魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

キヌカジカ

2022年05月31日 19時23分49秒 | 魚紹介

今日で5月もおしまい。また昨日はぶろぐ復活1周年でした。

カジカ科の魚は日本に90種近くもいるのだが、そのうちのほとんどが北海道から東北地方に生息し、関東沿岸では少ない。しかし少ないといっても、何種類かは毎年採集することができる。写真のキヌカジカも毎年この時期に関東の磯に出現、海藻がある場所で見られるのである。

キヌカジカはカジカ科サラサカジカ属の魚である。サラサカジカ属の魚は世界で2種類からなり、いずれも日本に分布している。しかし、近縁種サラサカジカとの見分けがやや難しい。

従来は、キヌカジカの第1背鰭と第2背鰭は鰭膜で連続しない、サラサカジカでは第1背鰭と第2背鰭は鰭膜で連続する、というのが見分け方とされていた、しかし個体によっては連続しているか否かがわかりにくいこともある。そのため第2背鰭や臀鰭の軟条数を計測してみるのがよいだろう。キヌカジカの第2背鰭は15~17軟条、臀鰭は13~15軟条。一方サラサカジカでは第2背鰭18~20軟条、臀鰭17~18軟条と、いずれもサラサカジカのほうが若干数が多い。

このほか前鰓蓋骨最上棘が広く2叉するのがキヌカジカ、前鰓蓋骨最上棘が狭く2叉する、もしくは単一形なのがサラサカジカ、という特徴もあるが、生きている個体では見るのが難しい。この個体は以前千葉県で採集したキヌカジカ。広くV字になっているが、サラサカジカはこれが狭いのが特徴である。

キヌカジカの分布域は北海道南部~九州北西部の日本海沿岸、北海道~紀伊半島までの太平洋岸、愛媛県。海外では朝鮮半島、済州島、鬱陵島。サラサカジカの分布域は北海道~九州西岸までの日本海岸、青森県~相模湾までの太平洋岸、瀬戸内海。海外では朝鮮半島までと、いずれの種も比較的広域に分布する種類である。しかし一年中見られるというわけではなく、盛夏に海藻が減退しだすといつのまにか浅瀬から姿を消してしまう。この間このぶろぐでご紹介したタカノハダイよりも海藻に依存しているといえるか、高水温に弱いといえる。実際に高水温は苦手で、水温25℃くらいの環境では餌を食わない。

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早くも登場

2022年05月30日 16時24分44秒 | 昆虫・クモ

5月もあと二日で終わり。昆虫もますます増えてきて楽しいシーズンに。しかし...

早すぎないだろうか。最近かなり蒸し暑かったからかもしれない。28日に家の網戸についていた、ノコギリクワガタだと思われるクワガタ。体表に小さな白い点がついているが、ダニだろうか。なお、この個体は逃がしてあげた。

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タカノハダイ

2022年05月29日 20時34分18秒 | 魚紹介

先日千葉県の磯でタカノハダイを採集。タカノハダイの幼魚といえば、毎年3~5月くらいに海藻が多い磯で見られ、秋がくるころにはなぜかあまり見られなくなる。海藻のある場所を好むのか、海藻の衰退とともに深場に移っていくのだろうか。大きいものは浅瀬でも見られる。磯採集愛好家は本種が獲れると「まだ死滅回遊魚には時期が早い」と思うようである。

タカノハダイ科魚類は日本に3種が分布し、うち2種は尾鰭が2色に塗りわけられている。一方タカノハダイは尾鰭に白い斑点がある。斑点は相対的に小さくなり、数も増えていくようである。

タカノハダイの成魚の尾鰭。小さな白い斑点が多数散らばっている。タカノハダイと同様、浅い磯にすむものにはほかにミギマキがいて、ミギマキは尾鰭上葉が黄色で、下方が黒色。タカノハダイとミギマキの交雑も知られていて、体の模様はタカノハダイに近いのだが、尾鰭がミギマキのようになっている。津軽海峡~屋久島までの各地沿岸、奄美・沖縄諸島、小笠原諸島に分布しているが、九州以北に多いものである。食用魚で刺身・塩焼きなどは美味しいが、時として磯臭い。

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ぶろぐ16周年

2022年05月28日 22時09分24秒 | 魚介類飼育(海水)

今日5月28日はこのぶろぐを開設してから16周年です。「らき☆すた」の泉こなたさんとおなじ誕生日です。

2017年に先代を亡くして以降、久しぶりにクモウツボの飼育を再開。クモウツボといえば、アメーバみたいな斑紋と黄色の鼻孔、黄色い眼とかわいい顔が人気のウツボ。もうすでに餌(イカの切り身)もよく食べており、飼育に関して不安はなし。塩ビパイプではなく、ちょうどいいサイズのライブロックがあり、その中を住処にしている。本来、ウツボ水槽であればライブロックよりも塩ビパイプが望ましい。これはウツボの力でライブロックの岩組が崩れたりした場合ガラスが割れるおそれがあるため。でもこのクモウツボはサイズがまだ小さいので大丈夫である。

ライブロックの中のクモウツボ。大きく成長した雄以外は鋭い歯がない。餌も魚やイカというよりは、本来は甲殻類などがメインである。餌用に小さなヒライソガニを何匹か入れていたが、やがてそれらは姿を見せなくなった。ただしイソスジエビについては食べている様子がない。

ライブロックに開いた大きな穴から外をのぞき込むようなクモウツボ。クモウツボを飼育するのはこれが3回目。2009年の11月に高知県の磯で採集したものを2010年8月まで飼育していた。死因は飛び出しであった。その後2回目は2011年から2017年12月まで飼育していた。3回目の今回もぜひ長生きさせてあげたいところである。

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タスジイシモチ

2022年05月27日 22時13分45秒 | 魚介類飼育(海水)

喜界島のタイドプールにて採集したタスジイシモチを飼育中。体側の3本の縦縞(背鰭基底付近と腹部縁辺のはのぞく)のうち、真ん中のものはちょっと膨らんでいるという変わった形をしているのが特徴。また顔つきも同じく飼育しているミスジテンジクダイと比べてとがっているのも特徴的。さらにタスジイシモチだと下顎にも特徴的な模様が入るが、ミスジテンジクダイでは見られない。琉球列島のタイドプールではほとんどどこでも見られる普通種だが、格好良くて美しい。なお、タスジイシモチの飼育は今回がはじめてではなく、10年以上前に飼育した経験がある。

タスジイシモチなどテンジクダイ類は輸送に弱い。ブクブク(エアポンプ)で空気を送ってやればよい、と思う方もいるようだが、エアストーンなどで送ると水がただ動いているだけになり、汚れが散らばって水質悪化を招いたりする。そのため「水作エイト」などの投げ込みろ過器なども使用するべきだが、泡でスレるなんてこともあるようで、その場合は熱帯魚屋さんでやっているように、大きな袋に新鮮な海水と酸素を吹き込ませるほうが確実である。今回のタスジイシモチはそのおかげで長旅でも問題なく我が家に到着。その状態は、当日でも餌を食いそうなレベルで、実際に翌日には前からいたかのように餌をたべていた。

こういうテンジクダイも観賞用として飼育するのは面白いのだが、販売されることはない。飼いたいなら自分で採集してくるしかない。

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