魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

テンジクガレイ

2019年04月29日 20時30分07秒 | 魚紹介

(※この記事は2019年4月29日にアップした記事ですが、某社長氏にブログを削除され、復旧を試みるも復旧できなかったので、ノンオリジナルとなっております。ご了承ください)

これがおそらく「平成」時代の最後に購入する魚になる。カレイ目・ヒラメ科・ガンゾウビラメ属のテンジクガレイ。 

テンジクガレイには「テンジク」、つまりインドにちなむ和名がついているが、インドだけでなく、インドー西太平洋の熱帯・亜熱帯海域に多くみられる種であり、南日本沿岸でも広くみられる。沖縄のようなヒラメが分布していない地域では本種がヒラメの代わりである。

この間もこのぶろぐでは、おなじガンゾウビラメ属のメガレイやナンヨウガレイといった種をご紹介してきた。今回のテンジクガレイは鰓蓋に沿うようにある2つの暗色斑がないという点、この特徴をもっているナンヨウガレイと見分けることができる。有眼側の体側には白い斑点が散らばり、側線の上に二つ黒色斑があるのも特徴である。

メガレイとは、有眼側に大きなドクロのような模様がないことで見分けられる。しかしこのほか、鰓耙の形状でも見分けられる。メガレイの鰓耙は掌状であるが、本種の鰓耙は細長い(ガンゾウビラメやナンヨウガレイも同様)。なお、「左ヒラメに右カレイ」なることわざがあるが、本種はカレイという名前があっても、ヒラメ科の魚であるため眼は体の左側にある。

ガンゾウビラメ属の魚はヒラメと比べて小型であり、刺身でも食べられるが唐揚げで食されることが多い。タマガンゾウビラメなどは一夜干しとされることもある。今回は唐揚げで食し、生殖腺も煮て食べたがいずれもかなり美味であった。個人的には異体類は唐揚げが一番美味しいと思っている。今回のテンジクガレイは長崎県産、長崎市「印束商店」石田拓治さん、いつもありがとうございます。

 

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アンダマンアジ

2019年04月21日 20時49分43秒 | 魚紹介

 

(※この記事は2019年4月21日にアップした記事ですが、株式会社桃鶴堂社長氏にブログを削除され、復旧を試みるもできなかったので、ノンオリジナルとなっております。ご了承ください)

4月10日にとんでもない魚が我が家にやってきました。アジ科ヨロイアジ属の巨大魚「アンダマンアジ」!重さ6㎏弱、全長748mmもある大型の個体である。我が家でさばく魚としてはおそらくもっとも大きいものだと思われる。

アンダマンアジはヨロイアジ属の魚で、その中では細長い体形が特徴。ホシカイワリという魚にも似ているのだが、頭部の形状などが異なっている。ヨロイアジ属の魚は色々な形のものがいるのだが、単系統ではないとされている。アンダマンアジは日本ではまれな種とされているが、種子島の定置網に何匹か入ったことがある。この個体も種子島の定置網で獲れたものということだ。ちなみにこの日はこの魚が何匹も入ったようだが、サイズは先述の通り、それでも一番小さなサイズだという。肉食性が強く、キンメモドキやスミツキアトヒキテンジクダイ、ハダカイワシなどを大量に食していた。

まずはお刺身。以前大型のアジを食した時はあまりおいしくないことがあったが、このアンダマンアジについてはそんなことなし、脂が程よくのり、極めて美味しい。

こちらは中骨についていた身をそぎ落としたもの。刺身よりもよく脂がのっているが、養殖魚のような脂ではなく、よい脂ののりで本当にうまい。

今回のアンダマンアジも鹿児島の田中水産 田中積さんより。ありがとうございました。

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タマガシラ

2019年04月16日 16時45分40秒 | 魚紹介

(今回の記事は2019年4月16日にアップしたものですが、某社社長氏によりぶろぐをすべて消された後復旧を試みるも復旧できなかったため、ノン・オリジナルのものとなります、ご了承ください)

イトヨリダイ科・タマガシラ属のタマガシラに久しぶりに出会った。2013年の秋以来なので5年ぶりくらい。見た目はタイの仲間ににているが、タイ科とはやや異なるグループの魚ではある。イトヨリダイ科ではあるが、イトヨリダイの特徴的な、あの芸術的な黄色縦線が見られず、タイの仲間のように見られるのであろう。体側には太い赤色の横帯が入り、よくにたアカタマガシラと見分けることができる。また日本産タマガシラ属魚類のもう1種、キスジタマガシラとは前鰓蓋骨に鱗がない(キスジタマガシラにはある)ことにより見分けられる。

決して珍しい魚ではなく、私も何度も見ているのであるが、ぶろぐにはヨコシマタマガシラ属の種や、アカタマガシラの紹介はしていたものの、このタマガシラについては紹介していなかった。沖合底曳網漁業では比較的浅い場所を曳くとき(100mほど)に網に入る魚であるが、けっこう数多く、普通にみられる魚のため、他に入る珍しい魚を優先してしまい結果的に紹介できなかったというのが正しいかもしれない。今回のタマガシラはある「青い魚」を購入する時についでに購入したものである。この「青い魚」については紹介する予定はないのであしからず。下手したら...。なお先日ご紹介したハナメゴチもその中に入っていたもの。

イトヨリダイの仲間は白身であるがその中でも色が薄くついていて綺麗である。ただしイトヨリダイのような黄色線がなく、幾分地味に感じられるかもしれない。身のほうの味もかなりよく、それでいて比較的安価、大衆の味方である。分布域は広くて、千葉県館山~九州南岸、日本海、九州西岸の東シナ海。海外では朝鮮半島、台湾、東沙、西太平洋~東インド洋。水深は50~210mまでで、南方ほど深いところ(生息に適した水温)に多いと思われる。魚類検索では「沖縄島」との記述もあるが、おそらくはかなり少ないものと思われる。今回のタマガシラも長崎県 印束商店の石田拓治さんより。いつもありがとうございます。

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ハナメゴチ

2019年04月14日 13時20分36秒 | 魚紹介

(今回の記事は2019年4月14日にアップしたものですが、某社社長氏によりぶろぐをすべて消された後復旧を試みるも復旧できなかったため、ノン・オリジナルのものとなります、ご了承ください)

色々と忙しくてぶろぐの方を更新できていませんでした。忙しすぎる。その割にはカネがない。でも魚はやってくるから写真を撮りまくるわけである。この写真のコチは先日我が家にやってきたスズキ目・カサゴ亜目・コチ科・ハナメゴチ属のハナメゴチ。

ハナメゴチはイネゴチによく似た種で、マゴチやワニゴチほどでもないが全長30cmを超えるなど、そこそこのサイズに育つ種である。眼にはワニゴチなどのような皮弁もないため、イネゴチとはかなりよく似る種であるが、体側の斑紋などはイネゴチのそれとはかなり異なっている。ただそれでも間違えられることがあり、沖合底曳網漁業でこのハナメゴチが漁獲された際に、イネゴチと誤った同定をしてしまったことがある。今回は長崎県近海で漁獲されたものであるが、長崎県ではイネゴチもハナメゴチもよく漁獲される。このほかメゴチというのもまたよく似ている魚ではあるが、鰭の色彩や体側の模様が異なっており、さらに間鰓蓋部に皮弁がある(ハナメゴチにはない)ことで区別することができる。なお、ハナメゴチは今回が初めてではなく、これまでにも2回ほど見ている。1回目は高知県沖の底曳網漁業にて水深150mくらいの場所で獲れた。そのほかにも八幡浜で水揚げされた個体を見ている。水深は435mからも得られている、というがふつうはもっと浅く、45~220mくらいだという。

大型になる種で色々食せそうだが、案外細いので身は多くはとれない(刺身にした場合)。そして数もあまり獲れない種である。味自体はよく、身の色もきれいで色々な料理に使えそうではある。今回のハナメゴチは長崎県 石田拓治さんからやって来たもの。いつもありがとうございます。また、今回はもう2種ほど魚がやって来たのだが、1種は諸事情によりアップは自粛。もう1種は次回ご紹介したい。

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クログチイワシ

2019年04月07日 09時01分39秒 | 魚紹介

新年度始まりました。新年度になってから初のぶろぐ更新です。新しい元号も発表され「令和」に決まりましたが、日本らしい「和」の字が入る元号はすてきだと思います。

ということで(どういうこと?)今年度初日の4月1日に手に入れた魚。ニギス目・セキトリイワシ科・クログチイワシ属のクログチイワシ。クログチイワシはもちろん、セキトリイワシ科の魚をこのぶろぐで紹介するのは、今回が初めてである。クログチイワシは深海性の魚であり、しかも一般的な底曳網漁業が曳ける深さよりも深い、水深700~1618mに生息している。そのためめったにお目に罹れない魚なのだが、今回は奇跡的に入手することができた。

体色は茶褐色で頭部が明らかに黒いのだが、これはうろこがはがれてそうなったもの。実際は鱗がついていたら体はもっと黒っぽい。従来「クロマスクイワシ」という名前で呼ばれていたものと現在は同じ種類であるとされる。学名も従来はNarcetes wonderiとされていたが、現在はNarcetes lloydiの新参シノニムとみなされ無効となっているようである。なおクログチイワシとクロマスクイワシは吻の形状などで見分けられる、とされていた。

全長50cmくらいになり、この科の魚としては最大級と思われる。このセキトリイワシ科の魚類はなかなかお目に罹れないのだが、このクログチイワシだけはたまに釣られることがある。というのもこの種は大型であるため深海のアコウダイやソコダラなどを狙う釣りでヒットすることがあるのだ。セキトリイワシ科の魚は日本からも20種が知られるがほかの種は比較的小型であり、しかもかなり深い場所に生息するものもいるため、なかなか底曳網に入らない。

さて。そんなクログチイワシを今回は食してみた。これは刺身。切るときの感触がほかの魚と大きく異なる。そして味も・・・。どろっとした感じで感触的にはあまりよろしくない。深海魚の中にはワックスを含むものも多いのだが、この魚はそのような感じではなかった。

こちらはフライパンを使ってバターで焼いて食べてみたものである。こちらは先述の刺身よりもずっと美味しくいただけた。

今回の個体は長谷川大樹さんより購入したもの。いつもありがとうございます。そしてみなさま、今年度もよろしくお願いいたします。

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