書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

朱子学の理を西洋の理性と勝手に・・・

2017年12月27日 | 
 朱子学の「理」を西洋の「理性」と勝手に――あるいは怠惰に――同一視して朱子学は合理主義的だったと主張するためしと同様に、王朝国家、それも西洋でない中国(清)の「版図」や「藩部」を、現代日本語の(すなわち西洋近代の思惟に則る)“領域”と頭から同一視して省みない愚見をインターネット上で紹介さる。知識不足以前に不注意無注意。

ウェーバー著 木全徳雄訳 『儒教と道教』

2017年12月27日 | 社会科学
 出版社による紹介

 第六章「第二節 自然法と形式的法論理との欠如」と「第三節 自然科学的思惟の欠如」に頷く。というか、基本的な材料を揃えれば、西洋人ならこのテーマを設け、こういう議論を当然組み立てるのではないかと思える。
 あと、訳者がウェーバーの思想を理解するうえで重要だと判断した術語にはすべて訳語の下に原語を併記する形式が取られている。上級者・専門家をも視野に入れての翻訳スタイルだと思うが、すこし読みにくい。

(創文社 1971年9月)