魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

アサバガレイ

2015年02月11日 08時47分51秒 | 魚紹介

今日もまた新しい魚の出会いがありました。カレイ科のアサバガレイという種です。アサバガレイは以前から名前をよく聞く種類ではありましたが、実際に見るのは初めてという種類でした。北海道~福島県までの太平洋岸と、若狭湾までの日本海側に分布する種類です。

アサバガレイの大きな特徴は後頭部から背鰭の基部に向かう側線分岐がある点です。この特徴により、よく似たマコガレイや、マガレイと区別することができます。クロガレイやクロガシラガレイとは、背鰭や臀鰭に斑紋がない点も異なります。顔はマコガレイやマガレイよりも短い感じがします。先ほどの側線の特徴を持ったカレイの仲間にはもう1種、シュムシュガレイというのがいますが、シュムシュガレイと本種は、両眼間隔の鱗の形状や、頬の鱗の形状、有眼側の色彩で区別することができます。本種の特徴のうち、頬の鱗が円鱗、というのがあるのですが、この個体では櫛鱗のように見えます。でもほかの特徴はアサバガレイが近そうです。

これで記事をおしまいにしてしまうと、「Twitterで書けよ」なんて言われてしまうかもしれませんので、もう1種ご紹介します。先ほど2回ほど名前が出てきたマガレイです。マガレイも北の海のカレイなのですが、本種はアサバガレイよりもかなり広い範囲に生息し、日本海ではほぼ全域、瀬戸内海でも一部、太平洋でも少なくとも福島県までは記録があるようです。某サイトによれば、静岡県でも記録があるとのことですが、標本が欲しいところ。

マガレイの頭部、なんとなくですが、アサバガレイよりも細長いように見えます。アサバガレイのような側線分岐は見られません。

カレイは唐揚げも美味しいですが、鮮度が落ちるとイマイチになります。今回のアサバガレイもやや鮮度がおちてしまっており、揚げ物ではなく、煮つけにして食べることにします。

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ヤマトカマス

2015年02月04日 01時16分44秒 | 魚紹介

現在2つの異なることをしています。いずれのことにつきましても、上手くいけばとても面白いことになるので、楽しみです。

写真の魚はヤマトカマスという種類のカマスです。八幡浜の(有)昭和水産 宮本さんに送っていただきました。ありがとうございます。このカマスは日本のほとんど各地の海に生息し、釣り、旋網、定置網、そして沖合底曳網漁業と、さまざまな漁法で漁獲されています。底曳網で漁獲されるのはこのヤマトカマスと、アカカマスの2種が多いようです。ヤマトカマスは俗にミズカマスやクロカマスという名前で呼ばれているもので、かなり多く漁獲される種です。

ヤマトカマスの特徴は第1背鰭の第2棘下付近に腹鰭起部があること。アカカマスでは腹鰭起部がもっと前のほうにあります。鱗の数も本種のほうが多いです。また鰓をめくると本種には鰓耙が1本しかないのに対し、アカカマスでは細長い鰓耙が2本あります。

こちらはアカカマス。尾鷲産の幼魚です。アカカマスは食べたことはありますが、成魚のよい写真はまだ撮影できていません。写真でもおわかりのように、腹鰭は体の前のほうにあります。

カマス科は世界でカマス属のみ。日本には少なくとも9種類が分布し、いずれのカマスも塩焼きや干物などで美味しいのですが(オニカマスなどの大型種は有毒な場合があるので要注意)、市場関係者的にはアカカマスのほうが好まれるようです。

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