河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2270- チャイコン、ラムスマ、チャイ5、カンブルラン、読響、2017.2.4

2017-02-04 19:12:54 | コンサート

2017年2月4日(土) 2:00pm 東京芸術劇場

チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調 19′6+10′
 ヴァイオリン、シモーネ・ラムスマ
(encore)
イザイ 無伴奏ソナタ第2番 最終楽章  4′

Int

チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調  14′13′6′14′

シルヴァン・カンブルラン 指揮 読売日本交響楽団


メシアンの興奮覚めやらぬなか、チャイコ2品。なにやら整理体操なものかと思いきや、やっぱりしっかりと地に足つけたタクトはお見事。

シンフォニーに彼のスタイルがよく表れている。チャイコフスキーの主題が揺れずに平衡バランスを保って流れていく。理性のフレージングでコントロールが効いている。現代音楽のオーソリティの作り出す音楽の平衡感覚がよくわかる。まみれたチャイ5に光をあてる、面目躍如たる棒でした。節々でのいわゆるリタルダンドとかアチェレランドは殊更することはない、というよりも、そのような音楽的な効果には興味がないように見える。ギアチェンジははっきりしている。ですので、余計な効果を求めないぶん、作品の底までスカスカと見えてくる。それが浅いものか深いものかといったことをあぶりだすことも殊更意識するものでもなく、方針はどのような作品でも同じだという話だと思う。メロディーラインがアンサンブル単位に帯になって流れていくさまはナチュラルな因数分解のようだ。
終楽章へのアタッカもない。4つの楽章が一つずつの個体のように見えた演奏。終楽章で音楽的感興はやや高まりをみせつつも、まぁ、全体を俯瞰すると、のせ蓋もしっかりと効いている。まだまだ先があるんだよという感じ。秋のアッシジ3連発もあるからねという感じ。
アンダンテのホルンのソロは高低音色が一律でお見事、淡いビブラートを魅せつつ、それぞれのパッセージは長く張ることなくフレーズごとにしぼむ。ここらへんにも指揮者の意識を感じました。興味深いプレイでしたね。

前半のチャイコン。
ラムスマさんは赤いロングドレス、長身のスレンダー美人。アンコールでの曲目紹介一声よりも10倍ぐらいデカい音のヴァイオリン。
彼女も音が揺れないし、オタマ以上の伸縮のブレがない。いや、あるのかもしれないが、それも含めて私のプレイを全部聴いて、という度胸というかオープンな。
このコンチェルト、綿々とした歌というよりスタティックな趣きが濃くて、最後まで落ち着いて聴いていられました。伴奏オケのサポートも同方針。指揮者との連携もよくとれていましたね。切れ味鋭い弾き、大いに楽しめました。
ありがとうございました。
おわり