魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

新刊購入

2016年08月30日 15時39分58秒 | 書籍

今日は本を購入しました。「ネイチャーウォッチングガイドブック ベラ&ブダイ」(加藤昌一著・誠文堂新光社、2016年)という本。この本の良いところは、ベラだけではなくブダイも多数掲載されているところ。これまで同定が困難だったブダイの仲間の雌や幼魚の解説も充実している本。特に全身が茶褐色であまり特徴のないブダイの雌を調べるのには非常に役に立ちそうである。

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ヒラメ

2016年08月28日 12時07分25秒 | 魚紹介

異体類シリーズ第5弾は、ネタ切れのためか、やむなく??

ヒラメ科・ヒラメ属のヒラメ。

ヒラメ科の魚は日本に3属10種が知られている。3属とも食用種を含むが、多くの場合食用になるのはヒラメ属、あるいはガンゾウビラメ属の魚だ。北は北海道、南は九州南岸まで日本の広い範囲に生息している種。沿岸の浅いところから水深200mくらいの場所にまで生息している。ガンゾウビラメ属はやや南方性で特にヒラメが見られない琉球列島では、ガンゾウビラメ属のテンジクガレイや、あるいは近縁科のダルマガレイ科の大型種がヒラメ同様食用となる。関東近辺でも水深100mくらいを狙う釣りでは体に5つ前後の目玉模様をもつタマガンゾウビラメはお馴染みの種だ。

ヒラメとガンゾウビラメの仲間は、頭部の様子をみるのが簡単だ。

ガンゾウビラメの仲間の後頭部

ガンゾウビラメの仲間は有眼側の後頭部に矢印で示したような側線分岐があるが、ヒラメにはそれがない。また個体差はあるのかもしれないが、眼がヒラメは若干離れているような気もする。ダルマガレイ科とは腹鰭の位置がやや違う。ほかに日本に分布する食用として重要であるカレイ科の魚とは眼が体の左側にあることによって区別できる。いわゆる「左ヒラメに右カレイ」というやつだ。ただしダルマガレイの類など眼が体の左側にあるグループも「カレイ」という名前がついているのでややこしい。またヒラメでも逆位といって体の右側に眼があるような個体が出ることもある。

ヒラメは刺網、底曳網、定置網など様々な漁法で漁獲されるほか、釣りの対象魚としても人気が高い。小型個体は浜からの投げ釣りでも釣れるし、船では大物も狙える。刺身、フライ、煮物など様々な料理に使える美味な魚でもある。

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ツマリツキノワガレイ

2016年08月24日 16時21分24秒 | 魚紹介

異体類シリーズ第4弾は、ツマリツキノワガレイ。

ツマリツキノワガレイは近縁のベロガレイなどとともにカレイ科のベロガレイ亜科とされていたが、カワラガレイ科やロンボソレア科などとともに科に昇格した。ベロガレイ科はインド‐太平洋域に生息する仲間で3属27種が有効とされる。ツマリツキノワガレイは、その中のツキノワガレイ属の魚である。

ツキノワガレイ属の魚は日本に4種が知られる。4種のうちジャノメツキノワガレイと呼ばれる種は水深数mのサンゴ礁に生息するが、ほかの種はやや深海性で水深50~170mほどの場所から底曳網漁業で漁獲される。分布域は若狭湾以西の日本海、熊野灘、土佐湾。海外では台湾に生息する種で、やはり底曳網がない地域、あるいは東日本ではなかなかお目に罹れない種類である。

ベロガレイ科の魚の特徴は無眼側に胸鰭がないこと、無眼側に側線がないか、あっても痕跡的であることがあげられる。ツマリツキノワガレイは胸鰭が4~5軟条であること、背鰭前方の軟条は糸状に伸びないこと、腹鰭の軟条も糸状に伸びないこと、胸鰭がかなり長く頭長よりもずっと長いこと、有眼側に明瞭な3つの斑がないことによりほかのベロガレイ科の魚と区別できる。

胸鰭は非常に長く、暗色帯が数本入る。これによりほかのツキノワガレイ属の魚と見分けられる。ツキノワガレイは胸鰭軟条数が5本、コツキノワガレイは4本で、いずれも細くて目立つ数本の黒色帯が胸鰭にはないようだ。この仲間は沖合底曳網、あるいは小型底曳網、刺し網などにより漁獲されるが、普通は食用になっていない。しかしある程度大きくなるベロガレイなどは食用にされることもあるという。釣りの対象魚でなく、市場でもお目に罹れない極めてマイナーな異体類であり、そのためにまだ新種や日本初記録種がみつかる可能性も高いようだ。

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ゼブラアーチャー

2016年08月23日 23時27分03秒 | 魚介類飼育(淡水)

アクアリウムバスで購入した魚。前回はタイワンドジョウの仲間「コウタイ」を紹介したが、今回はもう一種。

ゼブラアーチャ―というミャンマー産の美しいテッポウウオ。写真の幼魚はマーブル模様なのだが成魚では縞模様のようになる。ただし本種は色彩や斑紋のバリエーションが多いといわれ、別種になるのかもしれない。テッポウウオ属の魚は一般的には「汽水の魚」というイメージが強いものの、本種は純淡水で飼育可能なようだ。

観賞魚として近年に入ってきた種。当時は数万円で販売されていたというが、今ではだいぶ安価になった。淡水の熱帯魚だと(海水魚に比べると)養殖しやすく入手のハードルも下がる。しかし逆に入手のハードルが下がって飼いきれなくなったものを河川や湖沼に放流したり、奇形の個体が流通するなどしたりと、あまり歓迎すべきではないのも事実。ちなみにゼブラアーチャ―は近年に入ってきた種ではあるが記載はBoulengerにより、1892年になされている。

我が家に来た当初はなかなか餌を食べてくれなかったが、フタだけでなくカバーをかぶせてタオルなどで「暗幕」をつくり、キョーリンのメダカの餌を流してあげたらよく捕食した。その後は同社製のメガバイトなどもよく捕食した。ほかには昆虫や乾燥エビなどを与えている。「らく熱」のテッポウウオ特集によれば、幼魚のときから同じ餌を与え続けるとそれしか食しないので注意が必要、とのこと。注意したいのは水質で塩分を加えなくてもよいということだが、やはりアルカリ性の環境をたもつのが重要とのことでサンゴ砂を底面に敷いている。

成熟したサイズがどのくらいになるのかは不明だが、大きく育てたい。しかし大きく育てるのにはもっと大きな水槽(90cm以上)が必要になるということである。ろ過装置は以前にぶろぐで書いたことがあるもの。B-Box八潮で販売されていたのを購入。水槽はキンギョ用の水槽で幅40cm。これで様子をみて大きくなったら60cmにステップアップしたい。

テッポウウオの仲間はインドー西太平洋にかけて分布し、ある種は日本でもみることができる。口から水を出して木の上にいる昆虫などを捕食することで有名であるが、小さいうちは水鉄砲はださないようだ。

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オビウシノシタ

2016年08月21日 23時11分25秒 | 魚紹介

異体類シリーズ第3弾!ササウシノシタ科のオビウシノシタ。

オビウシノシタはササウシノシタの仲間なので、眼は右側。しかしこの前のササウシノシタと違い、やや小さめであるが明瞭な胸鰭を持っていることが特徴。口はササウシノシタのように強く曲がるなんてことはない。

体側には暗色と薄い褐色の、シマウマのような縞模様がある。体にシマウマ模様があるササウシノシタ科の魚類は日本に5種類が分布しているが、サザナミウシノシタやセトウシノシタの尾鰭は背鰭や臀鰭とはほとんどつながっておらず、ツノウシノシタは背鰭第1軟条が伸びることにより本種と区別できる。オビウシノシタの背鰭や臀鰭は尾鰭とつながり、背鰭第1軟条が伸びるようなことはない。

オビウシノシタの「そっくりさん」にシマウシノシタがおり、津軽海峡以西の本州から九州の沿岸ではよく見られる魚である。この2種を見分けるのはやや難しく、背鰭および臀鰭の軟条を数える必要がある。オビウシノシタの背鰭・臀鰭軟条数はそれぞれ78-90軟条、70-78軟条でありシマウシノシタ(それぞれ68-82軟条、56-70軟条)よりも多いが数字がかぶるところもあり、違いが微妙なところである。

このオビウシノシタの分布は魚類検索に従えば山口県日本海岸、福岡県津屋崎、長崎県沿岸、有明海で、海外では黄海、渤海、東シナ海に産する。つまり東シナ海に多い魚だ。この個体も東シナ海の以西底曳網漁業で漁獲されたもの。多くは水深100mよりも浅い海底に生息している。底曳網で漁獲されるもののあまり利用されないようだ。しかし近縁種のシマウシノシタのほうは、底曳網が盛んな地域では市場にもでる。

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