魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ウロコマツカサ

2013年08月30日 17時14分36秒 | 魚紹介

 頭と眼が大きいこの魚は、ウロコマツカサMyripristis botche Cuvier, 1829といいます。キンメダイ目・イットウダイ科・アカマツカサ属の魚で、アカマツカサやエビスダイと同じ仲間です。アカマツカサ属の魚は日本では15種もいますが、多くの種は見た目が似ているので同定が難しいのです。本種は側線有孔鱗数が30以下のグループに属しています。

 
高知県では本種によくにたナミマツカサMyripristis kochiensis Randall and Yamakawa, 1996というのがいますが、この魚とは胸鰭をめくるだけで区別することができます。しかしこの特徴は上にあるような、ただ魚を普通に撮影した写真からは判別しにくいこともありますので、もう一枚写真を撮る必要があります。
 
ウロコマツカサは胸鰭腋部に小さな鱗がありません。
 

ナミマツカサは胸鰭腋部に小さな鱗があります。
また、ウロコマツカサの方は遠くから見ますと体の赤色が薄くみえます。水中でみると、え、これがアカマツカサの仲間?と思えるくらい、白っぽいです。ナミマツカサは陸上でも水中でも赤いです。分布域は、ウロコマツカサが八丈島、和歌山県串本以南~沖縄県、海外ではインド・西太平洋に広くすみますが、ナミマツカサの方は日本特産で、八丈島から鹿児島県までの太平洋岸にのみすみます。
 
そしてこのウロコマツカサはでかい!20cmを超える大型の個体でした。
 
 
●食する
イットウダイ科の魚は2亜科に分けられます。ウロコマツカサをふくむアカマツカサ属は、アカマツカサ亜科に含まれ、この中にはアカマツカサ属のほかにリュウキュウエビス属、ヤセエビス属、日本に産しないヤスリエビス属、そしてエビスダイ属が含まれます。エビスダイ属の魚の中には、食用魚として有名なエビスダイも含まれています。
アカマツカサ属の魚は美味なのですが、エビスダイ属のものほど大型にならないためか、あまり市場からはありがたがられないようです。しかしそれでも産地などではよく食されています。今回は私も初めて、アカマツカサ属の刺身を食することになりました。
 
たしかにエビスダイに近いので、肉の色もエビスダイのようです。そして鱗をそぐときも・・・。本当に大きくてかたいため、なかなかおろしにくいのです。そして味も美味です。脂が多く乗っていてほのかに甘いです。
 
このウロコマツカサは宿毛魚市の水揚げを見学していた際に欲しかったので落としてもらったのです。ありがとうございました。
 
 
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メジナボール

2013年08月27日 20時08分23秒 | 水中写真
 
長いことブログをさぼってすみませんでした。今は宇和島にいます。今日は西海のほうにお出かけしまして、定置網の船にものせていただきました。
 
昨日まで降っていた雨はやみ、今日は暑い一日でした。船の下ではメジナが群れを作っていました。夏の虫はお亡くなりになっていき、セミの声も小さくなってしまいました。でも、海はまだ夏は来ていないのか、魚は少ない感じでした。明日は古満目・柏島・宿毛方面に行く予定です!
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クロメヌケ

2013年08月19日 20時47分43秒 | 魚紹介

 
今日の夕飯はメバル科のクロメヌケでした。
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ヨシノボリたち

2013年08月18日 21時39分30秒 | 魚介類採集(淡水・汽水)

今日は近くの河川へ行ってみました。河川では今日は魚の死骸がいつもより目立っていました。高水温の影響でしょうか。亡くなっておらずとも、鰭や体表に白いかびのようなのが付着してる個体もいました。

別の場所では、水カビに侵されているものもいたものの概ね元気なようでした。

 
6月よりも水が少なく、水温もぬるい。しかし、ある程度流れがある場所や、草の茂みの陰になっている場所ではまだまだ魚も元気そうでした。カワヨシノボリは、オレンジ色の鰭が美しいです。すぐそばでは同じハゼ科のヌマチチブの姿も確認することができました。
 
 
こちらはシマヨシノボリ。5~6月には見られなかった大きめのサイズ。小さなニシシマドジョウを狙っていました。
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フィリピン魚91.テンツキチョウチョウウオ

2013年08月13日 21時34分38秒 | 魚紹介

最近フィリピン魚も更新していませんでした・・・。
チョウチョウウオ科のテンツキチョウチョウウオParachaetodon ocellatus (Cuvier, 1831)です。

テンツキチョウチョウウオは本種1種でテンツキチョウチョウウオ属を構成します。チョウチョウウオ科の魚は多くの属で背鰭棘数が10以上あり、タキゲンロクダイの仲間などでも8~9あります。一方でテンツキチョウチョウウオの背鰭棘数は6と、ほかの同科魚類と比べ少ないものです。

 
シルエットを見ても、チョウチョウウオの仲間のようには見えません。ツバメウオなどの仲間のように見え、実際にPlatax ocellatus Cuvier, 1831という学名で記載されました。実際にFalse batfishという英語名がありますが、Batfishというのは、ツバメウオの仲間を指します。最近はSixspine butterflyfishという英名がよくつかわれているようで、Fishbaseもこれを採用しているようです。
 
模様について。体側には5本の褐色横帯を有し、うち1本は他のチョウチョウウオの多くの種と同じく、眼を通ります。尾柄部には白っぽい縁取りがある黒色斑がありますが、これは成魚では薄くなるようで、その代わり背鰭、この写真の個体ではしみになっている部位にこの尾柄部の模様とにた模様が出現します。そして背鰭後方はとがるようになり、まさにツバメウオのような姿になるのです。
 
写真の個体は灰色っぽいですが、これは冷凍して色が落ちてしまったためです。冷凍しなかった個体は、もっとオレンジ色が強くて綺麗でした。
 
テンツキチョウチョウウオの稚魚。よく磯採集愛好家が使う言葉に「1円玉サイズ」とか「10円玉サイズ」とかいうのがありますが、この個体は1円玉サイズにあたるでしょうか。背鰭の部分にオレンジが強く出るのは、まったく別の仲間であるクロホシマンジュウダイを連想させますが、このクロホシマンジュウダイ科の魚もツバメウオを含むマンジュウダイ科の魚に近いとされるようです。
 
浅い海、サンゴ礁域やその周辺の砂底にすむようですが、トロールでも漁獲されるようです。
 
テンツキチョウチョウウオは、チョウチョウウオ属に含めるという意見もあるようで、「日本産魚類検索 第三版」などでは実際チョウチョウウオ属にいれられています。その場合学名はChaetodon oligacanthus Bleeker,1850の学名が採用されます。Chaetodon ocellatusという学名はチョウチョウウオ科の大西洋産種であるツマグロチョウチョウウオの学名であり、かぶってしまうのです。
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