魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

キヌベラ

2022年08月07日 23時26分39秒 | 魚介類飼育(海水)

5月に採集していたにもかかわらず、これまで紹介できていなかった魚。スズキ目・ベラ科・ニシキベラ属のキヌベラ。

サンゴ礁域のイノーのような場所では見たことはなく、断崖絶壁の磯で見られたもの。ハクセンスズメダイやカエルウオ類、クサギンポなどのいるような潮だまり、ラッパモクの合間に見られた個体。しかもこの個体がいたのは水深10cmもないような場所。そこでタマギンポの大きめの個体と見られた。

キヌベラの幼魚はニシキベラの幼魚やリュウグウベラの幼魚によく似ているが、背鰭の前方、および中央部に黒色斑があるのが特徴。ニシキベラは体側の縦線の形状が異なり、リュウグウベラは背鰭に多数の黒色斑があるところが異なる。ただし、キヌベラの雌とリュウグウベラの雌は非常によく似ておりかなり見分けが難しい。雄成魚の見分けは簡単で、キヌベラでは頭部に赤い模様が入るのに対し、リュウグウベラの頭部には模様がない。

キヌベラをふくむニシキベラ属は基本的に夜間砂中には潜らず、岩の隙間やサンゴの隙間に隠れて眠る。昼間はサンゴの隙間をびゅんびゅんと泳ぎ回る。今回までご紹介できなかった理由としては、素早く泳ぐためなかなか写真におさめることができなかった、ということがあげられる。飼育は別に難しくはないが、キヌベラは成魚では全長40cm近くになること、非常によく泳ぎ回ることから大きな水槽が必要になる。水槽ではどれだけ大きくなるかは不明だが、飼育して確認してみたいところである。

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