今年もまた、8月15日の敗戦記念日がめぐってくるが、戦争は悪だというサヨクに読ませたい文章がある。レーニンが1905年に書いた「旅順の陥落」である。レーニンほどの革命家になれば、それこそシリアスな見方をしていた。「進歩的な、すすんだアジアは、おくれた、反動的なヨーロッパに、取りかえしのつかない打撃を与えた」とキッパリと言い切ったからだ。レーニンにとって、ロシアという国家は、反動的なヨーロッパの最終的な後ろ楯であった。それが打ち破られたことで、新しい時代が幕を開けることを直感したのだ。さらにレーニンがすごいのは、社会主義者が支持できるのは、日本の労働者や人民だけだ、という公式主義にこだわらなかったことだ。いくら二つのブルジョア国家の衝突だとしても、「そのうちの一国の歴史的な進歩的な役割」(「旅順の陥落」)というのを問題にした。だからこそ、専制政治であるロシアの軍事的敗北を待望したのであり、それが革命への突破口になるのを確信していたのだ。「すすんだアジア」としてロシアに対抗した日本は、世界史のなかで大きな役割を果たした。現在もまた、帝国主義な古い国家が東アジアにひしめいており、日本の領土を侵そうとしているが、「すすんだアジア」としての日本は、反動的な国々に屈するわけにはいかないのである。
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日露戦争では思わぬ勝利を味わえたが、思想的に空洞化を起こした日本が、ついに世界大戦で惨めに敗れた。
エネルギー問題で日米戦に引きづりこまれた反省のない、近視眼的な反原発勢力の意見である。