魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

2021年を振り返る

2021年12月31日 16時22分25秒 | シーズン総括

2021年を振り返ってみたいと思います。

●今年の採集

高知県産タマギンポ

今年は2月に1回と10月に1回の計2回にとどまっている。近場と高知県である。近場では巨大カエルウオを採集したが、長生きしなかった。カエルウオの大型個体はなかなか配合餌を食わないので長期飼育が難しいように思う。

秋は例年の高知県、10月は3年ぶり。魚種も魚のサイズも9~10月が一番いいのかもしれない。ただし10月の半ばを過ぎると魚の数も種類も少なくなるようなイメージ、やはり魚を獲るなら10月上旬までがいいみたい。高知遠征でのハイライトはカエルウオの一種であるタマギンポ。よく似た種標準和名で同属のタネギンポはいっぱいいるのだがタマギンポは珍しい。またTwitterの「バナンさん」との出会いもあり、珍しいテンジクダイなどもいただいた。ありがとうございます。

 

今年のアクアリウム

サンゴは2013年に購入したシコロサンゴがダメになってしまった。妙なコケが生え、一気に死んでしまった感じである。新しく県北NMCさんで購入したサオトメシコロサンゴやウスコモンサンゴを導入、ウスコモンがダメになってしまったがサオトメシコロサンゴは状態よい。魚はオキナワスズメダイやスプリンガーズデムワーゼル,黄色いタルボッツデムワーゼルなどを入れた。なぜかスズメダイ熱がキている予感がする。おっと。37度5分はありません、大丈夫。

 

●今年購入した魚

今年購入した魚の中で最大のミナミギンガメアジ

今年は4月に静岡県戸田の青山沙織さんのところを訪れヘンテコ深海魚便を初入手。ほかにも何種か単品で送っていただいた。とくにミナミアナゴやスルガネズミダラ、シロチョウマンといった魚は初めて入手したものでテンションがあがる。ほかにも1月の巨大なミナミギンガメアジにはじまり、アズキハタ、ヨスジヒメジ、オニノウチワ、エソダマシ、ミナミホタテウミヘビ、ソウシハギ、タキベラ、ムラサキウミヘビ、サラサハギなど珍しい魚を多数入手することができた。ありがとうございます。

 

ぶろぐ復旧

昨年の「海水魚ラボ」からの離脱後、3月の終わりに突然個人のウェブログを削除された。そのため1か月ほどの間ぶろぐが更新されない期間があった。2017年の6月以降はWordpressでぶろぐを作ってきたのだが、再び2017年6月以前のGooブログに再びお世話になることに。なおもともとこのGooブログも、それ以前のプロバイダ系ぶろぐのサービス終了に伴う移籍である。ちなみに海水魚ラボは私が去ったあと、一切更新なっしんぐ。

 

●仕事とプライベート

Pokémon goのアカウントの通り「NEET」として解雇一時金を得て暮らしていたがさすがにそれだけでは食べていけないので新しい仕事をスタート。その後もぼちぼち色々な仕事を得られたため、意外と食つなぐことができた。仕事はきつかったのだが、案外「やりがい」が海水魚ラボ以上にあった。

しかしこんな緊急事態宣言が出ている間にトンキンオリンピックなんてやっているすごい国があるものだとつくづく感動。プライベートでは祖母が亡くなるという悲しい出来事も。みなさんお疲れさまでした。

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水槽のみずかえ

2021年12月29日 22時04分56秒 | 魚介類飼育(海水)

忙しかったのですが、ラインドクロミスなどが突然亡くなってしまいました、サンゴの調子もなぜかいまいち、90cm水槽2本の水替えをしました。90cm水槽のうち、多くの魚を入れているこちらの素水槽はトラブルなく、魚たちがやせているなんて言うこともなく、いまのところ順調。

高知県で採集したカスリイシモチ。やや飼育が難しいテンジクダイの仲間ですが、長生きさせてあげたいと思います。餌食いもよく順調そのもの。体側の斑紋がキラリと光ることもあり、美しい魚です。以前飼育していたニセモチノウオなどを食べてしまうなど貪欲。配合飼料(オメガペレット)なども食べてくれるのですが、イカやホワイトシュリンプなどのほうが好み。昼間は水槽の隅っこでじっとしていますが、深夜にはよく泳ぎ回っています。

昨年の12月に購入したルビーロングフィンフェアリーラス。1年たちましたが元気です。このベラもこちらの水槽に。こちらはニセモチノウオよりも大きめなので大丈夫でしょう。すでに以前からこの水槽にいたように何事もなく泳いでおります。

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ヤハズハゼ

2021年12月24日 00時46分45秒 | 魚介類飼育(海水)

最近は夜勤ばかりで、特に深夜の仕事が寒くて風邪をひいてしまいました...。奇数年の年末はこんなのばっかり。

さて。写真の魚はヤハズハゼ。クモハゼ属の種類でタイドプールでたまに見かけるものの、非常に動きが素早いためなかなか採集できなかった種。しかし今年は高知県のいつものタイドプールで遭遇し網におさめることができたのだ。

海の中で見るときは黒い体に頭部が白いという、変わった色彩をしているのでほかのクモハゼ属とは見分けやすいだろうか。飼育に関してもほかのクモハゼ属と同様と思われる。つまり、なんでもよく食べ、飼育しやすいが、驚いたときに飛び跳ねることがあるためフタは必須、口に入る生き物は捕食してしまうのだろう。

一方こちらは採集した後すぐに撮影したもの。体は灰色で頭部のみがうっすらと白い。

 

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オオヒシマトウダイ

2021年12月13日 01時30分53秒 | 魚紹介

以前もこの魚は入手したことがある。マトウダイ目ヒシマトウダイ科のオオヒシマトウダイという魚である。ヒシマトウダイ科の魚は3種が知られていて、日本にはうち2種が知られている。鱗が横方向に長くのびているなど、かなり異質な魚である。マトウダイ目で口は伸びるが、マトウダイほど口はでっかくないし、あまり伸びていない。おそらく食べるものが違うのだろう。マトウダイは大きな口で小魚を食べたりするが、オオヒシマトウダイはプランクトンや小型の甲殻類を主に食っているものと思われる。

前回我が家にやってきたオオヒシマトウダイは残念ながら標本にしてしまったので食べていない。今回は初めて食することになる。主に水深400~1200mの深海底に生息するということで、漁法なども限られてしまうのだろう。戸田の沖合底曳網でも入らないか、もし入っても相当珍しいものと思われる。今回はかなり大きいサイズの個体が長崎県からやってきたので、お刺身にしていただいてみた。

これはかなり美味しい。身は淡泊かなとおもいきや、意外なほど味があった。

もちろん肝あえも最高である。

今回のオオヒシマトウダイは長崎県の印束商店 石田拓治さんより。いつもありがとうございます。

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低品質図鑑サイトの見分け方

2021年12月08日 12時22分44秒 | 魚類とインターネット

私たちは最近魚の情報はインターネットで知ることが多いのが現状です。しかし、このインターネット上での魚図鑑は問題が多く、低品質のものも多いので注意が必要です。今回は低品質の図鑑サイトの見分け方をご紹介します。

低品質図鑑サイトの特徴1. 解説はWikipediaから

最近作られる低品質のサイトですが、解説はしっかりしていることが多いです。というのも、解説はインターネット上のフリーの百科事典である「Wikipedia」からもってくることができるからです。しかしながら、Wikipediaはだれでも編集が可能ということで「百科事典」とはいえないところがあります。実際に、「クサフグ」のところでは長らくヒガンフグの写真が乗っていたことからもわかるように、百科事典としては信用できませんし(とくにフグなどは間違えて食べると当たることがあるので危険)、信用できる情報もないことはないのですが、やはり図鑑を作成するなら、ある程度紙の書籍、もしくは論文(PDF版もよいが紙とくらべ不便)などを使用しそこからの情報を引用して作成するべきです。そしてもちろん、引用した文献についても掲載しなければなりません。

低品質図鑑サイトの特徴2. 専門用語は使用しない

次に「専門用語が使用できていない」というところがあります。たとえば日本語の魚の種(および分類単位)において唯一の普遍的な名称は「標準和名」ですが、これを「正式名称」などとしているものはあまり信用してはいけないサイトといえるでしょう。

たとえば鰭の一つAnal fin。これに「尻鰭」というのを当てていたりするのですが、ただしくは「臀鰭」です。ほかにも「塩分」(アクアリウム用語。水に溶ける塩の濃度)を「塩分濃度」とする(ただし飼育書においてもこの用語を使っている書籍が散見される)など、専門用語がうまく使えていないサイトが多々あり、そのようなサイトについては低品質なものである可能性が高いといえます。

低品質図鑑サイトの特徴3. 画像はどこかで見たもの

この手の低品質図鑑サイトの特徴として、どこかで見たことがあるような魚の画像を使いまわしているということがあげられます。具体的には「Pixta」などの画像素材販売サイトを使用していますが、無料の写真は数も種類もどうしても限られてしまいます。したがってどこかで見たような写真が多数並ぶことになります。

中にはほかのサイトからの拾い画像や、本をスキャンした画像を勝手に掲載する触法サイトも存在します。さらに引用の条件を満たすためには出典の明記も重要ですが、その出典がどこにもないサイトも多いのです。一方逆にこの出典の明記ばかりのサイトは、どうしても「他人のふんどしで相撲をとる」ような印象はぬぐえません。そして最近は素材サイトの同定も信憑性が低くなりつつあります。特に海外産の魚の素材サイトについては、めちゃくちゃな同定をしているものも多くあるのです。あの比Fishbaseでさえも間違いが散見されるのですから。

もちろん、同定が100%正しいという図鑑サイトを作るのであれば、タイプ標本ばかり並べたサイトを作成するしかありませんが、それは不可能なことです。ホロタイプ標本はまず貸してくれることはありませんし、わが国やドイツの博物館のコレクションは大戦の戦火で焼失してしまったものも多いのです。ですから仕方がないのですが、それでも魚の写真はできる限り自分で撮影して、自分で、もしくは詳しい人に同定してもらった魚を使った魚図鑑サイトであれば、その分信頼できる魚図鑑サイトとなるでしょう。

低品質図鑑サイトの特徴4. Twitterやインスタグラムへのリンクが多い

人気のSNS、従来はmixiやFacebookでしたが、mixiは私は今でもやっているものの、もう完全なオワコンになり、Facebookも最近は下火。現在は若い人たちが多く使っているのはTwitterやインスタグラムです。

このTwitterやインスタグラムの記事を貼り付けてコンテンツを作成するようなサイトがありますが、これも低品質サイトの特徴といえるでしょう。このような貼り付けの機能はもともとしっかりしたサイトがもう一つ何か欲しいなー、というときに貼り付けて使うというものであり、これで図鑑をつくるのは適していません。というのも、そのTwitterやインスタグラムの記事を消してしまえば図鑑としては成り立ちませんし、勝手に第三者が使っていいというものでもありません。

もし図鑑サイトでTwitterや、インスタグラムを使用するのであれば、図鑑サイトに何か新しいものを加えたい場合に、図鑑サイト側が、ツイッタラーやインスタグラマーに発信し「ウチのサイトの宣伝をしてくれませんか」とお願いしたり、もしくは「ウチのサイトであなたのインスタグラムやTwitterを宣伝できますよ」と持ち掛けるのが適切な使い方といえます。もちろん、図鑑サイトがTwitterやインスタグラムのアカウントを所持して「今日は新しくこんな投稿がありました」などと宣伝するのも効果的でしょう。

低品質図鑑サイトの特徴5. 飼育や釣り系のサイトによる図鑑は要注意

この手の低品質サイトはいったいなぜ存在するのか。その理由は「アフィリエイト」です。つまり、サイトに広告を掲載し、掲載した商品を購入してもらうことで利益を得るというものです。そして魚系の低品質サイトで、かつアフィリエイトで稼ごうとしているサイトは飼育系のサイト、もしくは釣り系のサイトが多く見られます。理由は簡単で飼育器具や釣り具(とくに竿やリールなど)には高価なものが多く、それにより大きな利益を得ることができるからです。実際に広告の器具や釣り具を使用してうまく飼育できたり、よい釣果をあげたりするのをアピールするサイトも存在するのですが、大体がそのような器具や釣り具を使用したことがなく販売し、小銭を稼ぐようなサイトばかりです。

というのも、実際に器具や釣り具を使用したサイトをつくろうとするなら莫大なカネがかかってしまいます。筆者もアクアリウム器具のサイトを作っていたことがあったのですが、実際に購入してサイトを作成するものだったので、やはり資金的には苦しめられました。したがって情報量の非常に多いアフィリエイトというのは、実際にその器具や釣り具を使っていない可能性が高いので注意しなければなりません。

飼育系のサイトでは、アクアリウム通販サイト「チャーム」へのアフィリエイトも見られます。生き物を通販で購入するということについては賛否両論ありますが、この手のサイトでは正確な情報を得ることが難しいので、購入した生き物をすぐ殺し、死んだらまた購入し...という、ただ浪費するだけの飼育になってしまう可能性があります。さらに日本産淡水魚についてはいわゆる「トリコ」の問題もあり、乱獲を招くという結果にもなりやすいといえます。

低品質図鑑サイトの特徴6. 大げさな「猛毒」「温暖化」発言で不安をあおる

この手の低品質サイトでのキーワードの一つとなっているのは「猛毒」というものです。

主に「ソウシハギ」や「ヒョウモンダコ」などは猛毒を持つだけでなく「温暖化」により北上しているというのを掲載しているニュースメディアも多いのです。もちろん海水温が上昇していることは事実ではあるのですが、それにソウシハギやヒョウモンダコを無理やり結び付けることについては疑問を抱いてしまいます。ソウシハギは温暖化の影響で北上している、などと言われますが、実際にはこの種は流れ藻(やそのほか浮遊物)についてくる習性があり(特に幼魚)、毎年やってくるものと考えたほうがよいでしょう。大きな個体については、流れ藻などの浮遊物につく生き物を捕食し成長するということも多いです。

ヒョウモンダコについては温暖化(もしくは海水温の上昇)により沖縄にいたものが本州から九州の沿岸にも出現しているというお話が聞かれますが、「沖縄のヒョウモンダコ」はオオマルモンダコが多く、実際にこのタコはよく撮影されていますが、ヒョウモンダコはまだ見ません。また古くから相模湾や伊豆などで目撃されており、熱帯性というよりは温帯の種類といえるかもしれません。ヒョウモンダコに関するWikipediaの記述はヒョウモンダコとオオマルモンダコが合わさったものであり、注意が必要です。

ヒョウモンダコがこれまであまり見られなかったのに、最近よく見られるようになったというのは、マスコミの影響もあるかもしれません。ヒョウモンダコのことを騒ぐのでよく意識して見るようになり、目撃例が多くなったというもの。このタコは擬態の名人で、動かないとわからないということがあります。毒性は強いのですが、タコから向かってくることはないのでその点は安心です。ヒョウモンダコ以外のタコも咬毒をもつことが多く、タコには触らないようにするのが一番。

低品質図鑑サイトの特徴7. 行政に従順

低品質サイトですが、環境省などの行政に従順であるということも特徴の一つにあげられます。

しかし、行政が行っているのは「採取などを禁止する」ことであり、実際に生物個体数の減少の最大の理由である「開発による生息地の消滅」については、「開発を制限することができる」的なものにとどまっています。しかしながら、低品質サイトの運営者は「行政は生物多様性の保全のために努力しているんだなー」と思っていたりしてまして、意見を述べることをしていません。また絶滅危惧種であることを過度にアピールするのも、このような低品質サイトの特徴といえるでしょう。最近はSDGsのブームもあり、そのようなことがクローズアップされていますが、なぜ減っているかは書いていても、どうすればいいかは書いていないのです。

低品質図鑑サイトの特徴8. 魚の名前が不正確

低品質サイトにおいては、魚の名前も正確ではありません。

とくに、標準和名●●●、という魚なのに通称で●▲●と呼ばれる魚と、標準和名で●▲●と呼ばれる魚については混同しやすいです。具体的にはアカメフグ、ドンコ、メゴチなど、魚の名前が混乱しやすいものがいます(どのように混乱しているか知りたい方は私にメールをおよせください)。これらの魚でどんな写真を使用しているか、どんな解説文が書かれているかを見ることは低品質サイトかどうかを見分けるのに役に立つのですが、ある程度魚のことをよく知っておかないと、正しいか否か理解できないところがあります。この見分け方はある程度魚のことを理解した人向けの見分け方といえるでしょう。

低品質図鑑サイトの特徴9. 対応が悪い

そして最後に、低品質図鑑サイトの運営者の対応が最悪であるということもあげられます。

他人画像の無断で使用しているサイトへの指摘は、該当の写真を消すだけで、たいていそのあとはFacebookやTwitterをブロックされるのがオチです。たとえばある神奈川県にある海水専門の水槽メンテナンス業者が運営しているサイトなどは、人の画像をさんざん勝手に使ってきて、それに対してTwitterで注意した挙句、画像を削除または差し替えたものの、Twitterのアカウントをブロックされたということもありました。大きなサイトであるが2021年は過去の記事の再アップばかり、しかも内容も...。

ということで、低品質図鑑サイトの見分け方を紹介しました。最後に低品質魚図鑑サイトというのの一覧をアップしようと思いましたが、ほかのサイトから訴えられる可能性もあるので今回はなし。結論としては

図鑑や飼育のサイトでは稼げません。

以上!

コメント (2)
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