魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ウマヅラハギ

2016年01月31日 20時06分56秒 | 魚紹介

最近イットウダイ科の写真記事が続きましたが、今日はまた別の種類を。

冬の鍋物はもちろん、薄造り、焼き物、煮つけなど、なんでも使える優等生。

カワハギ科のウマヅラハギです!

頭部にある「ツノ」(背鰭棘)は実際にはもっと長いのですが、この個体では残念ながら折れてしまっていました。ウマヅラハギといえば比較的ポピュラーな食用魚ではありますが、なぜか下関の魚市場でトロ箱に入っていた個体しか私のぶろぐでは紹介していなかったのでした。分布域は北海道から東シナ海までとかなり広域に及びます。漁法は沖合底曳網や定置網などで漁獲されていますが、釣りでゃあまり歓迎されていないようです。今回は富山産の個体。

ウマヅラハギのそっくりさんにキビレカワハギという種類の魚がいます。キビレカワハギはウマヅラハギよりもやや南の温暖な海域に多いといわれ、四国沖や奄美諸島などではよく見られる種です。このキビレカワハギは上記のウマヅラハギと比べて背鰭棘が長いように見えますが、これは先ほど紹介したウマヅラハギの棘が折れてしまっているためである、ということは先ほど述べました。

こちらも画質はイマイチ、なのですがキビレカワハギと思われる個体。背鰭の棘は折られていました。たしかに、この仲間の背鰭棘には鋸歯みたいなのがあって、刺さるとケガしそうです。この個体は先ほど紹介しましたものと同じく高知県産。しかしこちらはトロールではなく釣りもの。この間ご紹介しましたホホベニイットウダイを購入した、宿毛市のすくも湾中央市場にて撮影。

▲ウマヅラハギ

▲キビレカワハギ

この2種は本当によく似ています。見分け方は頭部の様子。ウマヅラハギは鰓孔が眼中央下方にあるのに対し、キビレカワハギではもっと前にあります。また背鰭第1棘も、キビレカワハギのほうがやや前にあるように見えます。このほか、ウマヅラハギでは体側に不規則な斑紋がありますが、キビレカワハギではそのような斑紋がないという特徴もあります。ただし今回の個体のように薄いものもおり、使いやすい同定形質ではないかもしれません。また名前にあるように鰭の色彩もやや違うようです。ウマヅラハギは軟条が緑色っぽく、キビレカワハギはその名の通り黄色っぽい感じ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホホベニイットウダイ

2016年01月30日 21時53分51秒 | 魚紹介

やはりちょっとまえ、というか3年まえの魚。イットウダイ科のホホベニイットウダイ。

ホホベニイットウダイは昨日ご紹介しましたテリエビスや、ニジエビスなどによく似てはいるのですが別属ウケグチイットウダイ属の魚です。ホホベニイットウダイもかなり広い範囲に分布する種類で、東アフリカ~東太平洋の熱帯域にまで分布します。この種はテリエビスとは逆でハワイにも生息するようですが、紅海にはいないらしい。日本では和歌山県から沖縄本島にまでいるようですが、数はやや少ない。

「日本産魚類検索」によれば、この種類の特徴は背鰭棘中央下横列鱗数が3.5とやや多いこと、背鰭の最後の棘は後ろから2番目の棘よりも短いことなどがあげられます。この背鰭最終棘は背鰭の第1軟条にかなり近寄ることでイットウダイ属の魚と区別できるようです。ちなみにイットウダイの仲間の背鰭最終棘は後ろから2番目の棘と第1軟条の中間付近にあることにより区別できるようです。

色彩は赤みを帯びた体に黄色っぽい縦線があり、背鰭の鰭膜が黒くなく黒色斑も見られません。そのため日本に分布するほかのウケグチイットウダイ属の魚とは容易に見分けられます。

このホホベニイットウダイは高知県宿毛市のすくも湾中央市場でほかの魚との混じりで入っていました。ウロコマツカサ、ナミマツカサ、アヤメエビス、テリエビスなどがたくさん履いていましたがその中に本種が1匹混ざっていました。テリエビスのラインは白、本種は黄色っぽいのですが、一緒においてあるとわかりにくいものです。今回の個体は塩焼きで食しました。骨が大きく硬いので食べにくいのですが味はよかったです。またいつか出会いたい魚の一種です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テリエビス

2016年01月29日 06時33分51秒 | 魚紹介

最近、以前のブログ記事の索引を作成していました。それをやっていると、採集や飼育はしているものの、ブログに掲載していない魚種がたくさんあったことが分かりました。たとえばあれほど釣ったりしているメジナも、過去記事を検索してみると意外にも少ない。イスズミ科など、写真さえ出てきませんでした。このテリエビスも、過去にあちこちで釣ったりしていたのですがこのぶろぐには掲載していませんでした。過去に記事にした魚では、ニジエビスに近い種類です。もっとも、ニジエビスも過去記事には写真しか載せていませんでしたが。第一、イットウダイ科の魚もあまりこのぶろぐに掲載できていませんでした。

テリエビスは千葉県以南の太平洋岸に分布し、琉球列島や伊豆諸島、小笠原諸島でもよく見られる種です。海外ではインド-太平洋および紅海に分布しています。ただし、ハワイ諸島などには分布しません。

数は多くどこにでもいる割には磯採集や釣りであまり本種にあえないのはなぜか。この種は昼間は岩陰や洞窟のような場所に隠れて夜になると活発に泳ぐようになるからです。夜釣りでは本種はかなりよく釣れ、八丈島では入れ食い状態、たくさん本種に逢うことができたのでした。
このほかにも沖縄の石垣島で本種を釣っていますし、高知でも宿毛の魚市場で本種を発見、柏島でも港でウツボの死骸と一緒に漂っていた死骸を拾ったりとよく出会っていた魚です。

こちらはニジエビス、和歌山県串本や高知県柏島、屋久島以南に分布している魚です。ただし本種を釣ったのは柏島ではなく、高知の他の漁港です。他に那覇の漁港や石垣島でも釣っています。

この2種はそっくりではありますが、背鰭の色彩がやや異なります。ニジエビスは背鰭が黒くて白い縦線がありますが、それは短い感じ。一方でテリエビスの場合は背鰭の鰭膜が赤く、長い白色縦線があります。下の2枚の写真、上はニジエビス、下はテリエビスです。

ニジエビス背鰭

テリエビス背鰭

ちなみにこの2種は食用になっています。塩焼は小型のものは食べにくい。大きめの個体のお刺身は美味しかったです。ニジエビスは那覇で釣れた時に食べましたが美味でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スナビクニン

2016年01月25日 15時12分06秒 | 魚介類飼育(海水)

 

年の頭に「毎日更新」を掲げていたこのぶろぐも10日ほど更新していませんでした。理由はちょっと忙しかったこと、〆切のあるお仕事で〆切に間に合うように一生懸命お仕事しておりましたが、結局何とか間に合ったようでほっとしました。

今回はふたつほど前の記事でご紹介しましたクサウオ科「スナビクニン」(写真はろくに掲載していなかった)ですが、それが現状は何とかうまく飼育できているのでご紹介します。

スナビクニンは斑紋や色彩に変異が多くて、え、これが同じ種類かと思うようなものもおります。スナビクニンの特徴は鼻孔が1対であること、臀鰭軟条数が25~28軟条であることなどがあげられます。

体側に細い線が入る個体


オレンジ色の体で黒い斑紋が散らばる

 


一様に黒っぽい個体

スナビクニンに似た特徴を持つものに「ニセソコシロ」という種もいますが、ニセソコシロは背鰭、臀鰭、胸鰭の軟条数がスナビクニンよりもやや多めなのが特徴です。この種も本州の太平洋岸、西は三重県にまで分布しているということですが、スナビクニンとは区別されていないらしく、写真なども撮れていないようです。

この仲間もダンゴウオ科の魚と同じく腹部に吸盤をもち、岩や水槽面などに張り付くことができます。また体は柔らかく、岩と岩の間をすり抜けるように移動できます。夜間にスナビクニンを発見したところ、素早く泳いでおりました。瞬間的には結構はやく泳ぐことができるようです。

現在は水温10度ほどで飼育しています。寒波が来たときは8度にまでさがりました。しかし低い水温でもこの魚には関係ないようで元気いっぱい泳いでおります。特に夜間にライトで水槽を照らしてみると活発に泳いでいる様子も観察できました。餌はイサザアミの冷凍のものを食べていましたが配合飼料も食べている様子です。寝る前にあげると翌日にはなくなっています。

ちなみにあの時採集した貝はメイン水槽に入れております。ウコンハネガイみたいな貝(ミノガイの仲間)は大きく広がるときわめて美しいです

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学名を書くのをやめた理由

2016年01月15日 17時32分10秒 | 魚類とインターネット


年が明けて2016年になって、魚を何種かこのぶろぐでご紹介してきましたが、「学名」が入っていないとなぜか魚を紹介した気分にはあまりなたないのです。じつはある理由から学名の表示をやめたのでした。

以前ならば学名を入れてアクセス数アップということもあったのですが、あるときからそれはやめてしまいました。なぜならば、このように学名をアップすると画像がほかのサイトに勝手に使われてしまう、という問題があったからです。

たとえば台湾のサイト「merage的海洋魚圖鑑」など、他人の画像に勝手にリンクを貼って自分のインターネットサイトを構築しているようなサイトがあるからです。このサイトはこのぶろぐに掲載されている画像にもそのままリンクを貼っています。もちろんリンク自体は合法です、しかしながら自分たちが苦労し撮影した画像を盗まれるのを防ぐために、画像への直リンクは禁止していることが普通です。

私は基本的に画像は無料または有料でお貸ししていますが、このようなモラルのない人に画像を貸すことはありません。このようなケースで貴重な画像の流出を防ぐためにはこちらもさまざまな工夫をする必要があります。Googleの画像検索に引っかからないような方法も考えられますが、そのようなことはしたくないです。なぜならばそこから来てくれる人たちもいますから。でもこのようなモラルの欠片もない人が世の中、もちろん台湾だけでなく世界中にいるのは事実のようです。メッセージを送付しましたがうまく届いていないようです。どなたか対応してくれませんかね・・・。

(トップ画像は上記の直リン貼っているサイトのスクリーンショット)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする