ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

原発事故はなぜくりかえすのか

2011年09月15日 | 研究・書籍

自己検証をしないのが原子力産業の特徴

どの事故も徹底調査、究明をしない。安全神話が先行しているだけに各発電所相互に「過失」はタブー。それゆえ失敗事例を共有化することがなかった。事故(失態)により国からの補助金カットを恐れる。そこでなりふり構わない隠ぺいから挙句の果ては改ざんまで行う・・。

高木仁三郎の著書『原発事故はなぜくりかえすのか』は題名の問いに、きちんと答えが読み取れる内容でした。良い本です。

タイトルと内容に不一致な本、たとえば以前読んだ『パナソニックがSANYOを買収する本当の理由』などは、核心の「理由」が見当たらずがっかりさせられましたが、本書はちがいます。まったく期待に反しないものでした。

放射能を知らない原子力屋さん。JCOの時は、測定器もつけずバケツでウランを運ぶ。ウランが強い放射線を出している意識がない。放射線に対しては「物理屋さん」と「化学屋さん」では、対応が異なるらしい。

高木仁三郎の聡明さは、原発推進学者からも一目も二目も置かれた存在でしたが、逆に高木仁三郎が推進派で評価したのが飛岡利明(原子力研) 。安全を技術的な視点からとらえ重要視した人だからのようです。 

1990年代の事故の小年表が挿入されていましたが、JCO事故をはじめ、各地で原発のトラブルが多発していたことが伺われる。その都度、事故隠し、過小評価してうやむやにしてきたのが、政府であり電力会社でした。

原発事故はなぜくりかえすのか
高木仁三郎著
岩波書店

 

参考動画高木仁三郎:今、注目..."反原発のカリスマ"と呼ばれた学者

 

 

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