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くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「サーカスのライオン」川村たかし

2013-09-18 05:01:36 | YA・児童書
 台風が接近するとのことで、雨が小止みになるのを見計らって実家を出ました。
 娘は、音楽で歌のテストをするとかで、どの曲を歌うか悩んでいると言います。季節に合わせて「もみじ」とか「真っ赤な秋」とか「小さい秋みつけた」とか、そういったところを提案するのですが、知らないとか覚えてないとか、さらには「歌詞を忘れた」と言われます。
 うううん? もしかして、歌は階名で覚えるの?
 娘はピアノを習っているので、どうもそうらしい。わたしは楽譜は読めないけど、提示された歌は結構早く覚えるタイプ。で、自分で再生するときは、歌詞が中心です。
 これがまた、自分でも疲れるんですが、流れてきた音楽の歌詞をいちいち頭の中で振り返ってしまう。先日、海水浴場で戦隊ヒーローソングメドレーが流れると、延々とその歌を心で歌わずにはいられないのです。
 わたしは、言葉を記憶するタイプなんでしょうね。勉強も暗記ものが得意です。
 さて、娘は暗記が苦手かというと、そんなことはありません。教科書の音読をしていると、大体本文は覚えてしまうそうです。「なまえをみてちょうだい」は全部暗唱していました。で、現在娘がやっているのは、「サーカスのライオン」。
 二つ上の息子が読んでいたとき、ラストで胸が詰まる思いをしたわたしですが……娘の音読は、すらすら読めているだけで、なんとも無味乾燥。「オーラオーラ」なんて、かけ声だと思ってもいないらしいし、じんざの叫びは迫真の演技なんですが、ああ、ちっとも「間」がないんですよ。
 そしたら、書き込み教科書を見てなんとなくわかりました。娘は、多分イメージを自分で作って読んでいないんです。例えば、じんざが少年からチョコレートをもらう場面。
「チョコレートは好きじゃなし、食べたことがないけど」と書いてある。いや、まてまて、食べたことがなかったら好きかどうかわからないでしょうよ。じんざは、苦手だけれど、少年がせっかくくれたものだから(おそらく少年にとっては大好物)そういうものをわけてくれる気持ちがうれしいのではないのかな。
 全体的に、そうやって想像することを書けない。文中にある言葉をなぞるだけなんです……。
 まだ三年生だから、想像して言語化するのは難しいんでしょうか。
 でも、この火の輪くぐりでむちを「チタッ」と鳴らすおじさんとか、じんざがいないことを承知してサーカスにきてくれたお客さんたちの気持ちを思うと、わたしは切なくて仕方ないのですが。
 わたしが三年生のとき、この作品は教科書に載っていたのでしょうか。五年生で「チワンのにしき」、六年生で「桃花片」をやったのは覚えているんですが。


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