書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

佐々木克 『岩倉具視』

2007年11月28日 | 伝記
 岩倉具視いい人論。赤報隊の悲惨な末路に岩倉がどう関っていたかについては、同じ著者による別論文「赤報隊の結成と年貢半減令」を参照せよとのこと―→田中彰編『維新政権の成立』(吉川弘文館、2001年4月)。

(吉川弘文館 2006月2月)

補足。
 大久保利通をほめる人は江藤新平をけなし、江藤をほめる人は大久保をけなす。
 同様に、徳川慶喜をほめる人は岩倉具視をけなし、岩倉をほめる人は慶喜をけなす・・・・・・らしい。

思考の断片の断片(45)

2007年11月24日 | 思考の断片
▲「MSN毎日インタラクティブ」2007年11月24日12時09分(最終更新時間11月24日12時43分)、「中国:南京でジャパンウィーク 南京虐殺事件70年を前に」
 →http://mainichi.jp/select/world/news/20071124k0000e030052000c.html

 君子は豹変す。是れ歇後法也。

岡崎久彦 『吉田茂とその時代 敗戦とは』

2007年11月14日 | 政治
 Amazonのレビューを見るとこの本を激賞するものばかりである。少しく奇異な思いにとらわれた。私など、巻末の目録にあげられた、本書が参考・引用した文献に遡って当たってみないうちは不安で云々する気にならないのだが。まず最初に五百旗頭真氏の著作を、例えば『占領期』。

(PHP研究所 2002年8月)

高橋善七 『お雇い外国人』 7 「通信」

2007年11月12日 | 日本史
 第6巻、高橋邦太郎「軍事」に引き続き、フランソア・ベルニー(フランソワ・レオンス・ヴェルニー)に関して言及(灯台建設)あり。
 「尚土蔵付き売家の名誉を残すべし」と滅亡間近の幕府をして横須賀製鉄所を建設せしめた小栗忠順と、その土蔵を差配して幕末維新の騒乱時にも無事に守り通して新政府へ引き渡したうえ、実に明治9年まで黙々と日々の仕事をこなし続けたベルニーと、どちらが偉いと問うのは愚問か。

(鹿島出版会 1979年5月第2刷)