑張って他から引っ張ってくれば良い、という性格のものではなく、釧路も摩周・弟子屈も、知床も網走も、この道東地域が一体となり一丸となって取り組まなくてはとても他の観光地との比較の中で太刀打ちできないのです。
折角、このたびミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは知床、摩周湖、阿寒湖が「わざわざ旅するに値するところ」という意味の三つ星を得たところですが、それにしてもその資源性を活かすような戦略的な取り組みが求められています。
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【阿寒湖畔だけががんばるのではなく】
私は、これは「北海道へお越しください」という茫漠たるエリアではなく、また知床・摩周・阿寒へというような連合地域でもなく、この辺りを新しく”DouTou(=道東)”と呼ぶ新しいエリアとしての再定義が必要なのではないか、と思うのです。
”DouTou”と聞いただけで、例えば信州が勝ち取っているようなエリアイメージを醸し出すようなエリア戦略。さらには、だからこそエリア内を移動できる高速交通網の確保への要望。
千歳・札幌を入り口としない、道東内での出入り口機能の強化、などなど。
そもそも道東となると、冬は明るいし、流氷、タンチョウヅル、湿原など、北海道の中でも際立って特徴的な資源を有していて、これらがむやみやたらに北海道全体のイメージなのではなく、やはりもっと限定した”Doutou”というエリアに与えられるべき強力なエリアブランドにする資源なのではないでしょうか。
道庁が、観光予算を不公平にならないように広くあまねく配らなくてはならないとしたら、これは道州制の弊害と呼ぶべきです。
道内観光のエースに道内全域の力を集中的に注ぎ込んでこその道州制であるはず。そして我々もそのことを自覚した新たなエリアブランドに向けた努力をしてゆかなくてはならないことでしょう。
広域連携の在り方を寄せ集めから、格を一段上げるような取組。
”DouTou”というブランド、どうでしょう?
《参考:ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン》
http://bit.ly/lSGmgw