北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

H2BロケットによるHTV打ち上げ成功」!

2009-09-11 22:08:47 | Weblog
 日本の宇宙輸送船HTVを載せたH2Bロケットが発射成功。同時にHTVも無事切り離されました。

 日本の宇宙技術の高さで世界に貢献する姿が嬉しかったです。


---------- 【ここから引用】 ----------

H2B 「もっとも美しい打ち上げ」…NASA局長 9月11日11時51分配信 毎日新聞
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090911-00000006-maip-soci




「日本の高い技術力を世界に証明した」--。11日未明の「H2B」の初打ち上げは、米航空宇宙局(NASA)関係者も鹿児島県・種子島宇宙センターで見守った。来年の米スペースシャトル退役後、大型物資を国際宇宙ステーション(ISS)へ運べる唯一の補給機となる「HTV」を運ぶため開発された大型ロケット。海外からの注目も高かった。

 NASAのウィリアム・ゲスティンマイヤー宇宙運用局長は、発射場から約3.5キロ離れた展望台から打ち上げを見守った。打ち上げ後の会見で「初打ち上げでこれだけスムーズにいくのは、十分に準備したたまもの。今まで見た打ち上げの中で最も美しかった」と、満足そうに話した。

 H2Bの開発を担当した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の中村富久・プロジェクトマネジャーは会見で「1号機からHTVを搭載することで、必ず成功させなければならないと大変緊張した」と苦しかった胸の内を明かした。

 03年11月、打ち上げに失敗し、破壊指令を出したH2Aロケット6号機で固体ロケットブースターを担当した。その時の報告書に書かれた「起きた現象を真摯(しんし)に受け止め、あらゆる角度から追究せよ」との教訓を手帳に書き、時々見ては初心に立ち返ったという。

 打ち上げ直前には「H2Bは我々のロケット開発の集大成」と話し、「教訓」と日本の技術力への誇りを胸に秘めて打ち上げに臨んだ。重圧の中、期待通りの成功。会見では「正直ホッとした」と白い歯をみせた。【川島紘一】


---------- 【もう一丁】 ----------
宇宙ステーション補給機について
 http://www.jaxa.jp/projects/rockets/htv/manager_j.html



【プロジェクトマネージャーより】

 平成20年6月、ついに「きぼう」日本実験棟が国際宇宙ステーション(ISS:International Space Station)に取り付けられ、本格的な利用活動が始まります。私たちが開発している宇宙ステーション補給機(HTV:H-II Transfer Vehicle)は、その活動のための食料品や衣類などの日用品、宇宙環境(微少重力等)を利用した実験装置、あるいはISSの交換用機器などを地上からISSに補給する役目を担っています。
このHTVの初号機を平成21年度に打ち上げるよう開発を進めており、その後は年1機程度の打ち上げによって、ISSでの有人活動を積極的にサポートする計画です。

 ISSへの補給手段は、HTV以外に、スペースシャトルやロシアのプログレスと欧州のATV(Automated Transfer Vehicle)がありますが、HTVとスペースシャトルにはISSの船内用物資(日用品や実験装置)も船外用物資(ISS交換機器や曝露実験装置)も輸送できると言う特徴があります。
 平成22年にはスペースシャトルが退役する計画ですので、それ以降、船外用物資や大型の実験装置はHTVでしか輸送できなくなるため、HTVへの期待が世界的に非常に高まっています。

 HTVは、全自動でISSに接近・相対停止できる機能がありますが、宇宙空間でのいくつかのポイントで地上あるいはISSからの人間による指示がない限り次のステップには進まないようにしています。これは、人間がISSに居るため、万一のことを考えた安全手順です。
 また、HTVは有人安全に関する厳しい要求を満足するように設計されており、今後の有人宇宙輸送機の基本となる機能を備えています。
従って、HTVで培った宇宙輸送技術は、今後計画される有人、無人(全自動)を問わず、月飛行や惑星間飛行に応用されることになり、我が国のみならず世界的な将来の宇宙活動を支えていくことになります。


---------- 【引用ここまで】 ----------

 日本の宇宙技術の粋を集めたH2BロケットによるHTVの軌道投入が成功。まずはホッと胸をなで下ろすと共に、これだけの国力を備えた日本国民であることをとても誇りに思います。

 今回宇宙に送り込んだHTVとは、HーⅡTransfer Vehicleの頭文字を取った略で、H2型輸送機というわけですが、宇宙ステーション補給機と訳されているのですね。

 これは何も日本の威信と国力を内外に知らしめるためにやっている宣伝活ではありません。日本も含めた世界15カ国が参加するISS(国際宇宙ステーション)活動のなかでも非常に重要な役回りを担っているわけです。

 上の記事にもありましたが、これまで宇宙ステーションに大量の物資を補給してきた有人輸送機のスペースシャトルが退役するにあたって変わりの輸送手段が求められてきたために、それを担うのが日本であるというわけです。

 宇宙空間を高速で移動する宇宙ステーションにこれまた絶妙の距離感を保ちながら接近する技術は非常に高度なもので、たとえると時速100kmで走っている二台の車が窓から手を出して握手をするようなものなのだとか。

 これからも日本らしい高度な技術と細やかな感性でこのISSプロジェクトを支えて欲しいものです。

 ところで、これまでこうした人工衛星や探査機には、月面調査の「かぐや」、小惑星イトカワを近接撮影した「ハヤブサ」、X線天文衛星の「すざく」など日本語の愛称が付けられていたのですが、今回のHTVにはそうした予定がないのだそう。

 たくさんの荷物を宇宙に運ぶ力持ちイメージの「ベンケイ」とか、神話からなら「タヂカラヲ」とか、たくさんの兄たちに荷物をもたされた「オオナムチ」など、どこか日本的な名前が宇宙を旅しているということに憧れがあるのですが、そうならないものでしょうかねえ。

 まずは静かな喜びにサムライ精神を感じた朝でした。 
コメント
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