書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

『幕末維新史料叢書』 4

2007年12月26日 | 日本史
 収録史料。
  ・松平慶永「逸事史補」
  ・北原雅長「守護職小史」
  ・浅野長勲「維新前後」
  ・浅岡岩太郎「説夢録」 

 「逸事史補」は、坂本龍馬を「坂本竜馬」と表記している。本書69-70頁。

(人物往来社 1968年3月)

オールコック著 山口光朔訳 『大君の都 幕末日本滞在記』 全3冊

2007年12月20日 | 日本史
 ラザフォード・オールコック Sir Rutherford Alcock。1863年にロンドンおよびニューヨークで出版。

●自分が初代駐日日本総領事(のち特命全権公使)だった時期(1859-1862, 1864-1865)の英国の対日政策は植民地化でも属国化でもなく、互恵関係に基づく貿易であるという旨の証言。

●目付=スパイ説の濫觴?

(岩波書店 1997年9月第27刷ほか)

思考の断片の断片(46)

2007年12月14日 | 思考の断片
 Все счастливые семьи похожи друг на друга, каждая несчастливая семья несчастлива по-своему.

 レフ・トルストイ『アンナ・カレーニナ』の冒頭部分を、どう日本語に直すべきか。

 先例1.
  幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきは異なっているものである。 (木村浩訳、新潮文庫)

 先例2. 
  幸福な家庭は皆同じように似ているが、不幸な家庭はそれぞれにその不幸の様を異にしているものだ。 (Wikipedia「アンナ・カレーニナ」項)

 拙訳。
  幸福な家庭はみな互いに似かよっているが、不幸な家庭は各々不幸のありかたを異にする。 

  前半、「幸福な家庭というのはどれも似たようなものだが」とすると、少々行き過ぎの気味あり。

 ところでエピグラフ、

 Мне отмщение, и аз воздам

の日本語訳は、やはり、「復讐するは我にあり、我これを報いん」としたほうが、個人的にはしっくりくる。