くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「シロガラス」1~3 佐藤多佳子

2015-01-23 21:16:22 | YA・児童書
 書店で初めて本を見たとき、なんだかガラス職人を目指す集団なのかと思ってしまいました。
 白烏、なんですね。作中にアルビノのカラス、フォーマルファウトも登場します。それに、舞台は白烏神社。
 中心になるのは、千里・星司・美音・礼生・有沙・数斗の六人。白烏神社の神事である子ども神楽をすることになっています。
 千里と星司はいとこ同士で、祖父は白烏神社の宮司。古武術の達人でもあります。美音は神社のごく近くに住む幼なじみ。
 礼生は千里とライバル関係にある男子。有沙は毒舌、数斗は勉強はできるけど音楽や運動が苦手です。
 雷の鳴る日、彼らが境内の「星明石」に触れたとき、謎の青い光に打たれて気を失ったことを皮きりに、どうやら超能力のようなものが発揮されるようになります。
 テレポーテーション、テレパシー、動物の気持ちが分かる、相手に言うことを聞かせる、頭の回転が早くなる、超能力をブロックできる。それぞれの能力は違いますが、力を使ったあと脱力してものすごく疲れることは共通している。
 誰かに触ると心の声が聞こえてくることに耐えられない美音。普通に勉強したいのに、そうできなくて困る数斗。
 そんなとき、フォーマルファウトの体をかりた「雪気」というオバケが現れて……。

 佐藤さんがファンタジーを描くとこうなんだなー、と思いました。
六人の子どもたちが思いがけない超能力に右往左往して、仲間としての絆を深めていく。
 戦隊ヒーローものを彷彿とするような場面もあり、
 さらに、この六人、ある人物の子孫としてこの力を目覚めさせたのですが、千里と星司の身内である真典と真行の兄弟にもその力があるような感じです。(彼らは自覚していませんが)
 三巻のラストで、なんとこの伝統ある神社に携わっていた祖先が○○○であることが判明! い、いいんですか、佐藤さん! あとどのくらいでエンディングを迎えるのですか? わたしにとっては、結構衝撃の事実でした……。
 まだ明かされないミズキさんと雪花の失踪、気になります。
 真行が舞うところ、篳篥を奏でるシーンがすごくかっこいい。あと、おじいさんもすてきなんですよ。
 六人のなかでは数斗が好きです。芯がしっかりしている。
 三巻までは続けて出版されましたが、続きはいつになるのでしょうね。

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