魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

カスリミシマ

2019年02月13日 01時43分57秒 | 魚紹介

 

(※この記事は2019年2月13日にアップした記事ですが、株式会社桃鶴堂社長氏にウェブログを削除され、復旧を試みるもできなかったので、ノンオリジナルとなっております。ご了承ください)

先日長崎からすごい魚が届いた。とても珍しい魚だ。カスリミシマという魚である。カスリミシマはニュージーランド、ノーフォーク、そして北は和歌山県や九州-パラオ海嶺に分布しているミシマオコゼ科の稀種である。

カスリミシマがほかのミシマオコゼ属と異なるのはなんといっても体側の鱗である。体側下方の鱗はミシマオコゼなどと異なり線状になっていないので見分けることができるよう。それにより本種はミシマオコゼ属と異なるカスリミシマ属という独自属に含められている。なお体側の模様はミシマオコゼと異なり、あまり明瞭ではない。同じように体側に明瞭な斑紋がないヤギミシマとは体側下方の鱗で見分けるのが望ましいだろう。

一方擬鎖骨の大きな棘はカスリミシマにもある。調理の時などには注意が必要。背鰭は2基でミシマオコゼ属と同様に小さいが第1背鰭がある。背鰭は一様に黒っぽい感じだ。

カスリミシマの刺身。中央部には肝が乗っている。刺身は薄く切るのがコツで、厚く切らないようにしたい。かなり美味しく、肝の味わいもよいものであった。今回のカスリミシマは長崎県 印束商店の石田拓治さんより。いつもありがとうございます。

 

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ごっこ汁

2019年02月11日 10時11分40秒 | 魚介類を食べる

カントー地方には全国からたくさんの人が集まってくる。だから魚も色々な地域のものが手に入る。四国では手に入れることが困難なホテイウオも入手することができるのだ。ホテイウオは全長40cmになり、日本に生息するダンゴウオ科の魚では最大になる。今の時期に手に入る北の海の幸である。

ぶつ切りにして汁物。雌で卵も持っていた。肝もいれて、これが非常に美味である。

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ホオアカクチビ

2019年02月08日 20時57分51秒 | 魚紹介

1月は色々魚を買い逃したが、2月は逆に、買いたいと思った魚を手に入れられている。今回入手したのはフエフキダイ科・フエフキダイ属のホオアカクチビ。鹿児島県産で京都の「シーフーズ大谷」さん経由で我が家にやってきたもの。いつもありがとうございます。

ホオアカクチビの特徴としてはまず何といってもこの赤色斑であろう。主鰓蓋後方に赤色斑があるのが特徴である。よく似たものにアミフエフキやミンサーフエフキ、ヨコシマフエフキといった種がいるが、この赤色斑がないことにより見分けることができる。また同じように赤色斑があるのにヤエヤマフエフキがいるが、この種は吻部や前鰓蓋骨にも赤い線があることにより、ホオアカクチビと見分けることができる。なおこの主鰓蓋骨後方の赤色斑は無鱗域であり、ヨコシマフエフキなどではこの部分にも鱗があるのが特徴とされている。ホオアカクチビはハマフエフキやキツネフエフキほど大きくはならないものの、それでも全長50cm近くにはなるらしい。ムネアカクチビやフエフキダイ、キツネフエフキなどと同様胸鰭基部内側に鱗がないグループの種類である。

ホオアカクチビは存在自体は古くから知られていたようだが、記載は比較的新しく、1978年に新種記載されたもの。それより前にでた「インド洋の魚類」ではLethrinella variegatusとされたが、この学名は現在はホソフエフキという種の学名にあてられていて、体高の低いフエフキダイ属魚類の分類が混乱していたことをうかがわせる。また属学名もいまとは違っている。ホオアカクチビのホロタイプは沖縄の那覇で得られたものである。もちろん日本固有種ではなく、南アフリカ~中央太平洋のマルケサス諸島にまで分布するなどかなり広域に分布している。ただしほかのフエフキダイ属同様にハワイ諸島には生息していない。わが国では伊豆諸島~琉球列島まで広く見られる。

フエフキダイ科の魚は日本の本州~九州で広く食べられるマダイのように、南方では重要な食用魚とされている。身はどの種も白身である。味は比較的薄いが、臭みはないので料理によって美味しく食べられるだろう。今回はかなり大きかったのでお刺身にして食べた。フエフキダイ科の魚はまだあまり多くの種を食べたことがないので、今後もいろいろな種を購入して食べていきたいと思う。

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ニベ

2019年02月03日 19時51分21秒 | 魚紹介

2月ももう3日になりました。もう2019年も1/12が終わってしまいました。ミナミキントキ、アオスミヤキ、カスリハタ、ホラアナゴ、オオスジハタなど今年になってから入手を逃してしまった魚も多いです。

さて。今回ご紹介するのはこの間魚屋さんで購入した魚。ニベ科・ニベ属のニベである。ニベは比較的食用としてのなじみも深いし市場にもそこそこ出る魚であるが、なぜかこれまでこのぶろぐで紹介してきたことはなかった。魚紹介系ぶろぐのあるある、というやつであろう。

ニベ科の魚は日本には10属17種ほどが知られているが、多くの種が日本沿岸から離れた東シナ海の産であり、わが国の沿岸の広い範囲でふつうにみられるのはこのニベのほかはシログチくらいであり、ほかは西日本に多いクログチとオオニベ、瀬戸内海や有明海に多いコイチ、散発的に採集されるタイワンシログチくらいかと思われる。ニベ属の魚は日本に3種がしられ、ニベとコイチのほかにはミナミニベという種がいるが、これは日本にはほとんど見られず、東シナ海、台湾、中国、南シナ海に生息している。日本産ニベ属の共通の特徴としては体側の斜帯があることであるが(海外産ではこの帯がないのもいる)、コイチでは体側前半部の斜帯が斑点状になることが特徴(腹部が黄色っぽいのも特徴的とされる)、ミナミニベは斜帯は胸鰭上部にのみあるのが特徴とされる。ニベ科はインドー西太平洋(東アジア)に10種ほどがいるようだが、分類学的な再検討が必要だろう。

ニベの仲間は身は白身で揚げ物や焼き物などにして美味しい。今回はムニエルにして食べてみたが非常に美味しい。この個体は福島県産であるが、もう少し北の仙台湾まで見られるらしい。日本海岸では新潟県~九州、太平洋でも九州南岸まで見られるというが、近年は少なくなっているように思える。国外の分布は朝鮮半島、おそらく台湾、中国であるが大陸部での分布はとくにほかのニベ属魚類と混同されている可能性がある。

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