書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

「桂米朝さん『いとこいさん、上品の極みや』」 から

2011年01月23日 | 抜き書き
▲「asahi.com」2011年1月23日21時23分。(部分)
 〈http://www.asahi.com/obituaries/update/0123/OSK201101230060.html

 また一人、昔話をする人が減ってしもて、淋(さび)しい限りです。いとこいさんの漫才には品がありましたな。一切お客さんをいらわずに、2人の会話だけで進めて行く。呼称は常に「君」と「僕」。決して「おまえ」、「どついたろか」といったドぎつい言葉は使いません。上品の極みや。今の漫才さんの中に、このスタイルを受け継いでくれる人がおるかしらん。こいしさんは私より二つ年下やが、芸歴は私より古いんです。旅芸人の一座に生まれ育ったんでっさかいな。彼と古い話をしだすと、もう止まりません。最近も放送局の控室で何時間も話し込んだことがありました。(落語家・桂米朝さん)


 中川家のお二人、できたらもうちょっと品ようやってください。お願いします。

Colin Mackerras/Michael Clarke 編  『China, Xinjiang and Central Asia』

2011年01月23日 | 人文科学
 副題「History, Transition and Crossborder Interaction into the 21st Century (Routledge Contemporary China Series)」

 いわゆる現在中国で新疆ウイグル自治区と呼ばれている地域を、“東トルキスタン”と呼ぶか“ウイグルスタン”と呼ぶかの選択は、その独立志向のウイグル人が、汎テュルク主義に立って周囲の同族国家と連帯しつつ運動を進めていくか(前者)、カザフスタン、キルギスタン(クルグズスタン)、ウスベキスタン、トルクメニスタン、そしてテュルク系ではなくペルシア系であるタジク人のタジキスタンも含め、それぞれがそうであり或いはそうであるよう目指しているように、自らもまたウイグル人によるウイグル人のための国民国家樹立を目指すか(後者)の立場の選択に関わってくるのだという("Uyghurs in the Central Asian Republics: past and present," by Ablet Kamalov, pp. 115-132)。

(Routledge, London & New York, Apr., 2009)

これをどう解するべきか

2011年01月23日 | 思考の断片
▲「環球網」2011-01-23 08:45、环球时报「中国刷新大国GDP排名 日本正式失去老二位置」(●本报驻外记者 李珍 廖政军 青木 ●本报记者 曹磊 张倍鑫 张旺 ●斌 魏辉) (部分)
 〈http://finance.huanqiu.com/roll/2011-01/1452765.html

 一名日本政治问题专家和《环球时报》记者探讨这个问题时曾说:“目前日本还不能坦然接受被中国超越的事实,因为中国很多问题不透明,我们无法知道中国的真实意图,所以很担心。”

 “日本は中国を見下しているからGDPで追い抜かれた事実を受け入れることができない”という見方は、根拠もなにもないのだが、昨今の中国人の日本観では判で捺したように現れる。ここにある確かな事実は中国が日本をGDP成長率で追い越して世界第二位の経済大国になったということだけである。あとはみな臆測にすぎない、ところがそれがあたかも事実もしくは真実のように断定される。“日本は中国を見下している”。
 ところが、これが日本批判の向きに傾くと、“中国は広く資源や物産にも恵まれた豊かな国だから、貧しい日本は絶対に侵略してやろうと虎視眈々とその機会を狙っているに違いない”となる。“日本は中国を羨んでいる”。
 見下すことと、羨むこととは、互いに矛盾するのだが、問題にはならないのだろうか。そもそも国家(政府)と国民(個々の日本人)の区別をしないような思考様式では、矛盾として見なされることはないのだろうか。それともやはり日本は米国の“従属国”で工作の対象でしかないから、とにかくなるたけ自国の国益に沿うように動かせればそれでよいので、まともに研究する気などはないのだろうか。

「映画『我知女人心』 注目は巩俐のOLの格好」 を目にして

2011年01月23日 | 思考の断片
▲「CRI Online(日本語)」2011-01-21 11:47:55。(全)
 〈http://jp1.chinabroadcast.cn/1061/2011/01/21/162s169864.htm

 最新映画「我知女人心」の制作チームはこのほど、スチール写真を公開した。主演の巩俐(コン・リー)は映画の中で様々なOLの格好をし、その「百変化」は映画の最大の見どころとなっている。

 鞏俐(コン・リー)はシンガポール国籍を取ったから華人ではあっても中国人ではない。彼女が中国国籍を捨てたときは非国民だ裏切り者だと非難囂々だった。僅か二年前のことである。もう問題ではないのだろうか。当時の私はこれを建前に隠した本音のやっかみのなせるわざと解したが、いまは、それだけではなく、これを政治的判断ととるべきか、遠くは梁啓超、近くは林思雲氏が指摘した、中国人の“五分間の熱情”の表れとして観るべきかとも考えている。