2017年2月17日(金) 7:00pm NHKホール
シベリウス ヴァイオリン協奏曲ニ短調 16′8+7′
ヴァイオリン、諏訪内晶子
(encore)
バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ラルゴ 3′
Int
ショスタコーヴィッチ 交響曲第10番ホ短調 23′4′14+11′
パーヴォ・ヤルヴィ 指揮 NHK交響楽団
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やつす感。著名な歌謡曲歌手が何千回も自分の持ち歌を歌っているうちに譜面のオタマとは微妙にずれてきて、やつすような歌い口になる人が多数いる。あれ、思い出しました。まぁ、余裕のヴァイオリンソロなのでしょう。余裕をやつす感で表す必要はないと思いますが。
伴奏オケは第1楽章に構成感が無い。型が不明瞭でまた血肉のサウンドでも無い。
ショスタコーヴィッチは快速。主題と副主題のテンポの差が非常に大きい。アレグロモードのパッセージでは意図して、より速めにしていると感じる。結果、全般に推進力が生まれて5番のような勢いをみせるところがあり、かなりの迫力。ヤルヴィは三拍子のあたりでは大きく一振り棒となるところがあるが、ほかはかなり忙しく棒を振っている。あまりのぐるぐる回しにこれも意図的に駆り立てるような具合だ。これまで持っていた10番の印象を払拭するような演奏で小気味が良い。芸風というより明確な意思表示ですね。
演奏はこのオーケストラ特有の重心の低いものであるが、この重心のまま機動力を発揮していれば力感あふれるものとなっていたはずだが、ちょっと運びが軽くなってしまった。
滑るようなエンディング、横向きフィニッシュで決めた指揮者。
客のフライングのブラボーはこの曲ではなかなかタイミングをとるのが難しそうで、きたないもの。
おわり