くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「さくら聖・咲く」畠中恵

2012-11-19 19:16:04 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 ごめんなさい、ずっと「ひじり」だと思っていました。「せい」だった。前作も読んでいるに記憶していなかったのですね。
 畠中恵「さくら聖・咲く」(実業之日本社)。元大物議員の大堂の個人事務所でアルバイトする佐倉聖。卒業も近づき、就職を考えはじめます。中学生の弟を扶養する立場としては堅実な公務員といきたいところですが、そうなると議員関連の部署に回されそう。まずは、長期アルバイトからの採用が多いらしいD社の面接に行きますが、予想しなかった停電である部屋が開かなくなり……。
 畠中さんの現代もの。海千山千の政治家たちが持ち込んでくる厄介ごとを解決しなければならない聖の苦労と、口ではあれこれ言いながらも手助けしてしまう人のよさが楽しい。地元では王子様と呼ばれるほどの出で立ちながら、結構腹黒い加納議員。美人できっぷがよく、有能なのに恋に落ちてしまうと使い物にならない秘書の真木。ものすごい面倒くさがりなのになんでもお見通しの大堂と、その妻沙夜子議員。弟の拓。彼の作るサンドイッチがおいしそうなんです。聖のキムチチャーハンも!
 紆余曲折でいろいろあって、新しい知り合いも増え、ラストは大団円。現代ものなのに、聖は「若旦那の兄や」みたいな喋り方をすることがあるよなぁ。
 わたしは作田さんが素晴らしいと思うのでした。
 


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