魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ヒメホシダカラ

2023年06月30日 06時23分18秒 | 軟体動物(貝類・頭足類)

今年の4月に入手したタカラガイの貝殻。ホシダカラの小さいの、と思っていたら、どうやらヒメホシダカラらしい。めずらしいものではないと思われるが、私は初めてみた。Daichanさん、ありがとうございます。

側面から見るとホシダカラほどふくらみは強くない。大きな黒い点が入るのが特徴だろうか。なお、ホシダカラと近縁種だと思っていたのだが、どうもそうではないようで、ホシダカラはホシダカラ属、ヒメホシダカラはヒメホシダカラ属と別属らしい(微小貝データベースより)。クチムラサキダカラやサラサダカラとは同属。

口の部分。

もう今年も気が付けば半分過ぎてしまっていた。採集は1回。下半期はもっと行きたい。

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鯨肉

2023年06月26日 14時13分20秒 | 魚介類を食べる

忙しくぶろぐ更新どころではなかったが、なんとか更新。

Yukihiro Nakagawaさんよりクジラが届きました。左がハラミ、真ん中上が美脂。その下が希少部位の「のどちんこ」、そして右がいわゆるレバー。いずれも美味でとくに真ん中の二つが美味しく、とくに美脂は家族にも好評でした。Yukihiro Nakagawaさん、ありがとうございました。

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キビレミシマ

2023年06月14日 16時44分15秒 | 魚紹介

愛知県の魚のシリーズ。今回はミシマオコゼ科・ミシマオコゼ属のキビレミシマ。

これにより日本産ミシマオコゼ属の6種のうち5種をこのぶろぐでご紹介したことになる。ミシマオコゼ属は日本にキビレミシマ、ミシマオコゼ、メガネウオ、ヤギミシマ、カスリミシマ、トウカイミシマの6種いる。カスリミシマはこのぶろぐで紹介した当時は独自属とされたが、現在はミシマオコゼ属のものとされている。トウカイミシマの方はなかなかの曲者で東シナ海でしか見られない。門川の魚図鑑に掲載されたトウカイミシマはおそらく違う種のように思う(キビレミシマかもしれない)。残念ながら以西の乗組員になるしか入手する方法はなさそうである。このぶろぐで紹介できていないもう1種のサツオミシマは瀬戸内海などでも漁獲されることがあるため、まだ入手は可能と思われる。

ミシマオコゼ

宇和海の沖合底曳網ではキビレミシマは見たことがなく、入る個体はミシマオコゼであった。一方キビレミシマは山口などで漁獲されたものを譲ってもらっていた。瀬戸内海ではミシマオコゼよりもキビレミシマが多かった。キビレミシマのタイプ標本は学名Uranoscopus chinensisからもお分かりのように中国で採集されている。中国の大陸棚に多い魚なのだろうか。底曳網の魚もたくさん見てきたが、大体がミシマオコゼであった。

●キビレミシマとミシマオコゼの見分け方

大分県の下河原 浩介さんより、ミシマオコゼとキビレミシマの見分けのリクエストがあったので、ここでご紹介。

ミシマオコゼ属の胸鰭

上はキビレミシマ、下はミシマオコゼの胸鰭である。ミシマオコゼの胸鰭は上方が強く凹むが、キビレミシマはあまり凹まない。写真しかない場合にこの2種を見分けるのであればこれがベストか。写真は胸鰭が乾燥してしまっているためわかりにくいかもしれないが。

キビレミシマの前鰓蓋下縁。棘4つ。

キビレミシマ。遠くから見ると5本、赤いのは主鰓蓋骨(か間鰓蓋骨)のものなので含めない

ミシマオコゼの前鰓蓋骨下縁

前鰓蓋下縁に棘が3つあるのがミシマオコゼ、4つあるのはキビレミシマ(トウカイミシマは通常5つ)。重要なのはあくまで「前鰓蓋骨の棘の数を数える」こと。赤い矢印は前鰓蓋骨の棘ではないので含めない。胸鰭の形状と前鰓蓋骨下縁、これらの二つの要素で見分けるのがわかりやすいだろう。キビレミシマは胸鰭や尾鰭が黄色っぽくなるが、ミシマオコゼなども薄いが黄色っぽくなるので、これだけで見分けるのはちょっと危険かもしれない。

ミシマオコゼの仲間はこれまでも述べてきたが、薄造りにして食べると非常に美味である。この個体も美味しくいただくことができた(写真で2匹分)。なお写真には写していないが肝や卵なども食用にすることができ、これらも美味しい。

なお今回入手したキビレミシマも愛知県 項明水産 鈴木項太さんより。いつもありがとうございます。前回「愛知県の魚の紹介はとりあえず次で最後の予定」と書いたが次こそ最後にします。よろしくお願いいたします。

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イトマキフグ

2023年06月08日 19時12分26秒 | 魚紹介

初めて入手する魚が我が家にやってきた。フグ目・イトマキフグ科・イトマキフグ属のイトマキフグである。前回同じイトマキフグ科のキスジイトマキフグをご紹介したが、こちらのイトマキフグが「元祖」。ハウトインにより記載された、日本から最初に欧州に学術的に紹介された魚の一つといってもよさそうな種である。最初はハコフグ属に含まれ、やがてハコフグ科とされたが、現在はイトマキフグ科・イトマキフグ属とされている。分布域は青森県鰺ヶ沢、秋田県以南日本海岸および福島県以南の太平洋岸、朝鮮半島、済州島、台湾、中国近海。Fishbaseの「ハワイ諸島」は怪しいらしい。ハワイ産の写真も掲載されているが別種っぽい。

イトマキフグがキスジイトマキフグと異なるところは体に多くの棘があるところ。背にもひとつの大きな棘を持っているが、成長につれて小さくなっていくようである。また体側には小さな暗色斑もあるがこれも成長するにつれて小さくなっていく。このほか背鰭軟条数は10~13であり、これは9~11軟条のキスジイトマキフグよりも少ない(若干数値がかぶっているが)。

水族館のイトマキフグ

イトマキフグを見るのは初めてではない。かつてしものせき水族館「海響館」にはこの個体とおなじくらいのサイズのイトマキフグが愛嬌をふりまいていたし、現在も同館ではイトマキフグを飼育しているが、FacebookにおいてTakaki Nishiokaさんに写真を見せてもらったもののどうも怪しい。棘がなく軟条数も少なく見え、キスジイトマキフグの方なのかもしれない。日本産イトマキフグ科魚類は2種が知られているのみであり、それも深場に生息するのでなかなか手に入る機会がない。しかし、(海響館で今飼育されているのがキスジイトマキフグであるとすれば)、2種を両方見せてくれるという、ありがたい水族館である。この種はごくまれに観賞魚として流通することがあるというが、運よく入手した際は低水温での飼育が必要になるし、皮膚から毒を出すのでやはり単独での飼育が必要となるだろう。これはたまに海水魚店で見られるオーストラリア産のイトマキフグ科魚類についても同様のことがいえる。

 

イトマキフグ(上)とキスジイトマキフグ(下)

イトマキフグ(上)とキスジイトマキフグ(下)の背面

最後にイトマキフグとキスジイトマキフグ。耳石は採取する予定なのだが、仕事などが忙しいのでまだ冷凍庫に眠っている。フグ目は耳石サイズが小さいため、採取には時間がかかるのだ。なお今回のイトマキフグも愛知県の項明水産 鈴木項太さんより。いつも、ありがとうございます!愛知県の魚の紹介はとりあえず次で最後の予定。

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日本魚類学会市民公開講座

2023年06月03日 17時25分42秒 | 環境問題

2023年6月3日行われた日本魚類学会市民公開講座の内容のまとめ。

オオガタスジシマドジョウ

============第一部============

●福岡県保健環境研究所  中島 淳さん

まずは福岡県保健環境研究所 中島さん(途中から見た)。「種の保存法」の指定解除の条件に触れていたり、逆に採集や飼育を禁ずることにより生じるデメリットなどの意見も明らかになるなど「環境省などの行政マンセー」「法令マンセー」になりがちなこのようなシンポジウムの中では異質であった。一方、指定されないと生息環境の改変が行われる危険性なども発言があり、これが大きな問題になりうるかもしれない。今後は指定種以外の生息環境も保全できるようにしなければならない。

 

●月間アクアライフ  山口正吾さん

彼は元「月刊アクアライフ」の編集長の方。おもに「月刊アクアライフ」誌でかつて日本産淡水魚の記事をくんだ際の記事を掘り返していたり「Googleフォーム」でアンケートをとった際の結果についての記述もあった。

日本産メダカ類については、彼は日本淡水魚に含めているが、改良メダカを日本産淡水魚に含めるべきかは疑問視されていた。コイであるとかキンギョと同じであるなど述べられていた。近年はメダカ類なども条例で採集が禁止されているところがあるため、この2つについては分けるべきではなかろうか。なおアンケートの中で「好きな淡水魚」のなかで多いのは「オイカワ」「オヤニラミ」だそうですが、アンケートで曖昧な回答をしてしまったことを嘆いておられた。申し訳ない。

 

●自然環境研究センター  髙久宏祐さん

間違っていたら申し訳ないが、ネットオークションでの魚売買を追いかけていた方。観賞魚の売買についての問題をアップされていた。最近はネットオークションなどの問題で「ヤフオク」が希少生物の取引が禁止か規制されたりしている。今回は主に希少魚(絶滅危惧種)で10年間もデータ取得し分析も行っての発表となった。ただし稀少魚の海水魚も含まれていることに注意したい。またオヤニラミやアカメが多いというが、特にオヤニラミは関東方面でもよく見られるからではないだろうか。一取引あたりで多いのはホンモロコは養殖個体もたくさん食用目的で売られているからかもしれない(ご本人も触れられていたが)。このように注意点も多数あるのだが、概ね有意義なデータを一般に発表されていた。その後は淡水魚放流や過度な採集の問題と法対応の問題となった。

 

●埼玉県養殖漁業組合  中村陽一さん

株式会社オッケーフィッシュファーム元代表。自己採集と累代飼育盛んなドイツのアクアリウムスタイルにあこがれていたとのこと。それによりみなでおこなう淡水魚保護を推進した。事業化が難しかったもののやがて「養殖をもって乱獲を制す」、「売れる魚をつくる」ことによりV字回復する。同じ系統にこだわるところがすばらしい。「種の保存法の侵略」、過激かと思われるとご本人が述べていたが生き物好きにとってはそういう見解もできるのかと思った。頑張ってほしいです。

 

●滋賀県立琵琶湖博物館 金尾滋史さん

最後のパネリストで、今回の市民公開講座の主演者。主に琵琶湖博物館の取り組みを紹介。とくにドジョウの繁殖についての取り組みが素晴らしい。

 

============第二部============

オヤニラミ

パネルディスカッション。お馴染み近畿大学の細谷和海さんのご挨拶でスタート。その後小坪 遊さん(朝日新聞社記者?)のコメントからはじまる。まずは放流についての話で、希少な淡水魚の域外保全を「勝手にやっている人がいる」という頭が痛い問題から始まる。

しかし細谷さんがコメントしていたように、アユの種苗放流という難しい問題もある。髙久さんはニッポンバラタナゴの販売数について「ほかのタナゴと比べ圧倒的に売れている」としていて、タナゴ釣りのために放流しているというのがあるのではないかという指摘も見られる。これでは昔、芦ノ湖に移入されたオオクチバスの問題をほうふつとさせる。

次いで適正な採集について。中島さんの専門であるが、「個体数保全のための種の保存法」であるべきという意見があった。また山口さんは「昔からのトリコをやっている人は根こそぎ獲っていくわけではない」というが、近年は生業ではなく小遣い稼ぎでやっている人が多いのかなとも、という意見もあるが、とくにインターネットの普及でだれでも物を売ったり買ったりできるということはどうしてもそういう問題がついて回るのだな、と感じた。

さらに適正な購入について。淡水魚のトレーサビリティについての意見もあったが、今後の法整備が重要、というがこれは環境省主体でやるべきではないと思う。環境省がやるのは「しばる」ことだけであり、上手くいくはずがないのだ。最後には淡水魚採集・飼育趣味のこれからであったが、やはりこの趣味を続けていく上では放流問題は避けられないと思った。

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