魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

宇和島なう

2011年12月24日 22時15分45秒 | 魚類耳石関連

 

今宇和島に来ています。耳石関連の作業を行っております。体長2cmの小魚から大きなソコダラ類まで様々な魚がおりこの3日間でもう100匹以上処理しました。写真はコバンハゼ属の1種、おそらくGobiodon acicularis Harold and Winterbottomの頭部。このハゼはシコロサンゴの類やハナヤサイサンゴの類の合間に潜みます。コバンハゼ属の魚は観賞魚としての飼育もできますが、皮膚から毒をだすこともあるので要注意です。

今日苦労したこと、それは「疲労」です。今日は耳石採取中、顕微鏡をのぞいたところでめまいがしてしまい、ぼーっと・・・もちろん、耳石採取などは行えましたが、ペースは大幅にダウン。早めに切り上げとなってしまいました。なぜこんなことになったのかはよくわからないのですが、気力、やる気、これらはある。のにできない。「やる気さえあれば何でもできる」というワードを耳にする、眼でおう、ことはありましょうが、いざ実践となると、なかなか難しいものですね。

そしてやはり寒いです。名古屋よりは暖かいのですが、風は強いことも多く、四国中央付近で降雪があったそうです。

力が抜ける~

サケビクニンCareproctus rastrinus Gilbert and Burkeたち。桃色の体がきれいな深海魚です。

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宇和島へ戻ったことと、クロボウズギス?のこと

2010年12月31日 22時47分27秒 | 魚類耳石関連

23日から約1週間ほど、耳石の件で宇和島に戻っていました。

宇和島は寒く、数日は、雪も降っていました。朝、土は真っ白だったこともありました。今冬も去年同様、厳冬になるのでしょうか。

さて、今回の宇和島では変わったものをいろいろ見ることができました。

トラザメ科のナヌカザメCephaloscyllium umbratile Jordan and Fowlerの仲間です。しかし斑紋が少なく、某所で、研究中であるようなことを聞いております。どうなるか楽しみな魚です。

2.深海魚

上(ap.):ヒガシホウライエソChauliodus macouni Bean
下(lo.):ホウライエソChauliodus sloani Bloch and Schneider

運よく、なかなかお目にかかれないような、中-深層の魚なども見ることができました。この2種は牙状の歯をもち、その長さや、発光器の形状などで区別できます。

3.珍魚

今回も、私が同定困難な魚種と遭遇することができました。

この魚です。マグロの胃の中から出てきました。

魚類検索の科の同定では「スズキ目 クロボウズギス科」に行きました。この仲間はアジ科やサバ科などを除き、スズキ目としては珍しい?中深層遊泳性の魚です。

発光組織があります。このことから、この種はおそらくクロボウズギス属に当たると思われるのです。

しかし、ここからが難しい。

吻端にくぼみがあり、「ウロコクロボウズギスPseudoscopelus scutatus Krefft」で確定!と思いきや、第1背鰭両側の、骨質板列がありません。一体、この種は何物?どなたか、お教えください。

今年ものこり1時間弱となりました。来年も、私や皆様が多数のお魚とめぐりあえますように。

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オグロトラギス

2009年09月20日 19時18分29秒 | 魚類耳石関連

昨日は沖縄で採集されたロクセンフエダイの話をしましたが、本日紹介するのはスズキ目・トラギス科でサンゴ礁に生息するオグロトラギスParapercis pacifica Imamura and Yoshinoです。

このオグロトラギスは2007年に新種として記載されたものです。しかし「オグロトラギス」という種自体は古くからダイヴァーやアクアリストに知られていました。この魚は島田 (2000) では P.polyophtalma (Cuvier) とされていますが、この学名はP.hexophtalma (Cuvier) の同物異名(シノニム)とされ、さらにP.hexophtalma とされたものの中には複数の未記載種がいるとされ、2007年にP.pacifica を含む3魚種が新種記載されました (Imamura and Yoshino, 2007) .

 

この写真の個体は雌です。本種には性的に色彩変化があり、本種では雄が体側下部に3-4の暗色目玉模様を持つのに対し、雌では6-7つの目玉模様を持つようです。また頬部に半円状、もしくはM字型の褐色斑紋をもつ (翻訳が正しければ) のに対し、雌には暗色斑紋が散らばっています。

 

参考文献:

Imamura H. and Yoshino T. 2007Three New Species of the Genus Parapercis from the Western Pacific, with Redescription of Parapercis hexophtalma  (Perciformes; Pinguipedidae) . Bull.  Natl. Mus. Nat. Sci., Ser. A, Suppl. 1, pp. 81-100, March 22, 2007.

 

島田和彦, 2000. トラギス科. Pages 1059-1064 in 中坊徹二編. 日本産魚類検索第二版. 東海大学出版会, 東京.

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カラフルな魚

2009年09月19日 21時25分08秒 | 魚類耳石関連

本日は朝9時から某所で魚類耳石の採取を行ないました。今回は沖縄で採集されたサンプルの耳石採取・標本としました。写真は同定作業の様子です。サザナミトサカハギ・トゲチョウチョウウオ・オニハタタテダイ・ロクセンフエダイ・メギス・ダンダラトラギス等沖縄独特のカラフルな沿岸魚がテーブルを埋め尽くします。

この魚は耳石標本初登録種のロクセンフエダイLutjanus quinquelineatus   (Bloch)です。この魚は高知や愛媛にもいるのですが、沖縄では非常に多いようです。体側と頭部で計6本の縦縞模様があることからこの標準和名がつきました。

本日はこの種のほかにもオニハタタテダイ、サザナミトサカハギなど未登録種が10種もあつまりました。提供していただいたSさん、ありがとうございました。また宜しく願います。

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鰭立て

2009年07月18日 21時48分22秒 | 魚類耳石関連

私の所属する魚類耳石の研究チームでは魚の種類を後からでも確かめられるように魚そのものの写真を残しておきます。そのなかではピンで鰭をたてる「鰭たて」という作業が重要になります。本日鰭を立てたのはこのクロサギです。

標本写真を撮影したいのであればホルマリン原液を使用して鰭を固定する方法もありますが、ホルマリンは劇物です。注意してください。

鰭立てしたオキフエダイ。ちょっと尾柄部が曲がってしまった。残念

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