これも相当初期のものだが、予想に反して(なにせ長寿漫画だから憶えていない)、基本的にはいまと変わらない。山岡のコミカルな面(食べ物以外役に立たない、グータラ社員、上司や“お局さま”たちにこづき回される)、単なるグルメ漫画ではなく、その背景にある社会政治、とくに環境問題にかなりの比重がかかっている点など。海原雄山も、すでに初期の「傲慢無礼で人間としては最低だが芸術家としては超一流」から、「気難しいが筋の通った人格者」(『ウィキペディア』)への変貌を了えている(「対決!! 野菜編」)。要するに、物語としては意外に変化していないという感想。画は、個人的にはいまのほうが好きだ。一番好きなのは40-80巻くらい。
(小学館 1988年9月初版 2006年12月第36版)
(小学館 1988年9月初版 2006年12月第36版)