魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

イトモロコ

2022年09月30日 00時36分12秒 | 魚介類飼育(淡水)

久しぶりに我が家で飼育している淡水魚の紹介。コイ科のイトモロコ。2018年の5月に九州で採集したものなので、我が家にやってきてもう4年以上になる。細くてすぐやせるようなイメージがあるが、あまりきれいな水でなく、デトリタスなどがたまったような水槽では長生きしてくれるようだ。キラキラと輝く鱗がとても美しい魚である。中部地方から山陽地方、四国、九州北部の河川に生息する。

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ゴンズイ

2022年09月29日 21時47分50秒 | 魚紹介

この魚はゴンズイという。ゴンズイはナマズ目・ゴンズイ科・ゴンズイ属の魚で、日本のナマズ目魚類としては、珍しい海にも生息するグループである(ほかにミナミゴンズイとハマギギ科があてはまる。大雨の後ナマズが海に見られることがあるが、基本的に海では生きられないので除外)。背鰭と胸鰭の棘に毒があり刺されると激しく痛むので取り扱い注意。この写真の個体は2013年、静岡県の漁港の上に捨てられていたもの。持ち帰らない魚は優しく逃がしてあげたい。ゴンズイは毒棘があるが美味しい魚なので持ち帰って食べるとよいだろう。

ゴンズイの幼魚。小型個体があつまって「ゴンズイ玉」をつくる。成魚は夜行性なのか、夜釣りで多く釣れるが幼魚は昼間も活発に泳いでいる。写真のような内湾の漁港、あるいは河川の流れ込みがある場所ではよく見られる。

高知県のゴロタ場で見られたゴンズイ。きれいな海水の場所であるがこのような場所にも見られる。この場所には何度も通ったがこの場所では最近はゴンズイを見ていない。今年こそは見たいものである。

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標準和名の持つ意味とは

2022年09月28日 00時14分29秒 | 魚類とインターネット
(このコラムは、もともとFacebookで書いたものであり、それをもとに、公開日付の変更や、追記などを行ったものです。なお2022年10月3日にNHKBSプレミアムにて、同番組の再放送が行われる予定です)
 
ホウライヒメジ
 
昨日9月27日、昨日NHK BSプレミアムで放送されていた「ワイルドライフ」の録画を見た。タイトルは「紀伊半島潮岬 オジサン大集結!命わきあがる海」というもの。しかし、1時間の番組の中で「オジサン」は1匹も出てこず、出てきたのは「ホウライヒメジ」の群れであった。
 
番組の中では「オジサンとは、ヒメジ科ウミヒゴイ属の魚の総称」とされていたが、これは種標準和名のオジサンがいる以上は望ましくない。魚類の標準和名の定義などについては日本魚類学会の標準和名検討委員会が定義しているので目を通していただきたいが、「標準和名は自然科学、教育、法律、行政等、分類学的単位を特定し、共通の理解を得ることが必要な分野での使用が推奨される」(上記標準和名の定義より)ものとなっていて、魚を語るときは「標準和名を使用すること」が重要である。その一方、「魚類学会標準和名の定義等について」においては「ただし、それは通俗名(方言や商品名等)の使用を制限するものではない」という一文がついている。したがって、今回のテレビ番組のように、ホウライヒメジをオジサンと紹介しても何ら問題ないということになる。
 
ただし、これについては問題がある。「標準和名以外の魚名は優しくない」のだ。ぶっちゃけて言うと、標準和名以外の言葉で会話した場合、魚の名前が伝わらず、混乱を招いてしまうこともあるからだ。もし標準和名以外の魚の名前も知りたい、使いたいというのであれば、必ず標準和名を覚えておかないと、混乱を招く。少なくともテレビで魚種を紹介するときは種標準和名をしっかり使うべきであろう。
 
もうすでに混乱が始まっている。鮮魚店などで「オジサン」という名前で販売されているのはほぼホウライヒメジか、オキナヒメジであるし、釣果サイトでもホウライヒメジやオキナヒメジなんていう種標準和名には全くお目にかかれず、ほぼすべて「オジサン」となっている。そして何が問題なのかというと、例えば「オジサンの標本が欲しい」と思ったときに募集をかけると、ホウライヒメジやオキナヒメジなどが集まってしまうおそれがあるし、オジサンを飼育したくて通販で購入したらより大型に育つホウライヒメジなどが来てしまう危険性がある。なお、同様に混乱を招きやすい標準和名をもつ種は、ほかにクロムツやアカメフグ、オニカサゴなどがいる。これらは釣り人がムツやヒガンフグ、イズカサゴなどを指すときに使うことが多い。魚を語るときは標準和名で語ることが重要である。とくに、インターネットなど、様々な地域の人が集まるコミュニティではその重要性が高まる。
 
NHKは普通のテレビ放送局ではなく、一般市民からの受信料で成り立っているのである。だからこそ、NHKにはしっかりとした放送をしてほしかった。特にタカアシガニとミノカサゴの関係、死んだシコロサンゴに生える海藻、アザハタとキンメモドキの関係など、いいポイントもあったのだから、とてももったいない気がする。しかし細かい欠点は、よいところを台無しにしてしまう。それでは受信料を払った視聴者に申し訳ないだろう。立花孝志氏や、ガーシー氏らがあれほど世間を騒がしてもNHK党がいまだに人気があるというのは、こういうところなのかもしれない。
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ノトイスズミ

2022年09月27日 21時31分36秒 | 魚紹介


高知県の防波堤で2020年に釣った魚。スズキ目・イスズミ科・イスズミ属のノトイスズミ。

ノトイスズミは分布域が広く、北は青森県から南は琉球列島に見られる。海外ではインドー西太平洋に広く分布し、標準和名の「ノト」とは能登半島のことだという。分布域が広い理由は本種もキヘリモンガラやソウシハギ、アミモンガラなどと同様に流れ藻などの浮遊物によくついているからである。実際に海の表層に浮かぶごみを掬うと本種がついていることもある。

イスズミ科は悩ませる存在といえる。私は磯釣りをあまりしないのであるが、この仲間の同定はかなり難しいことがある。とくに同じ灰色の体をしたテンジクイサキと間違いやすいので注意したほうがよいかもしれない。ただしテンジクイサキは背鰭も臀鰭も高いのに対し、ノトイスズミはこれらが低いので見分けることができるだろう。

イスズミの仲間は釣りあげると頻繁に体色を変える。ノトイスズミは体色が灰色から茶褐色で、お世辞にも美しいとはいえない。体側の縦縁も茶褐色である。一方イスズミは銀色の体で、体側の縦線はオレンジ色が目立つ。そのためこの2種は比較的見分けやすいのではないかと思う。釣りでは引き味は強烈であるものの、メジナのほうが人気がある。味もメジナのほうがよいのであるが、このノトイスズミも決して「まずい」ということはなく、塩焼きで美味しくいただいた。防波堤から釣れる小さなイスズミもな引き味はなかなかのもので、釣る楽しみがある。

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アツモリウオ

2022年09月26日 21時59分54秒 | 魚紹介

3日ぶりに魚の話題を。スズキ目・トクビレ科・ツノシャチウオ属のアツモリウオ。これは最近入手したものではなく、2020年の夏にいただいたものである。

アツモリウオの頭部、吻の先端には肉質のひげがある。これはこの属の日本産種であればどの種も持っている。ただしこのひげは個体によって変異があるとされる。とてもユニークな顔つきである。

眼の上にも大きな棘があり、その棘のすぐ後方にも小さな棘が見られる。この小さな棘の有無は近縁種のひとつであるクマガイウオと見分けるための特徴のひとつであるといえる。

近縁種クマガイウオ

アツモリウオと同じツノシャチウオ属の魚は日本近海からは4種が知られている。ツノシャチウオ、トンガリシャチウオ、クマガイウオ、そしてこのアツモリウオである。前二者は胸鰭下部の軟条が遊離する(鰭膜がない)のに対し、クマガイウオとアツモリウオは胸鰭下部の軟条にも鰭膜があり、軟条が遊離しないという特徴がある。クマガイウオは上記の眼の上の棘の特徴のほか、体側の側線に黒くて明瞭な縦線があることにより、体側に明瞭な黒い線のないアツモリウオと見分けることができる。この仲間の魚は北日本の浅い海~水深100mを超える海底に生息しており、刺網や底曳網などで漁獲される。この属のうちツノシャチウオは北海道太平洋岸西部や東北地方、新潟県で、トンガリシャチウオは北海道猿払、日本海沿岸に見られるが、アツモリウオとクマガイウオは北海道全沿岸、東北地方においても幅広く見られるほか、南は島根県隠岐諸島付近にまで見られるという。

アツモリウオは刺網や底曳網漁業などで漁獲されているものの、食用になることはほとんどない。しかし同科のトクビレは北海道では重要な食用魚で、イヌゴチやシチロウウオも食したが美味であった。今回はアツモリウオも食べてみた。食べ方は塩焼き。キホウボウなどよりも体を覆う鎧のような骨板はやわらかく、噛めなくもない。骨板ごと焼いて骨板ごと食べたがなかなか美味であった。水族館では北海道の海を再現した水槽にいるのをよく見る。家庭の水槽で飼育できないこともないが、水温は12℃くらいと低めに保つ必要があるだろう。そのためクマノミ類など熱帯性海水魚との飼育は不可。

今回のアツモリウオは北海道の「ぽむ」さんからいただいたもの。ありがとうございました。

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