なぜ安倍首相は緊急事態宣言を出せないのだろう。武漢発の新型コロナウイルスによる感染の爆発的拡大は、目前に迫っているのではないか。それが数字に表れていないだけで、秒読みの段階に入っているように思える。一日数千人の感染者が出ることが予測されている。局面が変わってきており、即刻決断すべきである。新型コロナの特措法に不備があるとしても、それでもって対抗策を講じなければ、座して死を待つことになるからだ▼瀬戸際だからこそ、国民の移動を制限しなければならないのである。これまで感染者数が少なかったのは、奇跡が重なっただけだ。日本だけ例外であるわけはない。国家たりえない日本は、異常事態になっても、国家としての主権が行使できないことが明確になった。批判を恐れるあまり、安倍首相は尻込みしてしまっているのだ▼悲しいかなこの国では、非常手段に訴えることもできないのである。今の憲法では、非常事態法がないために、戒厳令や憲法の停止条項もない。例外状況はまったく想定されていないのである▼もはや先送りすることは断じて許されない。正常な状態であるかどうかも決定できず、学識経験者に丸投げするというのは、政治家指導者としての責任放棄である。このままでは、日本も死屍累々の惨状を呈することになる。国家に値しない今の日本のままでは、国民の命を守ることはできないのである。
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