すでに瓦解してしまっている民主党政権が、延命のために国政を弄んでいるのは、国民にとってこの上なく不幸なことだ。参議院の社会保障と税の一体改革特別委員会で、自民党が採決の前提となる中央公聴会を31日に開催しようとしたらば、民主党がそれを拒否したというのだから、何をか言わんやである。政治生命を賭けると公言しておきながら、野田佳彦首相はまたまた国民を騙したのだ。しかし、自民党も頼りない。どうして西田昌司や森雅子を前面に立てて、論戦を挑まないのだろう。質問者が及び腰で、手加減を加えてしまったならば、国民にアピールできないではないか。谷垣禎一総裁には、民主党政権を追い込むという気概が、どうしても感じられない。さらに、経済政策についても、国土強靭化基本法案の周知徹底を図るために、一大国民運動を展開すべきだろう。それもしないで、政権が転がりこんでくるわけがない。そして、新自由主義に対して、自民党は新保守主義の旗を掲げるべきだと思う。新古典派でもある新自由主義では、「人間は合理的であり、消費者は所得の制約のもとで消費から得られる満足を最大化し、企業家は技術の制約のもと利潤を最大化しようとする」(松原隆一郎著『経済思想』)というのが前提になっているが、構造改革はリストラをともなうのであり、結果的に消費者は将来に不安を抱くことになり、公式通りにはいかないのだ。民主党政権を解散・総選挙に追い込むのは、妥協ではなくて、新保守主義の旗を高く掲げることなのである。
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ただ、社民党・共産党は20世紀の固定観念を繰り返すばかりなので、使い物にならない。