同じ著者の『アラビア科学史序説』(岩波書店 1977年3月)と併せて読む。
ハワード・R. ターナー『図説 科学で読むイスラム文化』でも感じたことだが、物理学といいながら、そのなかに力学(動力学)分野の業績が皆無にひとしい。これはアラビア科学(イスラム科学)における力学的発想の不在を意味するか。書中の記述を見る限り、原子論に関する関心もほぼ皆無のようである(注)。
注。イスラム哲学には原子論は真空の概念ともども存在していた(しかし原子は神によって造られたということになっていた。このことと真空の存在を認めることとの論理的整合性がわからないがそれはさておく)。イスラムの科学者は哲学者とは思想や教養の根底が違っていたのかも知れない。
(岩波書店 1965年2月第1刷 1991年10月第5刷)
ハワード・R. ターナー『図説 科学で読むイスラム文化』でも感じたことだが、物理学といいながら、そのなかに力学(動力学)分野の業績が皆無にひとしい。これはアラビア科学(イスラム科学)における力学的発想の不在を意味するか。書中の記述を見る限り、原子論に関する関心もほぼ皆無のようである(注)。
注。イスラム哲学には原子論は真空の概念ともども存在していた(しかし原子は神によって造られたということになっていた。このことと真空の存在を認めることとの論理的整合性がわからないがそれはさておく)。イスラムの科学者は哲学者とは思想や教養の根底が違っていたのかも知れない。
(岩波書店 1965年2月第1刷 1991年10月第5刷)