書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

「New round of tension」 を読んで

2011年07月31日 | 地域研究
▲「Viet Nam Net」30/07/2011 10:30:00 AM (GMT+7), Dr. Tran Truong Thuy, Director of the Centre for East Sea Studies at the Diplomatic Academy of Vietnam.
 〈http://english.vietnamnet.vn/en/special-report/11076/new-round-of-tension.html

  The most significant development in the East Sea is that in March 2010, senior Chinese officials told U.S. high-ranking visitors that China had put the East Sea into its “core national interest” category of non-negotiable territorial claims―in the same level as Taiwan and Tibet. It possibly means that Chinese authority has to defend its newly categorized national interest in the East Sea by all costs, including the use of force.

 南シナ海および東アジアにおけるこんにちの中国は、戦国時代の秦として考えるのがよさそうだ。ベトナムはそれを念頭に置いてか置かずか、どうやら合従策を推進しようとしている。二国間協議は、結局向こうに屈服する途だと考えている。
 そうであれば、合従は、地域外の国を引きこむことがより望ましい。それはまず日本であり、ついで米国であり、またロシアやインドであろう。

「『日本が来なければ韓国が来る』 北方領土の共同開発促す 露極東全権代表」

2011年07月30日 | 地域研究
▲「msn 産経ニュース」2011.7.7 20:03、共同。
 〈http://sankei.jp.msn.com/world/news/110707/erp11070720030005-n1.htm

 ロシア極東連邦管区のイシャエフ大統領全権代表は7日、北方領土の経済開発に関連し「日本が来なければ韓国が、韓国が来なければ中国が来る」と述べ、ロシア側が提案している共同経済開発への参加を日本に呼び掛けた。

 このロシアの遣り方は、南シナ海の中国とおなじで、応じればそれは相手の領土主権を認めたことになるのだから、日本がおいそれと乗れるはずはないだろう。
 私も20年前に、サハリン州で各界の偉いさんたちから同じ内容のブラフを受けたなあ。あれから日本とロシアの領土問題交渉は進展していないということだろうか。それにしても1992年秋の時点で、ユジノサハリンスク駅前のレーニン像を倒さずに残している理由を私が尋ねると、「歴史遺跡として残している。歴史は過去の事実であり、恣意的な感情で否定したり消し去ったりできるものではない」と返答した彼らのほとんどは、ソ連崩壊前からロシアになってもほとんど同じ職、同じ地位にある人々であった。レーニン像は今日も残っているらしいが、ということは、昔も今も変わらず同じということなのか?

「中国人の革新は『張り子の虎』―米紙」 を読んで

2011年07月30日 | 地域研究
▲「レコードチャイナ」2011-07-30 05:00:19、翻訳・編集/若林亜希。
 〈http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=53142

 まあそうでしょうね。
 以下抜粋。

 中国では95%以上の国内における特許出願の案件は知識産権局によって受理される。案件の大多数は「新開発」と銘打っているが、実際には現在すでにある設計をほんの少し変化させただけのものだ。〔略〕2010年、中国が海外の特許庁で受理もしくは権利を受けた特許出願件数はわずか1%しかなかった。〔略〕一方から見れば、簡単な時間の問題なのかもしれない。革新には新しい成果だけでなく、豊富な経験と知識の蓄積も必要だ。最前線の科学技術で新米の中国はまだ何年もの時間をかけて知識を蓄えなくてはならない。このほか、数量ばかりを重要視し、品質を重視しない、実用化することばかりを重視するようでは国際的レベルとは言えない。〔略〕中国は電気通信技術などの分野では長い時間をかけて進歩してきた。しかし、全面的に見れば、中国が世界的な革新国家になるにはまだまだ長い道のりを歩む必要があるようだ。

「South China Sea disputes: China, other claimants and the US」 を読んで

2011年07月30日 | 地域研究
▲「Viet Nam Net」26/07/2011 08:00:00 AM (GMT+7), by Duong Danh Huy. 
 〈http://english.vietnamnet.vn/en/special-report/10855/south-china-sea-disputes--china--other-claimants-and-the-us.html

  China’s policy is not to negotiate on the issue of sovereignty. Its policy is (a) sovereignty belongs to China, (b) the claimants should shelve the sovereignty disputes and (c) jointly develop the resources with China. Therefore, by “negotiation” China only means negotiation on temporary arrangements, not negotiation on the issue of sovereignty.

 まったくその通りだと思うけどね。さらに言えば、恐ろしいのは、その "sovereignty" の有無が、現在と将来の必要によって決まることだ。歴史的な根拠というのは結論を正当化するための補完的な理由にすぎない。役に立たないときは使われない。モンゴル帝国の版図がいま持ち出されないように。

「In Tahrir Square demonstration, Islamists display clout」 を読んで

2011年07月30日 | 地域研究
▲「The New York Times」Saturday, July 30, 9:00 AM, by Leila Fadel and Ernesto Londono.
 〈http://www.washingtonpost.com/world/middle-east/islamists-display-clout-in-cairos-tahrir-square/2011/07/29/gIQAmBoQhI_story.html

  Although the vast majority of Egyptians are Muslim, the number who support implementation of strict Islamic law has long been a mystery because hard-line religious communities were persecuted and harassed by Mubarak’s intelligence service.

 これは、いまになって言っていい言葉なのだろうか。

「キルギスで国家・国民統合の象徴とされている銅像を取り替える政府決定」

2011年07月30日 | 地域研究
▲「ИТАР-ТАСС」15:44 25/07/2011, Вадим Нешкумай「Киргизия меняет главный памятник страны, влияющий на единство」
 〈http://www.itar-tass.com/c12/192018.html

 いま立っているキルギスという国ともキルギス国民とも何の関係もないソ連(ロシア)風の銅像よりはるかにふさわしいのは確かだが、かわりにマナスの像にするというのは、どうなのだろう。マナスはたしかにキルギス(クルグス)人にとっては伝説の英雄、民族の象徴であろう。しかしキルギス(クルグス)は、80を超える民族から構成される多民族国家である。なかでも主に南部に居住するウズベク人は、人口の約1.5割を占める。彼らは国家・国民統合の象徴として首都の目抜き通りに立つマナスを見てどうおもうだろう。もちろん政権担当者の熟慮した末の決断なのだろうが、異邦人のそれも素人の身ながら、ちょっと懸念を抱いた。それとも、マナスという英雄像、そして『マナス』という文学作品には、キルギス人だけにとどまらない、汎民族的な要素があるのだろうか。

YouTube 「Jodie Foster Salutes Robert De Niro at AFI Life Achievement Award」

2011年07月29日 | 芸術
 〈http://www.youtube.com/watch?v=NXOoKgmpEiU&feature=related

 『タクシードライバー』のジョディー・フォスターはアホっぽくて好きじゃなかったけれど、いまはとても魅力的だ。ロバート・デニーロを語るその切り口も、淡々とした事実の叙述なのに、ひどく斬新に思え、深い洞察の裏打ちを感じさせる。