ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

今年もフードファディズムの気配

2011年01月05日 | 医療・福祉

昨日、民放テレビの家庭医学番組で、花粉症にレンコンが効くという話をしていました。「またまた、懲りずに・・」と苦笑しました。

これまでも、マスメディア発の、ダイエットには○○が良い、○○茶は何々に効果、などこの種の“お得な情報”提供は後を絶ちません。テレビを見た消費者は、急いでお店に走る。予め店側には放映の事前情報が流れていてその品物を大量に仕入れスタンバイしていたというケースも明らかになっています。しかし、しばらくしてそれが誇大広告であったり、立証実験の結果、誤認であることが判明されそのことは次第に人々の脳裏から消えていく。そして再び忘れたころに同じような○○に効くから○○が良いが・・

このように、食べ物や栄養が健康や病気に与える影響を過大に評価したり信じたりすることを「フードファディズム」と言います。
Food Faddism 。発音が「ファシズム=fascism」と間違えそうですが、「ファディズム=faddism」の方は「一時的に流行を追いたがる」の意味。もっともどちらも熱狂的という点では共通性も感じます。


CMで「コラーゲン飲んでお肌つるつる」の体言止め表現はおとがめなし。しかし「お肌つるつるになる」と言ってしまうと違反。化学調味料が悪者か?無添加商品がすべて良いものなのか?着色料であっても若干のものはまったく心配ない。コーラを飲むと歯が溶けるのウソ。。

世の健康ブームにつけこんで「不安便乗ビジネス」「無添加商法」「優良食品販売」の不確かな情報が蔓延しています。

フードファデイズムを、日本に初めて紹介したのは高橋久仁子教授(群馬大学教育学部)。「現代人は情報先にありきで食品知識に過剰反応し過ぎている」と警告しています。

1食に30品目は食べなさいなどと言う役所の指針もありますが、数にこだわることはない。大根ばかりかじっていてもキャベツばかり食べていても、適当な量を守り適切な食事を行えば大丈夫。特定の食品を集中して摂取したからといって、急激に体に良い(悪い)の状態になることはありません。大手マスメディアからさえ至極あやしい食情報がもたらされる今日、低俗知識に惑わされない食生活を今年も心がけたいものです。

【写真】がんサポート情報センターHPから 高橋久仁子氏と鎌田實氏

TBSラジオ「Dig」参照

 

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フードファディズム―メディアに惑わされない食生活 (シリーズCura)
高橋 久仁子
中央法規出版
コメント (2)
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