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「慶應四年日録/徳元」を読む 8


5月19日、無草庵より、臨済寺の甍
無草庵は臨済寺裏山の中腹にある茶室である
無草庵へは、左に見える回廊になった階段を登る

「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。 

  十九日  曇り、晴れ
当辰年番の義、伝左衛門殿引請け候積り。就いては、明後廿一日、
地方御用箪子(だんす)、非常立ち退き方の義、相談致したく候。その節
弁天前、地方持ち田地の義、相談の上、申し付け候積り。今日、関東
大蒸気船参り。駿府城固め人数、武器の由。土蔵
壁大直し致す。

  廿日  晴れ、西風
去卯暮れ、宿賄い金銭、請け払い、取り立て物など、勤定致す。

  廿一日  晴れ
会所出勤、昼後より出会致す。弁天前地方持地、三俵にては、
若者引き合い申さず候に付、祭礼御神酒米、集め候か、または、改め
て弐俵預け致され候かの処、米集めなど致し、若者為筋(ためすじ)にも
※ 為筋(ためすじ)➜ 利益になる事柄。
相成りまじく、且(かつ)は、田地若者仕付候ては、却って入用なども
相掛り候趣に付、相成候わば、三俵にて、ほか小作致させ候て
然るべし。もっともの旨、万一小作これ無き節は、三俵預けにて米集め
致させ候積り。地方(じがた)御用箪笥、非常立ち退きの処、談示(だんじ)(あらあら)
取り極め置き候。御年貢皆済、権左衛門殿不足多分に付、右の段、
地方年番引き渡し、差支え候旨を以って申し談じ、田地にて引き取り候積り。
なお弥右衛門殿、弥平二とも、談示致し候。
(つづく)

読書:「相討ち 徒目付 久岡勘兵衛」 鈴木英治 著
読書:「楼閣 闇の西洋絵画史 9」 山田五郎 著
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