河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2273- ロナルド・ブラウティハム、ピアノ・リサイタル、2017.2.7

2017-02-07 23:19:16 | リサイタル

2273- ロナルド・ブラウティハム、ピアノ・リサイタル、2017.2.7

2017年2月7日(火) 7:00pm トッパンホール

モーツァルト ピアノ・ソナタト長調K283 4′3′3′
モーツァルト ロンドイ短調K511 9′
モーツァルト ピアノ・ソナタヘ長調K332 5′4′5′

Int

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 悲愴 8′4′4′
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 9′3′3′3′
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第17番ニ短調 テンペスト 7′6′4′
(encore)
ベートーヴェン バガテル イ短調WoO59 エリーゼのために 3′

ポール・マクナルティが製作したヴァルター・モデルのウィーン式フォルテピアノ、
ロナルド・ブラウティハム


プログラムは休憩をはさんで長短がありそうで後半はモダンピアノに取り換えて弾くのかなと思ったがそんなことはなかった。
前半のモーツァルトは小鳥のさえずりのような押し出しの響き。クルンクルンときれいな鳴り。このホールに来たのははじめてで、木目のきいたいい響き。客席は余裕に満たされていてゆっくりとしながら聴くことが出来た。ホールサイズもちょうどよくて、モーツァルトを満喫。彫琢よく研ぎ澄まされた演奏、音が小粒でも右左のバランスがいいのだろう、均整のとれたもので聴き心地が良かったです。楽章の終わりのところでテンポを少し緩める弾き。

後半のベートーヴェン、悲愴の序奏はかなりスローなもの。これだけのテンポでフレーズの隙間を感じさせない。序奏の再帰でも同じ。腕が空中で弧を描いている状態となるのでそのへんのうまさもありますね。響きの開放。前半のモーツァルトとは随分違うと思いましたけれども、主題は軽快。
アダージョ・カンタービレは先にどんどん進んでいく。速めの進行の中、音の粒がきれいに響く。
おしなべて、テンポは小刻みに揺れ動く。音楽は速度にかかわらず響きに満たされている。

18番は絶品。第1楽章と残り3楽章は別物の作品のように感じるぐらい、がらりと変わる。2,3,4楽章は軽快でメロディーがあふれ出る。今日のフォルテピアノにはぴったり。特に2楽章は気持ちがいい。

テンペスト、音の粒がこぼれ落ちる。アコーデオンの蛇腹の上を水滴が転がるような趣き。
激情的な両端楽章の音楽をダイナミックに奏するのは別世界なのかとも思う。アダージョ楽章がきれい。バスがさらにあれば表情は濃いものになると感じる。

ベトソナ3曲。端正な中に作品の微熱を感じさせる演奏。
フォルテピアノのオーソリティ、もう一度聴きたい。
おわり