くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

吉野朔実劇場

2016-07-29 20:53:19 | 書評・ブックガイド
 吉野さんがお亡くなりになったという話を聞いて、ショックでした。
 吉野さんファンの友人から、「少年は荒野をめざす」を借りてからずっと読んできただけに……。
 わたしは短編がすごく好きで、「いたいけな瞳」の完成度の高さや繊細なイラストにため息をついたものでした。二つにさかれた写真とか、福子といういとこを愛するあまり好きでもない女と結婚しようとする男とか、タンポポみたいな双子に翻弄される女子とか、いろんな話を思い出します。
 中でも自分にとってベストの本はといえば、ハードカバーで出版された「天使の声」ですね。同時収録の作品(タイトルが思い出せない! なんとかの森? 「眠れる森」でしょうか)がすごく好きです。
 兄の妻を殺害し、「金の蝶々」と一緒に埋めて逃げてきたという男。医者の妻として暮らす外国人「はなこ」と出会います。
 彼の葛藤とか医者の強い思いとか、殺害されたはずなのに夫と歩いていた女とか、場面がふっと浮かびます。
 どこにしまったかなー。読みたい……。
 「いたいけな瞳」は全巻実家にあるので、部屋にある「吉野朔実劇場」(本の雑誌社)を読み返しました。
 「お父さんは時代小説が大好き」に始まり、「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」「弟の家には本棚がない」「本を読む兄、読まぬ兄」「神様は本を読まない」「悪魔が本とやってくる」。立て続けに読みました。
 そうか、「短歌パラダイス」を読もうと思ったのはこれがきっかけだった。(まだ全部読んでないけど)
 わたしが本屋で見かけても手に取らないような本もあります。

 で、「天使は本棚に住んでいる」を買いました。
 ここで紹介されている本で、わたしが読んだことあるのは、「残穢」だけです。好みがあうというわけではない。
 吉野さんの切り口がおもしろいのですよね。東野圭吾も読んでいないという(笑)「カラマーゾフの兄弟」を読んでみたくなってまんがを借りてみました。
 それから、吉田戦車を「好青年」と評しています。どんな人なんだろうか。
 実家に行って棚をあさったら、「天使の声」、ありました。読めて良かった。

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