日本派としてTPPに関しては簡単に容認できない。いかに自由貿易が重要であっても、国益が優先させなければならないからだ。しかし、民進党は衆議院の特別委員会での審議で、政府を徹底追及することができず、間抜けな大臣の揚げ足取りに終始した▼最初にTPP参加を決断したのは、民進党の前身である民主党政権の時代だ。当時は自民党が反対の急先鋒であった。例外の品目を決めて、農産物などの聖域をどこまで守り切ったのか、日本の国柄を損なわないのか、といった根本的な議論が行われなかったのは、政府というより野党の責任が大きい。今日の特別委員会での採決にしても、あまりにも呆気なかった。プラカードを掲げて気勢を上げただけで、これでは絶対阻止を叫んでも、単なるパフォーマンスでしかない。いかにマスコミを味方に付けて「強行採決」と批判しようとも、国民の多くは耳を傾けないだろう▼民進党代表の蓮舫が二重国籍で国民に嘘を吐き、今もそれが続いているわけだから、その点からも説得力がない。アメリカの次の大統領は保護貿易主義に向かうとみられる。あえて日本が国会の承認を急ぐのは、約束を果たしたということで、主導権を確保したいからだろう。国際化をせざるを得ない必然性は分かっても、混乱は最小限にとどめなくてはならない。TPPを政争の具にしてしまうような政治で、国民を幸福にできるのだろうか。
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