書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

今週のコメントしない本

2006年09月30日 | 
 今週は、とくに書くべきこともないようです。

①感想を書くには目下こちらの知識と能力が不足している本
  和田春樹 『歴史としての野坂参三』 (平凡社 1996年3月) 

②読んですぐ感想をまとめようとすべきでないと思える本
  佐藤卓己 『言論統制 情報官・鈴木庫三と教育の国防国家』 (中央公論新社 2004年8月)

  読売新聞社編 『昭和史の天皇』 6 (読売新聞社 1976年5月第十二刷)

  川村湊 『満洲崩壊 「大東亜文学」と作家たち』 (文藝春秋 1997年8月)

③面白すぎて冷静な感想をまとめられない本
  佐藤優 『国家の自縛』 (産経新聞社 2005年9月) 〈再読〉

④参考文献なのでとくに感想はない本
  大佛次郎 『帰郷』 (毎日新聞社 1999年3月)
  小川和也 『鞍馬天狗とは何者か 大佛次郎の戦中と戦後』 (藤原書店 2006年7月)

  尾崎尚 『天界航路 天野芳太郎とその時代』 (筑摩書房 1984年9月)

  鶴見俊輔著者代表 『日本の百年』 3 「果てしなき戦線」 (筑摩書房 1962年3月)

  野口悠紀雄 『1940年体制 さらば「戦時経済」』 (東洋経済新報社 1996年10月第5刷)

  渡部富也 『偽りの烙印 伊藤律・スパイ説の崩壊』 (五月書房 1993年6月)

  石堂清倫 『わが友中野重治』 (平凡社 2002年4月)

  田崎哲郎 『在村の蘭学』 (名著出版 1985年2月)

  高橋昌郎 『中村敬宇』 (吉川弘文館 1988年2月新装版第一刷)

  ゴンチャローフ著 高野明/島田陽訳 『日本渡航記』 (雄松堂出版 1985年5月第五刷)

  Diane Ravitch, The Language Police: How Pressure Groups Restrict What Students Learn, Vintage Books, New York, 2004

  如儡子原著 渡辺守邦訳 『可笑記』 (教育社 1980年8月第2刷)

⑤ただ楽しむために読んだ本
  大山のぶ代 『ぼく、ドラえもんでした。 涙と笑いの26年うちあけ話』 (小学館 2006年6月)

  田村由美 『7 SEEDS』 9 (小学館 2006年10月) 

 では。

昭和戦争文学全集編集委員会編 『昭和戦争文学全集』 2 「中国への進撃」

2006年09月29日 | 文学
“本巻には昭和十二年(一九三七)七月七日の蘆溝橋事件から、翌十三年十月二十七日の漢口陥落に至るまでの、戦闘経過を扱った小説、紀行、戦記を収めた” (大岡昇平「解説」)

 特に尾崎士郎「悲風千里」と火野葦平「戦友に愬う」を、銘記する。

(集英社 1964年9月)

▲「大紀元日本」2006年9月27日、「第20回傑出中国民主人士賞:高智晟、焦国標が受賞」
 →http://www.epochtimes.jp/jp/2006/09/html/d72949.html

 司馬遼太郎は『韃靼疾風録』の中で、主人公桂庄助の口を藉りてこう述べている。

“文天祥の偉大さはわかっている。しかし庄助はつねづね、少数のモンゴル兵に制せられるまま、それを迎えて元帝国を成立させた漢人のほうにふしぎさを感じていた。もしあのとき億兆の文天祥がいれば、ひとりの文天祥が後世有名になることはなかったであろう” (『韃靼疾風録』上、中央公論社、1987年10月、「天祥先生」、同書217頁)

▲「人民網日本語版」2006年9月26日、「毎年約百万人の障害児が誕生 衛生部」
 →http://j1.peopledaily.com.cn/2006/09/26/jp20060926_63410.html
 「大紀元日本」2006年9月2日、「中国農村人口の過半数、歯磨きの習慣なし」
 →http://www.epochtimes.jp/jp/2006/09/html/d14373.html

 陶行知の思想と行動を、如何に共産主義的であったか、如何に愛国主義的であったかというだけの尺度で品隲してきたつけが、今日回ってきているとは言えまいか。

  ★以下参照。
   →2005年8月2日、斎藤秋男『評伝陶行知 政治的抒情詩人の生涯』
   →2005年8月2日、牧野篤『中国近代教育の思想的展開と特質 陶行知「生活教育」思想の研究』
   →2005年3月23日、小林善文『中国近代教育の普及と改革に関する研究』 

伊藤律 『伊藤律回想録 北京幽閉二七年』

2006年09月28日 | 政治
 この物語の主な登場人物。
   人間の屑――野坂参三
   人非人――袴田里見
   小オポチュニスト――西沢隆二
   大オポチュニスト――宮本顕治

(文藝春秋 1993年12月第三刷)

▲「池田信夫 blog」2006年9月28日、「密約―外務省機密漏洩事件」
 →http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/d/20060928

 備忘のためメモ。

東久世通禧 『竹亭回顧録 維新前後』

2006年09月27日 | 日本史
 著者は、幕末のいわゆる「七卿落ち」(文久3・1863年)の七公家の一。二歳年長の孝明天皇に幼少期より遊び相手、のち近習として近仕した経歴を持つ。

 「Wikipedia」、「東久世通禧」 
  →http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%B9%85%E4%B8%96%E9%80%9A%E7%A6%A7

 この回想録は明治40(1907)年から同44(1911)年の間に口述筆記されたものである。
 どういうわけか、東久世通禧はこの書で、幕末・維新時に薩摩藩の実質上の君主として維新の最功労者の一人となり明治後は公爵・従一位大勲位と栄位栄冠を極めた島津久光(明治20・1887年死去)を、通称の「三郎」とだけ記して、いわば呼び捨てにしている。
 久光と共に幕末の四賢侯と称された山内豊信は「容堂」、松平慶永は「春岳(春嶽)」と、これは相応の敬意を籠めて号で称んでいるし(ただし伊達宗城は諱の「宗城」で、これも呼び捨て)、また薩摩藩と並んで維新の原動力となった長州藩の藩主毛利慶親には、さらなる敬意の印として「毛利大膳大夫慶親」と朝廷における官職まで附けてある。
 もしかして嫌いだったのかしらん。

(新人物往来社 1969年8月)

▲「asahi.com」2006年09月27日、「文春、岩波に謝罪 本の内容『正確さ欠く』」
 →http://www.asahi.com/national/update/0927/TKY200609260445.html
 「文藝春秋」ウェブサイト、「水谷尚子著『「反日」以前』に関する〈告知〉」
  →http://www.bunshun.co.jp/seimei/index6.htm

 備忘のためメモ。わからないのは、問題となった事実関係そのものがなかったということか、それとも推定無罪ということなのかという点。

▲「大紀元日本」2006年8月14日、「中共の対日戦略、自国民を欺く『靖国問題』」
 →http://www.epochtimes.jp/jp/2006/08/html/d40430.html

 少し古いが、あらためてメモ。

頼祺一編 『日本の近世』 第13巻 「儒学・国学・洋学」

2006年09月25日 | 日本史
 概説書・教科書として、読みやすい。

(中央公論社 1993年7月)

▲「池田信夫 blog」2006年9月23日、「『みんなの意見』は正しいか」
 →http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/d/20060923

 備忘のためメモ。

▲「池田信夫 blog」2006年9月24日、「悲しい嘘」
 →http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/d/20060924

 同上。

▲「MSN毎日インタラクティブ」2006年9月25日、「中国:『事実』伝えた本多勝一氏ら表彰 南京大虐殺記念館」
 →http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20060925k0000e040074000c.html

 同上、と言いたいところだが、“ふーん「事実」ね”、と書く。

▲「asahi.com」2006年09月25日、「俳優の丹波哲郎さん死去 『007』などに出演」
 →http://www.asahi.com/obituaries/update/0925/003.html

 『砂の器』(1974)の今西栄太郎、『二百三高地』(1980)の児玉源太郎、『魔界転生』(1981)の村正、そしてテレビ『関ヶ原』(1980)の福島正則が印象的でした。黙祷。

半藤一利 『遠い島 ガダルカナル』

2006年09月25日 | 日本史
 これも、概説書または教科書として読む。

“いや、日本の軍部はこの惨たる敗戦から何も学ばなかったのである。その後の歴史がそれをわれわれに教えてくれる。結局は同じことを際限なくくり返しつづける、いや、日本人の独善性と硬直性と無反省と、情報無視はいまに通じているのである” (「エピローグ」 本書369頁)

 この書は、この末尾の一文を導き出すための個別具体的な事例の山である。しかし読みにくくはない。それどころかその反対である。
 だがテーマがテーマだけに、頭に入り易すぎると、今度は読むのがひどく辛くなってきた。

(PHP研究所 2003年1月)

▲「大紀元日本」2006年9月25日、「北朝鮮難民救援基金・加藤事務局長『私にたいする逮捕状は、平壌の対日カード』」
 →http://www.epochtimes.jp/jp/2006/09/html/d41974.html

 中国のSK-Ⅱに同じい。

▲「大紀元日本」2006年9月23日、「日本製化粧品事件:上海支社に抗議者が殺到、中国での販売一時停止」
 →http://www.epochtimes.jp/jp/2006/09/html/d36157.html

 暴行は政府のお咎めなしと踏んだ騒ぎ好きなお調子者の仕業か、それとも日本との関係悪化によって利益を得る誰かの仕掛けか。

▲「Sankei Web」2006年9月24日、「中国、日本アニメ制限 代わりは『抗日』アニメ?」
 →http://www.sankei.co.jp/news/060924/kok000.htm

 諸刃の剣を研ぐ、厳粛な綱渡り。

今週のコメントしない本

2006年09月23日 | 
 「平成のんき節」

♪次期首相の決まるこの非常時に 「安倍はタカ派」の金切り声 どういうことかと尋ねたら 「岸信介のDNA」といいました ヘヘノンキダネー

 コチラのほうがよっぽどワンフレーズではないかいな、と。
 さて。

①感想を書くには目下こちらの知識と能力が不足している本
  清沢洌 『清沢洌選集』 第8巻 「日本外交史」 (日本図書センター 1998年7月)

②読んですぐ感想をまとめようとすべきでないと思える本
  水木しげる 『水木しげるのラバウル戦記』 (筑摩書房ちくま文庫版 1997年7月) 

③面白すぎて冷静な感想をまとめられない本
  楠田實著 和田純編・校訂 五百旗頭真編・解題 『楠田實日記 佐藤栄作総理首席秘書官の二〇〇〇日』 (中央公論新社 2001年9月)
  佐藤寛子 『佐藤寛子の宰相夫人秘録』 (朝日新聞社朝日文庫版 1985年5月)
 
④参考文献なのでとくに感想はない本
  半藤一利 『レイテ沖海戦』 (PHP研究所 1999年11月)

  長谷川毅 『暗闘 スターリン、トルーマンと日本降伏』 (中央公論新社 2006年2月)

  中村幸彦 『中村幸彦著述集』 第六巻 (中央公論社 1982年9月) 〈部分)

  新藤兼人 『女の一生 杉村春子の生涯』 (岩波書店 2002年1月)

  リリアン・ヘルマン著 小池美佐子訳 『眠れない時代』 (サンリオ 1979年4月)

  ジョン・リード著 野田隆/草間秀三郎/野村達朗訳 『反乱するメキシコ』 (筑摩書房 1982年12月)

⑤ただ楽しむために読んだ本
  ニック・ホワキン著 山本まつよ訳 『アジアの現代文学』 9 「〔フィリピン〕 二つのヘソを持った女』 (めこん 1988年3月)

  ラーオ・カムホーム著 星野龍夫訳 『アジアの現代文学』 10 「〔タイ〕 タイ人たち』 (めこん 1988年11月)

  Y.B.マングンウイジャヤ著 舟知恵訳 『アジアの現代文学』 13 「〔インドネシア〕 香料諸島綺談 鮫や鰹や小鰯たちの海」 (めこん 1996年9月)

  鮎川信夫 『鮎川信夫全集』 第三巻 「評論 Ⅱ 現代詩作法」 (思潮社 1998年7月)

  安西均 『安西均詩集』 (思潮社 1982年10月第七刷) 

  李家正文 『らくがき史』 (實業之日本社 1950年3月)

  船瀬俊介/水澤渓編著 『三一書房にみる日本の黒い霧』 (健友館 1999年4月第2刷)

  アーロン・ソーキン著 中俣真知子/池谷律代訳 『「ザ・ホワイトハウス」 オフィシャル・ガイドブック』 (ぴあ 2005年9月)

  荒木飛呂彦 『死刑執行中脱獄進行中』 (集英社 1999年12月第2刷) 〈再読〉

 では来週。

▲The Taipei Times, Sep. 22, 2006, "Exiled Thai Muslim welcomes coup (AP)"
 →http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2006/09/22/2003328725

 備忘のためメモ。

▲「人民網日本語版」2006年9月22日、「安倍新総裁に中日関係改善への努力を希望」
 →http://j1.peopledaily.com.cn/2006/09/22/jp20060922_63275.html
 「人民網日本語版」2006年9月22日、「日本産輸入食品の検査を強化、質検総局が再通知」
 →http://j1.peopledaily.com.cn/2006/09/22/jp20060922_63296.html
 「明報新聞網」2006年9月23日、「中國評論﹕中日僵局下的日貨糾紛」
 →http://www.mingpaonews.com/

 つまり検査強化は政治的な理由と目的によるもの。

▲「asahi.com」2006年9月22日、「上海ガニ養殖再始動」
 →http://mytown.asahi.com/yamagata/news.php?k_id=06000000609220005

 彼に政策あれば我に対策あり。

▲今週の「週刊文春」(9月28日号)の、「安倍晋三と炎の行者」のコピーは傑作。私の「ハリー・ポッターと赫連勃勃」よりはるかに面白い。

柴口育子 『アニメーションの色職人』

2006年09月21日 | その他
 高畑勲氏に“同志”、宮崎駿氏からは“戦友”とよばれるスタジオジブリの「色彩設計」担当者・保田道世女史の半生記。以前観たドキュメンタリー『「もののけ姫」はこうして生まれた』で、おっとりした物言いで柔和な外見だが芯はたぶん剛毅な人という印象を受けたのだけれども、果たしてそうだった。
 ちなみに、以前、宮崎駿監督作品の中で好きな作品第一位は『ハウルの動く城』だと書いたが、この本を読んで順位に変動をきたした。

  第1位 『ハウルの動く城』(2004) → 『天空の城ラピュタ』(1986)
  第2位 『天空の城ラピュタ』、『となりのトトロ』(1988) → 『ハウルの動く城』、『となりのトトロ』、『風の谷のナウシカ』(1984)
  第3位 『風の谷のナウシカ』、『もののけ姫』(1997) → 『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』(2001)

 さらにちなみに、『ゲド戦記』(2006)はまだ観ていない。

(徳間書店/スタジオジブリ・カンパニー 1997年8月二刷)

李家正文 『らくがき昭和史』

2006年09月19日 | 日本史
 著者は、「らくがき」には自分一個の楽しみのために書く「楽書」と、他者へ何事かを伝えるために書く「落書」との二種類があると言う。(本日『らくがき文化史 国宝からトイレまで』に続く)

(河出書房 1956年11月)

李家正文 『らくがき文化史 国宝からトイレまで』

2006年09月19日 | 日本史
(本日『らくがき昭和史』から続く)
 考えてみれば、インターネットの(匿名)書き込みも「らくがき」である。
 ブログを炎上させるような種類のそれは、「楽書」ということであろう。

 参考。
 ●「玄倉川の岸辺」2006年9月19日、「思わせぶりは良くない」
  →http://blog.goo.ne.jp/kurokuragawa/d/20060919

   教えられた。眼を開かれたと言ってもいい。

(講談社 1962年7月)