魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

2017年の振り返り

2017年12月31日 23時55分07秒 | シーズン総括

遅くなりましたが、2017年の思い出を振り返ります。

●採集とアクアリウム

淡水魚については2月に久しぶりの岐阜県のポイントへ。トウカイコガタスジシマドジョウは無事であったのでよかった。近隣のポイントでは非常に細かいシロウオを小さくしたような幼魚が多数みられるなど健全な生息場所が多く残っていてよかったと思う。7月には琵琶湖を訪れTwitterのフォロワーさんとオオガタスジシマドジョウを採集。冬にはやはりフォロワーさんとヒガシシマドジョウを採集するなど、ドジョウにまみれた1年に。このほかスナヤツメやアブラハヤ、タイリクバラタナゴ、ヤリタナゴ、ゴクラクハゼ、ホソイトヒキサギなども採集出来ました。

海水魚については久しぶりの四国遠征2回。久しぶりのミナミウツボ採集で興奮するも、残念ながら死なせてしまい残念。センカエルウオの新しい多産地開拓なるもやはり難しい種だなということを感じたのでした。

アクアリウムとしてはキンセンイシモチを長期飼育したり、ソラスズメダイの飼育などもたのしみましたが、サンゴも変わったものが我が家にやってきました。見た目はディスクコーラルに似ているのですが、触りがざらざらの謎のハードコーラル。ベルベットサンゴに似ているようですが種類は不明です。

 

●入手した魚たち

今年は極めて変わった魚が多く入手できた1年となりました。今年入手した魚はキタノホッケ(初)、イバラヒゲ、シモフリハタ(初)、ユカタハタ、リュウキュウヨロイアジ、ミズテング(初)、クロダラ(初)、イトヒキアイトラギス(初)、チカメエチオピア(初)など色々。特にミズテングとクロダラはめったに入手することができないような超希少種。ありがとうございます。

 

●そのほか

新しいサイトを立ち上げました。「海水魚ラボ」というもので、マリンアクアリウムの専門サイトです。運営やプラットフォームは株式会社桃鶴堂、私はコンテンツ作成の担当。これまで海水魚サイトは優秀なものがいくつかありましたが、最近は「本当はその生き物について何も知らないのに本などからパクっただけで記事を書いている」サイトが多くなり有用なサイトがなかなか引っかからない今では珍しい「正統派」のサイトを目指しているところです。では、来年もよろしくお願いいたします。

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年の瀬採集

2017年12月30日 10時58分17秒 | 魚介類採集(淡水・汽水)

こんなしょーもないぶろぐを見て頂きありがとうございます。お久しぶりの更新。

もう12月も終わり(というか1年も終わり)ですが、Twitterのフォローワーさんと採集に行くことができた。関東地方の某県で淡水魚採集。冬ではありますが比較的暖かい日差しが河川を照らしてくれていた。なお、魚は色々な種が獲れた。

ムサシノジュズカケハゼ(たぶん)

ムサシノジュズカケハゼと思われる個体。「日本産魚類検索第三版」で新称がつけられたもの。それ以前は「日本のハゼ」のなかで「ウキゴリ属の1種」とされていて、魚類学雑誌Vol.57 No.2では「ジュズカケハゼ関東固有種」とされている。関東地方の固有種で動物食性の強いオヤニラミやオオクチバスといった魚から食害を受けやすいのでこれらの対策が重要とされている。

カマツカG3

従来日本に広く分布するとされていたカマツカも、近年は3つの群に分けられるようになった。私が過去採集したことがあるのは本州中部、四国、九州に広く分布し、俗に「G1」とされるグループのみであったが、今回はじめてG3に出会うことができた。

G3は東日本に多くすむ種。顔つきなどもなんともいえないが、G1とは違うように感じる。やや大きく、関東で採集をされている方によれば弱いのだという。飼育はしやすくなさそうだ。そのためリリース。なお関東地方ではカマツカG3が分布するとされるが、G1が放流されたところもあり雑種がでてくるおそれがある。放流するようなことはあってはならないのだ。

アブラハヤ

意外とアブラハヤはこれまであまり見たことがなかった。実は茨城県で採集したことがなかったのである。最近の河川採集は主に下流で行っているのが理由かもしれない。長らく九州で採集しており、タカハヤはたくさん見てきたが、アブラハヤは2013年にはじめて採集した。

今回採集した場所は流れがややある細めの河川。やや影響が足りてないのかほっそりスリム。遊泳性が強い魚なので今回はリリース。

ほかにも様々な魚が獲れていた。ミナミメダカ、カジカ、クロダハゼ、オイカワ、タモロコ、コイ(移入)などの魚が網に入った。周辺は田んぼが広がるなど楽しい場所であったが近隣では開発の手が迫っているなどよくない噂も聞く。

今回一緒に採集させていただいたねんじんさん、どんこさん、ずーなまさん、みなさんありがとうございました!

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キマダラヒメダイ

2017年12月06日 09時18分26秒 | 魚紹介

おはようございます。今日はもう12月6日。もう今年もあとひと月です。毎年年末は忙しいので書くことを忘れてしまう前に、この間食したスズキ目・フエダイ科・ヒメダイ属のキマダラヒメダイのことをご紹介。

キマダラヒメダイは今回初めて入手した深海性フエダイの仲間。深海性のフエダイというと、カタイ雰囲気ではあるが、実際にはなんということはない。ウメイロ、ハマダイ、オオグチイシチビキの仲間など、やや深い海に住むフエダイの仲間である。

ヒメダイの仲間は「アカマチ」などとよばれ高級魚となっているハマダイの仲間とは違って比較的安価である。日本では8種いるようだが、関東近辺でふつうに入手できる種類はヒメダイとオオヒメくらいのものである。

このキマダラヒメダイは実はかなり珍しい。これまでヒメダイを何10個体、何100個体とみてきたと思うが、このキマダラヒメダイは実物を見たことさえ今回が初めてなのだ。

ヒメダイ

キマダラヒメダイはヒメダイ属の中でも側線有孔鱗数が多い(70~74)グループに属している。同じように側線有孔鱗数が70を超える日本産種はほかにヒメダイのみが知られている。ヒメダイ属の標準和名にもなっているヒメダイは伊豆諸島、小笠原諸島、琉球列島に多く生息しているが、小型個体は神奈川県三崎以南の太平洋岸でも採集されている。海外では東アフリカ~ハワイに分布しているというが、衝撃的なことに、南東大西洋のベマ海山でも1個体だけ採集されている、とFishbaseにある。ヒメダイの学名はPristipomoides sieboldiiというが、この種小名はあのシーボルトに捧げられたものであるようだ。

ヒメダイの尾鰭

キマダラヒメダイの尾鰭

この2種を見分ける方法はいくつかある。まずは鋤骨歯帯の形である。ヒメダイの鋤骨歯帯は後方に伸びるのだが、キマダラヒメダイは三角形をしている。またヒメダイは舌上に歯があるのに対し、キマダラヒメダイにはそれがない。しかし、この2種を見分けるもっと簡単な方法がある。それが体の色彩だ。キマダラヒメダイの体にある黄色の「く」の字のような斑紋や尾鰭上葉が明瞭に黄色いという特徴は明らかにキマダラヒメダイとほかのヒメダイ属を区別することができる特徴だ。

 

食べてきたヒメダイ属

これまでも私は多くの方々のご厚意により日本産ヒメダイ属のうち6種を食べてきた。日本産8種のうち、まだ食したことがないのはナガサキフエダイとバラヒメダイである。この2種は側線有孔鱗数が48~52と、ほかの種(58~74)と比べると明らかに少ないタイプである。どちらも本州から九州ではあまり見ることはなく、基本的に琉球列島の産である。とくにバラヒメダイは沖縄諸島以南に生息するが数が少ない珍しいものである。この魚を見たらぜひともご一報宜しくお願いいたします。もちろん、名前の似ているバラフエダイは遠慮しておきたい。

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