草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

切り抜き動画で憎悪を掻き立てるのはナチスと一緒だ

2024年07月12日 | 石丸伸二
 ヒトラーは「宣伝は永久にただ大衆にのみ向けられるべきである!」(『わが闘争上』平野一郎、将積茂訳)と述べた。小難しいインテリを相手にするのではなく、大衆の感情を揺さぶればいいのである。今回の東京都知事選挙でも、予想に反して2位になった石丸伸二氏は、宣伝戦のウルトラCであるナチスの手法を使った。
 その最たるものが「政治屋を一掃しろ」とかいう言葉である。定義などはどうでもいいのだ。一度聞いたら耳に残るような単純なフレーズでなければならない。政治家を汚物同様に扱うことで、大衆の怒りの矛先がそこに向けるのだ。
 切り抜き動画を使うというのは、ヒットラーが得意とした演説と同じような効果がある。そこで居眠りをした市議会議員を罵倒すれば、大衆は「政治屋」が可視化されたと錯覚して、ここぞとばかり罵倒を浴びせ憂さを晴らすのだ。
 日本の左派もようやく気付いたはずだ。しかし、ナチスとドイツ共産党の支持基盤が一緒であったように、それに立ち向かうことができるのは保守派のみである、常識に支えられなければ、異常さが理解できないからである。とんでもない怪物をのさばらせるかどうかは、あくまでも私たち次第なのである。

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