ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

【中学下宿記】(15) 突然のイジメ終息宣言

2009年11月13日 | 中学生下宿放浪記
校内のいじめについては、担任の先生にも相談しました。
そして、ここはどうしてもなじめないので他校に移りたい、とも。
どこに行くのかの問いには、「前橋に戻ります!」ときっぱり。
先生は黙って私の話を聞いていましたが、ぽつんとU君について
「実は、Uのお父さんはアメリカ兵で、すでに帰国して不明なのだ。
今、Uはおばあさんに育てられ一緒に暮らしている」
と、同情を交えた話し方をされました。
「えっ?ほんとですか!」

U君は、いつもハウスに住むHさんを「ガイジン、二世」といって
いじめている。そんな彼が、彼自身が!
にわかには信じられませんでした。
U君は、外見が体型的に小柄で、日本人離れしたところは感じられない。
ただそういえば、なんとなく当時、テレビに出ていた歌手のジェリー藤尾
に似ているなとは思っていました。

それでも日に日に“脱出”への決意の固まる学年末期の午後、商店街
(今のN書店あたり)を歩いていると、偶然反対の通りにいたU君が
「来い!」と叫んでいる。「しまった」彼の左右には強そうな側近が2名、
脇をしっかりガードしている。
《3対1では勝目はない。でも学校の中ではなく街中だからそう手荒な
ことはしないだろう、されたらすぐ逃げよう・・》など、とっさに考えながら
しかたなく恐る恐るそばに近寄っていきました。

「おい、俺はもう桂をいじめるのを、止めるぜ。もういじめねェ~からな」

今、思い返すとジーンとくる言葉でもあるのですが、その時は、何を
気ままなことを言ってやがるこの暴れん坊め、とばかり思い、一刻も
早くその場から立ち去ることだけを考えていました。(つづく)



【写真】1961年頃の坂田。今のグリーンロード商店街付近。
    前方が太田方面、広大な米軍輸送基地。
    写真右上辺りが現在のベイシア大泉店の位置。
    マミヤ35Sで撮る。

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コメント (1)
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