魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

【ようにとる魚たち】1.タカサゴの仲間

2011年03月25日 15時32分56秒 | 魚紹介

新シリーズ「ようにとる魚たち」。採集魚、観賞魚など中心に、よく似た魚の同定方について。

まず、これらの魚は沖縄の県の魚、いわゆる「ぐるくん」です。

上がクマササハナムロPterocaesio tile  (Cuvier)

中がタカサゴPterocaesio digramma (Bleeker)

下がニセタカサゴPterocaesio marri Schultz

ですが、3種の違いは、お分かりでしょうか。

最も簡単なのが、クマササハナムロとタカサゴ・ニセタカサゴの違いだと思います。クマササハナムロは尾鰭に暗色帯があるのですが、タカサゴは尾鰭端に黒色斑があるのみです。

タカサゴとニセタカサゴは、雰囲気がやや違います。ニセタカサゴはタカサゴよりも黄色縦帯がはっきり表れているように見えます。

タカサゴの黄色線は、体側中央部で側線のやや下を走ります。学名はPterocaesio digramma (Bleeker)が正しいです。

魚類検索のPterocaesio diagrammaは誤り。

ニセタカサゴの黄色線は体側中央部では側線と重なるように走ります。

いずれも量的には多くまた美味なもので食用魚として重要です。唐揚げがメジャーですが、フエダイなどに近い仲間といわれ(実際昔はフエダイ科に入れられていました)、刺身などもいけます。日本ではこのほかイッセンタカサゴがおり、あと2種ほど、日本から報告がありますが、正式な論文はまだ出ていないようです。

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ナンヨウブダイ顎骨標本をつくる

2011年03月20日 13時15分27秒 | ブダイ顎骨標本

2011年3月9~12日に弟が沖縄に修学旅行に行っていました。その時、ブダイ、ハタ、タカサゴの購入をお願いしたのですが、ブダイはナンヨウブダイChlorurus microrhinos (Bleeker)を買ってきてくれました。

写真をみてもお分かりの通り、鱗が落とされています。また鰓も抜かれ、そこから咽頭骨も抜かれていました(これによってタカサゴの耳石はピンチとなるのですが)が、頭部はこの個体はちゃんとあり、また耳石のある場所もこの個体については問題なさそうです。実際、耳石を左右とも採取することができました。

さて、タイトルにありましたブダイの顎骨標本です。

ブダイの仲間のうち、アオブダイ亜科の魚は歯が癒合した「歯板」というのを形成します。この歯板が筋肉におおわれるか否かで種同定にも役立つ場合があったりします。ブダイの仲間の幼魚稚魚は常に同定に悩まされていますが、それを解消する手助けになるでしょうか。

これはナンヨウブダイChlorurus microrhinos (Bleeker)の顎骨にある筋肉を取り除く作業です。

このあと、接着剤で顎の骨をくっつけます。

完成したブダイの仲間の顎骨です。

アオブダイ属のナガブダイScarus rubroviolaceus Bleekerです。

イロブダイ属のイロブダイCetoscarus bicolor (Rüppell)です。

ブダイ亜科(スパリソマ亜科)、ブダイ属、ブダイCalotomus japonicus (Valenciennes)

前3種は主にサンゴ礁域で付着藻類を死サンゴや岩から削り取るようにして捕食します。最後のブダイは磯で甲殻類や大型藻類を捕食します。

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