魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ビワマス

2011年07月30日 21時11分13秒 | 魚紹介

最近、湖産マスとして知られるビワマスを食べることができました。

全長50cm近くの大物です。サケ科サケ属の種で、サクラマスやサツキマスと亜種の関係にあります。

ビワマスはほかのサクラマスやサツキマスと比べて吻があまり尖りません。体側には朱色斑がありますが、この個体には出ていません。大型個体では消えるようです。この個体は残念ながら市場で購入したものですが、レイク・トローリングという釣り方でこの魚はよく狙われているようです。

この個体はアユかワカサギか何かを食べていたようです。口腔内にこれらの魚の肉が残っておりました。

湖産ということで臭みがあるかなと思いましたが、刺身にはまったく癖がありません。ハラミの部分も大変美味でした。まだ半分あります。

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サクラダイ

2011年07月24日 22時15分46秒 | 魚紹介

一色漁港で漁獲されたサクラダイSacura margaritacea (Hilgendorf)です。

サクラダイは高級食用魚として知られるクエやキジハタ同様、ハタ科に属します。しかしこれらのハタ科の魚とことなり、ハナダイ亜科と呼ばれる別亜科に含まれています。

学名のうち属名のSacuraは、標準和名にもある「サクラ」からとったものでしょうか。日本国の国花は皇室のご章といえる「キク」がイメージとして浮かぶ方もおられましょうが、もうひとつ「サクラ」も日本国を象徴するものとして、桜の紋章をつけているもの(警察など)も多くあります。日本を代表する魚といえるのではないでしょうか。ただし本種に関しては日本のほか、台湾にも分布しているようです。

サクラダイといえば、「赤」をイメージする方も多いでしょう、サクラというのはほのかに赤い花ですからね、しかし眼の部分には青い、あるいは紫の部分がありこのコントラストは美しいものです。

サクラダイの雄は背鰭、臀鰭の軟条、尾鰭上・下葉が伸長し本当に美しいものですね。このサクラダイは残念ながら観賞魚として流通することはあまりないのです、というのはやはり水圧の問題が大きいからのようです。

美しいサクラダイを見るのならばやはりタンクをつけて潜ってみるのが一番でしょう、もっとも水深40-50m潜らないといけないですが・・・

底曳網では今回みた1個体のみが漁獲されていました。普段は岩場にすむので、フラットな海底を曳く網ではなかなか漁獲されないのでしょう、

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オニゴチ

2011年07月20日 22時44分50秒 | 魚紹介

コチ科のオニゴチOnigocia spinosa (Temminck and Schlegel)です。この魚も西尾市一色漁港で漁獲されました。

コチ科の魚のブログ登場は2年以上ぶりとなります(ハナメゴチ)。それ以前には2006年までさかのぼらないといけません(しかも未同定、イネゴチかな?)

コチ科の魚は日本には少なくとも20種が分布しているといわれます。オニゴチは日本近海から東シナ海の砂泥底にすむ普通種です。

頭部は丸く、幅が広いです。眼の上と下に皮弁があり、上のものは数本短いのがあり、下には2つの山形の皮弁があります。

背鰭や尾鰭には細かい小さな斑点があります。体側には赤い、太い帯があります。

学名のOnigociaはもしかしたら和名に由来するものかもしれません。コチの仲間は学名などが結構変更されており、ややこしいのです。この魚は底曳網や釣りなどで漁獲されていますが、あまり食用とはされていません。しかし肉は白身で美味しい部類に入ります。こういう捨てられる魚たちのためにも、美味しく食べられる方法を見出すのが私の使命だと勝手に思っています・・・。

この魚が水揚げされた一色漁港は養殖物の「ウナギ」の産地で有名なのですが、養殖に使うシラスウナギが少なくなっており、値段が高くなっております。

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トビヌメリ

2011年07月19日 22時04分25秒 | 魚紹介

ネズッポ科のトビヌメリRepomucenus beniteguri (Jordan and Snyder)です。この魚も今月の頭に西尾市一色の一色漁港で採集された個体です。小型底曳網漁業で漁獲されました。この個体は雄です。

トビヌメリの雄の特徴はこの臀鰭です。臀鰭は灰色っぽく、白色線が多数あるので、他の日本産ネズッポ属魚類と区別することができます。その他の特徴としては背鰭棘が長くは伸びないこと(ヤリヌメリ・ホロヌメリ・ハタタテヌメリ・ヌメリゴチと区別できる)、

尾鰭の下半分が黒っぽい(ハタタテヌメリと区別できる)、

背鰭第1棘はわずかに糸状に伸びること(ネズミゴチと区別できる)などが特徴です。セトヌメリの雄は本種にそっくりですが、雄の臀鰭が一様に暗色なのが特徴です。またセトヌメリは北方性種ともいわれます、北海道や北日本、瀬戸内海、有明海など黒潮の影響のあまりないところに多いようです。

これはトビヌメリの雌です。雌の第1背鰭は黒くなく、尾鰭の下方が黒っぽく、第2背鰭に2列の暗色斑があることなどが特徴です。セトヌメリの雌も、本種にそっくりですが、第2背鰭の暗色斑はほぼ1列であることで区別できます。

ネズッポ属の魚は日本から8種が知られており、投げ釣りでなどではよく釣れます。多いのがネズミゴチ、ハタタテヌメリで、そのほかに本種、ヤリヌメリも時々混ざります。セトヌメリ、ヘラヌメリはやや少なく、ヌメリゴチ、ホロヌメリは沖合におおいようです。

いずれの魚も天ぷらなどで美味ですが、ヤリヌメリは硫黄のにおいが強いことがあり、あまり食べられていないようです。ネズッポの仲間はキス釣りの外道で釣れ、ヌメリもあるので敬遠されることも多いですが、白身で美味しいものが多いですので、ぜひ食べてみましょう。

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ツノダルマオコゼ

2011年07月16日 15時54分45秒 | 魚紹介

オニオコゼ科の魚のツノダルマオコゼSynanceia horrida (Linnaeus)です。ツノダルマオコゼは日本では2種のみが知られている、オニダルマオコゼ属のうちの1種です。写真の個体はフィリピン・サマール島で漁獲された個体で、「鈴鹿」さんに頂きました。体長は69mmでした。

ツノダルマオコゼは、オニダルマオコゼと非常によく似ています。ただし、いくつかの特徴で区別することができます。

まず、眼の上にツノ状の突起があります。オニダルマオコゼも頭部の上方がやや高くなっている場合がありますが、ツノ状にはなりません。また、第2・第3背鰭棘の間に鰭膜がなく、深く切れ込む点も特徴です(オニダルマオコゼでは、鰭膜があります)。他、胸鰭軟条数が16軟条で、オニダルマオコゼよりも少ないものです。

生時はオニダルマオコゼと同じく薄い皮をかぶります(写真では、除去済み)。体色はオニダルマオコゼ同様に変異があり、あてになりません。

オニダルマオコゼと同じく、背鰭棘、臀鰭棘、腹鰭棘にたいへん強い毒があります。日本では体長160.4mmの標本(1990年に八重山諸島で漁獲された個体)に基づき記録されていますが、大きいものでは50cmを超えるそうです。

日本からの報告について、詳しくは吉野ほか(1997)を参照してください。日本魚類学会のページからも、PDFファイルでダウンロードできます。

吉野哲夫・昆 健志・桜井 雄. 1997. 日本初記録のオニダルマオコゼ亜科魚類 Synanceia horrida ツノダルマオコゼ  (新称) . 魚類学雑誌. 44(2); 97-100.

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