本書、そと見には地味すぎるほどの装幀だが、いったん開けると、手触りのよく白も明るい紙と私には読む目に心地よい字間と行間、そして何より少なくない数の写真が、すべてカラーなのだ。レシピの料理写真だけでなく、処々に挿み込まれる、いわば“箸休め”の現地の人物風物のそれまでもである。画集や美術全集など繙くことが多いのだが、カラーは最初の数頁だけとか、間隔を置いて所々であとは白黒写真だったりすると、これでは何のための出版かわからんではないかと怒りを覚えるたちなので、これはとくに嬉しい。
(東京外国語大学出版会 2015年10月)
(東京外国語大学出版会 2015年10月)