魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

今年最後のぶろぐ

2022年12月31日 18時25分50秒 | シーズン総括

今年最後のぶろぐ投稿となります。今年も色々な魚を入手したり、色々なところへ行ったり(まあ、昨今の事情からあまり色々な場所へはいけませんが)と、楽しんでまいりました。今年も色々あった出来事を振り返ります。

●採集

ニセカエルウオ

5月には南国、10月には恒例の高知遠征。とくに今年の南国喜界島遠征は田中水産の田中積さんに案内され鹿児島市内の観光まであった。残念ながら当日魚市場は閉まっていたのではあるが。さて採集についてはクモウツボやら、カタボシオオモンハゼ、ニセカエルウオ、クロウシノシタ、シマハギ、ミヤケテグリなどとの出会いもあった。個人的には大好きなカエルウオの類があまり採集できなかったことは残念であった。淡水のほうは今年は行けなかったので来年こそは行きたいと思う。

 

●購入

ホウセキハタ

今年購入した魚。その中でも一番個人的にアツかったものは11月に購入したホウセキハタだったかもしれない。ほか1月のアオバダイ&ソコクロダラ、3月のハチジョウアカムツ、7月のハナアマダイ、ナガサキフエダイ、イトウオニヒラアジ、9月のノミノクチ、10月のオシャレコショウダイなども捨てがたい。初魚種にも多く恵まれ充実した1年であった。購入したものではないが、年末には小笠原諸島からまた新たないただきものが届いている。これはまた年明けにご紹介する予定。

アクアリウムフィッシュとしてはヒメスズメダイ近縁種やヤミテンジクダイなどを購入。サンゴは珍しいグレーのキッカサンゴやオレンジ色のアミメサンゴ類、ピンクのチヂミトサカなどを購入。とくにキッカサンゴのグレーのものは見た目は地味ではあったが、よく見ると非常に美しいサンゴである。また、以前ご紹介した、ラパスで購入したオオタバサンゴも今年無事に10周年を迎えたのであった。

今年は、仕事の絡みもあり色々忙しかったが、来年はさらに忙しくなりそう。ということで、来年もよろしくお願いいたします。よいお年を。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

近況

2022年12月30日 22時51分33秒 | 未分類

昨日までお仕事で、今日は年賀状を書いています。ああ、意外と忙しい。ちなみに魚類でウサギと縁があるのはウサギアイナメ、ウサギトラギス、アイゴ(英語でRabbitfish)、アカギンザメ属(Hydrolagus=水中のウサギ)、サバフグ属(Lagpcephalus=ウサギの頭)、など。どんな年賀状かはお楽しみに。ちなみに年男です。

なお、写真の魚はアイナメ科のウサギアイナメ。学名ではHexagrammos lagocephalusといい、標準和名だけでなく学名も「ウサギ」である。なお、私はエゾアイナメを探している。エゾアイナメが採集できたら私に送っていただければありがたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ナミマツカサ

2022年12月29日 16時35分37秒 | 魚紹介

最近この「魚のぶろぐ」では、イットウダイの仲間であるニジエビスとクロオビエビスの違いについて書いた。この2種については大変よく似ていて、とくに幼魚のうちは見分けるのが困難という内容である。その後、この問題についてだが、色々調べているうちにさらに闇が深まった。

某サイトにアヤメエビスの小型個体が掲載されていた。その個体は写真で見る限り小型であるが、成魚とは背鰭の模様がかなり異なり、クロオビエビスのような色をしていた。ただ体色についてはもうアヤメエビスであった。逆に静岡県産のものでは、体色がクロオビエビスであったが、鰭がアヤメエビスのようなものもあり、さらに分からなくなってしまった。「魚類写真資料データベース」においては、アヤメエビスの成魚についてはあれだけ写真があるのに幼魚の写真が一件もないのが疑問である。

さらに驚くべきことに長崎でクロオビエビスが得られているが(長崎市沿岸から採集された対馬暖流域初記録のクロオビエビス. Ichthy, Natural History of Fishes of Japan, 10: 44–48)、この個体から得られた塩基配列データが、塩基配列のデータベースにおいてスミツキカノコとされている個体がクロオビエビスと考えられるなど、この手の魚の同定はかなり難しいことがわかる。

一方、同じイットウダイ科の魚であるアカマツカサ属の同定はさらに難しい。この仲間は主に琉球列島以南に分布しているが、なかなか同定の「決め手」が少ない。いずれも赤い体をしており、中には黄色い鰭のキビレマツカサや、尾鰭や臀鰭、背鰭軟条部縁辺が黒くなるツマグロマツカサなど分かりやすいものもいるが、赤くて側線有孔鱗数27~30のものはわかりにくい。

このナミマツカサもアカマツカサ属のものでとくに同定が難しいもののひとつである。最初はその見た目からツマリマツカサという種と思われた。しかしツマリマツカサは胸鰭腋部に鱗がないのに対して、このナミマツカサは胸鰭腋部に鱗があることにより見分けられる。また鰓耙数もナミマツカサ32~36であるのに対しツマリマツカサでは43~47であるのでこの特徴でも区別することができる。また鰓耙数ではナミマツカサの近縁種であるヨゴレマツカサともかぶらないので見分けられるだろう。なおツマリマツカサの側線有孔鱗数は28~29であるのだが、「日本産魚類検索」の第二版以降では側線有孔鱗数が32~43のグループに入れられてしまっているので一応注意。このほか頭部の背面、眼の幅、頭長比などにより見分けることができるのだが、いずれにせよ本種をより詳しく知るのであれば、個体を残しておくことが必須である。硬い鱗で敬遠しがちだが、アカマツカサの仲間は白身で極めて美味、最近高いエビスダイに近い仲間である本種は美味しいのも当然といえるか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミスジテンジクダイ

2022年12月28日 16時55分10秒 | 水中写真

今日は12月28日。元AKB48、大家志津香さんの31歳の誕生日。大家さんのレギュラー番組「みらくる9」は今日放送です(関東圏)。時間がないので水中写真のご紹介。去年四国の海で撮影したミスジテンジクダイの幼魚。スジイシモチに非常によく似ており、某サイトでもスジイシモチと混同されていたもの。なお私が見た限りこの海域にいるものはミスジテンジクダイが多いように思われる。四国においてはスジイシモチはまだ見たことがない。スジイシモチは琉球列島の潮だまりでは普通種である。

テンジクダイらしく、昼間は大きな岩の下で群れている。横で群れている青い魚はソラスズメダイ。自然下では共存できているが、水槽内ではソラスズメダイはけっこう性格がきつめなので注意したほうがよいだろう。

岩の隙間には大きなウニ。種は不明だがクロウニかもしれない。ウニと魚の共存、といえば、ガンガゼの中にテンジクダイ類が隠れることがあるのはよく知られている。実際高知周辺ではガンガゼの周りにキンセンイシモチなどが群れるのはよく見ている。しかしほかのウニでも、魚の隠れ家として適しているようだ。ウニといえば「磯焼け」などあまりいいイメージはないが、小魚にとっては籠城するための「動く城」でもある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アヤメエビスとクロオビエビス

2022年12月27日 14時29分48秒 | 魚紹介

こんにちは。もう年末に近い12月27日。元AKB48メンバーであり実業家(焼肉店経営)、内田眞由美さんの29回目のお誕生日です。おめでとうございます。クリスマスはとうに過ぎたにも拘わらず、クリスマスカラーの魚。キンメダイ目ないしイットウダイ目・イットウダイ科・イットウダイ属のアヤメエビスという魚。そして、このアヤメエビスにはそっくりさんがいる。同じ属の近縁種、クロオビエビスである。

アヤメエビスとクロオビエビスの2種は、以前このぶろぐでも取り上げてきたが、近縁種同士で非常によく似ている。一応、アヤメエビスは体背側面に1~2本、クロオビエビスは体背側面に4~5本の暗色帯を有しているのが特徴とされている。しかし、最近、クロオビエビスの色彩の特徴を持つ種が関東以南の太平洋岸で採集されている。関東近辺ではイットウダイの仲間は少ないとされるがそれでもテリエビスやナミマツカサなどは毎年見られるようである。

四国南部で採集されたもの。体背側麺に複数の暗色帯があり、クロオビエビスのほうになりそうである。背鰭も魚類検索で図示されているクロオビエビスによく似ている。一方、四国海域で大量にみられるアヤメエビスは成魚が多々見られるものの、幼魚はまだ見たことがない。逆にアヤメエビスは成魚を見るのに、クロオビエビスの大きいのは見ない(もっとも、17cmほどの種らしい)。もしかして、この2種はこのくらいのサイズ、もう少し大きいサイズでは見分けがつかない可能性もあると思われる。さらに西洋でも混乱があるらしく、地中海でクロオビエビスが発見されているというが、クロオビエビスはインドー太平洋に広くいるものの、インド洋と地中海の間にある裂け目、紅海には生息していないという。ただ、本当に「アヤメエビス=クロオビエビス説」を主張するならば、全世界のアヤメエビスとされるものとクロオビエビスとされるものを分子分類のレベルで研究するべきである。もちろん、その中に日本の千葉などで見られるアヤメエビスorクロオビエビスも含められるべきだ。一方別種である場合、よく似た模様を示すのはコミュニケーションをとるためといえるかもしれない。この仲間は赤い色が美しいが、水中では青に吸収されてしまう。だから幼魚のころはアヤメエビスもクロオビエビスのような色をしているのかもしれない。この仲間は単独で見られることも多いのだが、色が近いと何かと有利になると思われる。

もう一つ頬の鱗の列数でも見分けられるという。「魚類検索」ではアヤメエビスで5、クロオビエビスで4である。ただこの鱗列については「ダブり」もある可能性があるため、確実ではないかもしれない。いずれにせよ、この2種の関係は今後も詳しく調べられるべきだろう。なお、イットウダイ科は従来キンメダイ目とされたが、Nelsonは2016年版の「Fishes of the world」内ではキンメダイ上目のイットウダイ目としている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする