魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

シンジュタマガシラ

2020年10月24日 03時09分55秒 | 魚紹介

最近我が家にシンジュタマガシラがやってきた。標本に基づく日本初記録から30年ほどしかたっていない魚で、沖縄県の海に生息している。さらに沖縄でも個体数はあまり多くないようであり、沖縄県知念と八重山諸島からのみ記録されているようである。ただ水中写真ではそれ以前から知られており、益田一・G.R.アレン博士による「世界の海水魚」でも日本での分布についての記述がみられる。海外ではオーストラリア西岸からバヌアツのサンゴ礁域に分布。フィリピンやインドネシア、南シナ海などでも本種を見ることができるよう。

一見地味~な魚なのだが、黄色い斑点(写真ではオレンジ~赤っぽい)が入るなどよく見ると美しい魚である。幼魚は体側に2本の縦線が入り、腹部が黄色になっている。これは毒牙を有するヒゲニジギンポ属の魚に擬態しているのではないかともいわれている。写真の個体は突き漁でとれているので体側部分が大きく開いているのだが、珍しい魚でありこのくらいの傷は仕方がないだろう。

シンジュタマガシラは、科としてはイトヨリダイ科なので美味しいだろう。ヨコシマタマガシラ属というのに含まれているのだが、ヨコシマタマガシラ属の魚は以前高知県で漁獲されたヒトスジタマガシラというのを食べたことがある。あれは刺身でいただいたが、今回は刺身ではなく、焼き物でいただいた。

この写真は以前も同じものをアップしたので見覚えがあるかもしれない。上がヨコシマタマガシラ、下がセグロチョウチョウウオである。身も白身で美味しかった。荒武成寿さんからのいただきものでした。ありがとうございました。

 

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タテジマキンチャクダイを食べる

2020年10月14日 23時49分35秒 | 魚紹介

今年はなぜかヤッコ類との出会いが多い。小笠原の山田さんからは、あの小笠原諸島固有のヤッコ(また後日ご紹介)。沖縄からはヘラルドコガネヤッコとアブラヤッコ。つい先日はあららさんからもロクセンヤッコとニシキヤッコをいただいた。もちろん自分で採集したわけではないし、採集できそうなものでもないのだが。

最近四国遠征に行ってきて、友人からタテジマキンチャクダイをいただいた。全長23cmくらいの立派な成魚である。タテジマキンチャクダイは潜る場所ではまだ見たことがない種である。サザナミヤッコとアブラヤッコ、ナメラヤッコの3種はよく見るのだが。

まず思うことはタテジマキンチャクダイはとてもきれいだということである。これは誰もが思うことであろう。それから体側の鱗の様子もサザナミヤッコやロクセンヤッコとは異なる。なんかやわらかいように思うのだ。タテジマキンチャクダイはインド洋のものと太平洋のものでは背鰭の形が違っており、これは写真でも確認できる。この個体は背鰭の後方が少し伸びている太平洋産の個体で、インド洋のものは伸びない。この部分が格好いい。ただ幼魚のうちは太平洋産のものでも丸みをおびているし、太平洋でも一部の海域の個体は丸いらしい。

あのようにきれいだったタテジマキンチャクダイとは別の個体であるが、やがてこのような姿に。内臓は毒化する可能性もあるのでたべない。この仲間は藻類などもよく食べ緑色のすごい色の内臓であった。一方で筋肉は白身できれいな色彩。味も意外とおいしいのだ。体の縁辺に近いところはコリコリして美味しい。それ以外のところも甘さがあっていける。魚の味は見た目でははかれない。このタテジマキンチャクダイを採集してくれた友人に感謝したい。

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