魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

どんなモンダイ!

2008年03月26日 21時56分19秒 | 魚紹介

宇和海の旬の魚、「モンダイ」です。名前の由来は体側に大きな黒色紋があることです。標準和名はマトウダイで、これも体側にある大きな黒色紋から来ているそうです。また、口を引き伸ばすことができ、その姿から馬頭鯛とする説もあります(下の写真)

さて、この魚は最近になって人気が出てきました。刺身、焼き物、から揚げ、吸い物、鍋などの様々な料理に使えます。宇和海ではしばしば市場や魚屋で見られる魚で、値段はあまり高いものではありません。

刺身です。肝も食べられます。肝は焼くも良し、煮付けにするも良し、あえて食べるも良し、丸ごと一個食べるも良しです。結構肉が分厚く、厚めに切ってよいでしょう。

そのうち、回転寿司屋にも出てくるかも・・・。

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今日の魚 2008年3月23日 Vol.33

2008年03月23日 14時58分39秒 | 今日の魚(不定期更新)

今回登場するクロホシマンジュウダイScatophagus argus   (Linnaeus)という魚は、幼少のうちは虎で、成長すると豹変する魚です。

●分布

クロホシマンジュウダイは南日本、クウェート~フィジーに至るインド・太平洋の暖かい海・河川汽水域に生息する魚です。我が国では琉球列島に多いのですが、本州や四国・九州の太平洋岸の汽水域でも見られます。

●生態について

この魚の幼魚は河川汽水域を主な住処としています。私はこの魚を2回採集したことがあります。1回は沖縄の防波堤で採集したもので、全長わずか1cmの稚魚でした。このときは雨が降っていたので、水面下の塩分が非常に低かったです。

2回目は高知県の小さな河川で採集したもので、このときは小さな木の枝に数個体がまとまってついていました。
この写真の個体もそのうちの1匹です。

雑食性でサンゴ砂に付着する藻類から小さな甲殻類まで様々な餌を食べます。
成長すると海へ下りますが、内湾などに多いです。

●名前の由来

和名は黒い星の有る饅頭鯛という意味だと思います。マンジュウダイというのはスズキ目マンジュウダイ科の魚の1種です。この魚は採集したことはないですが、同じマンジュウダイ科の魚に海水魚愛好家にとっておなじみの魚がいます。それがツバメウオの仲間たちです。

学名のScatophagusというのは人糞を食べるもの、という意味だそうです。雑食性で悪食な魚(後述)なのですが、まさか人糞まで食うとは。英名(Fishbase名)のSpotted scatとは、やっぱり成魚の体側の黒色斑点に因みます。

●分類について

本種はかつてチョウチョウウオ科と近縁である、といわれました。理由はチョウチョウウオ類が経る「トリクチス幼生」という幼生期間を経て成長するからです。しかし最近の研究ではチョウチョウウオ類よりも、ニザダイやアイゴに近い仲間であることが分かりました。

アイゴ

さて、この魚はアイゴと共通することがあります。この魚の背鰭の棘に毒があるのです。そのため、取り扱いに注意が必要です。

クロホシマンジュウダイ科の魚は、Fishbaseによると、2属、4種がいることになっています。そのうち日本産は1属1種、クロホシマンジュウダイだけです。

●飼育

クロホシマンジュウダイは観賞魚の世界では古くから知られていました。当時観賞魚店では「スキャットファーガス」という名(学名に因む)で販売されていました。

私は30cmの水槽で飼育していました。水は汽水域で、ヒーター、ろ過は投げ込み式ろ過装置でした。コレだけでも十分に飼えます。

pHは7より上、つまり弱アルカリ性にします。

そのため流木などは入れません。流木は水を酸性に換えてしまいます。

他の魚とも一緒に飼育することが出来ます。カワアナゴ類や、ハゼ類などが良いでしょう。餌は悪食で様々な餌を食べます。

●参考文献・サイト
Fishbase http://www.fishbase.org/
川那部浩哉・水野信彦・細谷和海 編・監修、2001 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚 山と渓谷社、東京

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マシジミ?

2008年03月20日 20時07分02秒 | 軟体動物(貝類・頭足類)

シジミの仲間です。マシジミかな、と思ったのですが、図鑑などの写真をみているとセタシジミになるかもしれません。

セタシジミは琵琶湖固有のはずなので、分布するとちょっと問題ですね。

典型的でないマシジミかな、とも思いますが。

最近は貝のことが多いようなきがする。

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今日の魚 2008年3月14日 Vol.32

2008年03月14日 18時44分39秒 | 今日の魚(不定期更新)

最近(というか一月以上ご無沙汰でしたが)は海水魚ばかりでしたので、淡水魚を紹介します。コイ科タナゴ亜科、ヤリタナゴです。

ヤリタナゴ Tanakia lanceolata   (Temminck and Schlegel)

●分布

本種は日本産タナゴ科魚類で最も広い分布域を有します(移入種であるタイリクバラタナゴを除く)。北海道と九州南部、離島などを除いて分布しますが、局地的に分布しない箇所があります。

●生息地

「ヤリタナゴ 生息地」で「ごおgぇ」ってしまった方ごめんなさい。当ページでは、生息地の公開はいたしておりません。

でもこの魚は様々な環境に見られます。河川中流域でも見られますがやはり小さな水路などでよく見られます。底質は小さな砂あるいは泥をこのむのですが、河川中流域では大きな石がゴロゴロしているようなところに見られました。

小さな水路では、泥底では堆積物が多いような場所に見られます。また、カナダモ類の周辺にもよく見られます。

 

●繁殖

タナゴ類の繁殖で特筆すべき点は「淡水二枚貝の中に産卵する」ということです。ただし淡水二枚貝では何でもいい、というわけでなく、シジミなどには産みません。本種ではマツカサガイやニセマツカサガイに積極的に産卵するようです。ただし、他の貝にも産卵します。産卵期は春~初夏で産地によりややずれがあります。

 

●餌

雑食性で様々な餌を食べます。川の中では付着藻類やミミズ類、昆虫などを食べていますが、飼育下ではふかしたサツマイモなどの野菜類などを与えると狂ったようにたべます。

●仲間

Fishbaseによるとアブラボテ属は世界から3種が知られています。

ミヤコタナゴTanakia tanagoは関東地方に生息するタナゴの仲間で、英名をTokyo bitterling といいます。Bitterlingというのはタナゴの仲間を指します。国の天然記念物に指定されています。

もう1種、アブラボテというのがいます。この魚は濃尾平野以西の本州、四国・九州に分布します。名前の由来は茶色っぽい体色から来ています。ただし、これはまたいつか「今日の魚」で取り上げたいので、今回は紹介しません。

このアブラボテにそっくりなものにコウライボテというのがいます。この魚はかつてアブラボテ属に入れられていましたが、現在の学名はAcheilognathus signifer で、現在ではタナゴ属に入れられています。韓国にいますが、我が国でも販売されています。

●危機

タナゴ類の雄の婚姻色は華やかで、雌は灰色の地味な体色です。かつて淡水魚採集者は雄のみを持ち帰り、雌は棄てるといったことを繰り返していたという噂も耳にします。

タナゴ類は乱獲で追い詰められていったように思われますが、実際にはそれだけではありません。河川改修が行われ、三面コンクリート張りになった河川では二枚貝が生きていけず、繁殖する機会が失われてしまいます。

もちろんブラックバスやブルーギルなどに代表される移入種も彼らの脅威となっています。

我々も彼らのために何か出来ることがあるかもしれません。バスやブルーギルの駆除は私たちにもできます。そして採集した魚を最後まで世話をし、絶対に他の場所に棄ててはなりません。

未来にタナゴ類を残すためには、我々のモラルも問われそうです。

参考文献 

川那部浩哉・水野信彦・細谷和海 編・監修、2001 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚 山と渓谷社、東京

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ドブガイ(たぶん)

2008年03月13日 20時24分56秒 | 軟体動物(貝類・頭足類)

 

二枚貝の登場です。

ドブガイ(たぶん)ですね。

自分の手はとっても分厚くでかいですが、ドブガイもすごいでかい!

 

さて、このドブガイは淡水真珠の貝でもあります。一般に淡水真珠といえば琵琶湖のイケチョウガイや標準和名にも「シンジュ」の名がつくカワシンジュガイなどのものが有名ですが、このドブガイからも作られるそうです。

また、タナゴの仲間はこの類の貝の鰓に産卵することが知られています。

この仲間は緩やかな河川に多く見られます。三面護岸されたような河川には見られません。

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