魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

イエロータイルフィッシュ

2014年06月30日 10時01分56秒 | 魚介類飼育(海水)

先週の金曜日(6月27日)に我が家に新しい魚がやってきました。キツネアマダイ科のイエロータイルフィッシュHoplolatilus luteus Allen and Kuiter, 1989です。

キツネアマダイ科・サンゴアマダイ属の魚は前にオキナワサンゴアマダイというのを飼育しており、これが2種類目となります。サンゴアマダイ属の魚はインド・太平洋に13種が生息し、日本には水中写真からのみ記録されているものも含めて6種類ほどが知られていますが、このイエロータイルフィッシュは日本には産せず。西太平洋とアンダマン海に生息するようです。我が家では唯一となる黄色が美しい魚。眼の上の青い模様や。鰓蓋部の黒色斑も特徴的。本来は水深30m位の場所にすむ魚ということで、そうなると照明と水温には気を付けるべきかもしれません。

結構臆病な種類なのか、最初のうちは今年の2月にやってきたベラの一種に追われて岩陰に隠れっぱなし。ベラは可愛い外見と派手な色彩から水槽に入れたくなりますが、キュウセンの仲間やタキベラの仲間などは他の魚との関係において、しつこい面もあるよう。仕方なく半日かけて岩を崩してベラをうつして新しく岩組を組みなおしました。その後はよく出てくるようになり、ご飯のメガバイトやイカの切り身などをおいしそうにばくばくと食べましたが、それでも泳いでいる時間よりも岩陰で暮らしている時間が長いような。うーむ。隠れキャラになりそう

最近、特に海外で発行されている図鑑の中にはキツネアマダイ科の中にアマダイ属・ナミダアマダイ属およびLopholatilus属の3属が含まれる事が多いのですが、この仲間の分類学的関係については個人的には疑問。サンゴアマダイ属については別の亜目である、セミホウボウ科と近縁とする意見もあり、確かにこの仲間の稚魚の頭部の様子はセミホウボウにそっくり。いずれにせよ、この仲間の分類についてはさらなる調査が必要であることだけは明らかでしょう。

さて、今日で長らく親しんできた旧ブログともお別れです。AM10時56分現在354150件のアクセスが有りました。ありがとうございました。今後はこちらでよろしくお願いいたします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぶろぐ移転のご挨拶とオオヒシマトウダイ

2014年06月21日 20時00分44秒 | 魚紹介

このたびブログを2006年から使用してきたBroachというところから引越してきました。今後ともよろしくお願いいたします。 さてだいぶ前のことになるのですが珍しい魚に出会う機会がありましたのでご紹介いたします。 写真の「オオヒシマトウダイ」Grammicolepis brachiuscula Poey, 1873がそれです。

このオオヒシマトウダイは、マトウダイ目に含まれるのですが、ヒシマトウダイ科にふくまれ、マトウダイとは縁遠い種類です。  この写真を見ますとどうしても長いサオのようなものから延びるひらひらした奇妙なものが目に付きます。この長いのはどうやら臀鰭の棘のようで、成長するとこれは短くなるようです。これの役目は不明ではありますが、擬態の一種なのでしょう。カンムリキンメダイ目魚類のフシギウオ科の幼魚にも似た感じのものがあり興味深いものです。  もうひとつ興味をそそられるのは体側にある大きな棘です。本種を触るとかなり固く細長い鱗に覆われており、その鱗の形状だけでも驚くべきものなのですが、体側から何か棘のようなものがはえています。これはどうやら骨板だそうですが、稜鱗としている文献もありました。しかしこの特徴も大きな個体ではなくなってしまうようです。 本種はかなり広域に分布し、南アフリカ~ハワイのインド・太平洋、ニューイングランド~スリナムOrギアナ沖にかけての大西洋、スペイン沖、モロッコ沖の東大西洋、台湾などに生息しています。日本でも駿河湾、熊野灘、土佐湾に生息しているようですが、ネットで探してもあまり情報を収集できません。生息場所が水深400~1000mほどまでとやや深く、そのため採集されることも多くないものと思われます。ヒシマトウダイ科の魚は世界で3種が知られていますが、日本には本種とヒシマトウダイの2種が知られるのみです。

今回の個体は熊野灘産で、三重県の二階堂さんから頂きました。ありがとうございました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする