魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ヒメオコゼ

2021年01月26日 04時55分05秒 | 魚紹介


最近宮崎にお住いのFacebookフレンドの和田さんから、宮崎県の珍しい魚を色々と送っていただいた。最近忙しいが、少しでもこのぶろぐで紹介していきたいと思う。

今回まずもっとも注目だったのがオニオコゼ科のヒメオコゼ。実は長く探していた魚であった。日本においては本州中部から九州沿岸にまで広い範囲に生息する魚であるのだが、なぜか長いこと見たことがなかった。以前ホームグラウンドとしていた福岡の津屋崎の漁港ではハチなどと一緒にぷかぷか浮いていたものだが、それ以降は全く見たことがなく、和田さんにお願いして入手した種類である。ありがとうございました。

▲ヒメオコゼ軟条

オニオコゼ科ということで、胸鰭下部の軟条が遊離するのだが、本種は1本しか遊離しておらず、オニオコゼ属と見分けるのは難しくはないだろう。オニオコゼでは2本遊離する。その一方ダルマオコゼ属やオニダルマオコゼ属などでは胸鰭の軟条は遊離しない。またオニオコゼはかなりグロテスクな見た目をしているが、ヒメオコゼにはそのような感じはない。

▲ヒメオコゼ尾部

ヒメオコゼ属は日本には3種が分布しているが、日本産のうち尾鰭に明瞭な横帯があるのはヒメオコゼのみである。ほかの種類は尾鰭に明瞭な斑紋がなかったり、あるいは黒くて小さな斑点があったりする。なおヒメオコゼも背鰭の棘に毒があり刺されると痛むという。小さい個体であっても要注意だ。水深50~80mの場所に多く見られ、定置網や底曳網で漁獲される。瀬戸内海など多く獲れる海域では食用とされるが、九州ではそのようなことはあまりないらしい。

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石垣島の海中をのぞく2

2021年01月08日 22時05分30秒 | 水中写真


ヨコシマタマガシラ

先ほどの場所とは別の場所。ここは浅いので魚を上から見下ろす形ではなく、付き添う形で見ることになる。
中央部に写っているのはヨコシマタマガシラの若いのである。グレーの体と白い線が目立つ、派手ではないが綺麗な魚である。東南アジアに生息するハーツフェルズカーディナルフィッシュというのに似ている。擬態のようだ。

ルリスズメダイの群がり

石垣島の浅場ではほとんどどこでもルリスズメダイの姿を見ることができる。青い体がよく目立ち小さな針をつけて釣ることができる。気性が激しいので飼育はおすすめしない。尾鰭が透明なのが雌、尾も青いのが雄である。


ルリスズメダイとネッタイスズメダイ

こちらはまた別のポイント。黄色いネッタイスズメダイがきれい。ネッタイスズメダイは英語ではLemon damselfishというが、種の標準和名でレモンスズメダイというのもいるので注意が必要である。そしてここにもルリスズメダイ。浅くてサンゴや岩があるところならほとんどどこにでもいそうな感じである。

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石垣島の海中をのぞく1

2021年01月07日 22時58分37秒 | 水中写真

最近いろいろとばたばたしていました。ようやく自分のやりたいことができる時間が確保できました。ただ今は金がなく時間が余っているような状態です。ということでぼちぼち動画を作成しています。

昨年の3月の石垣島の海のようす。シマハギの群れとゴマハギ。

防波堤からGoproを落としてみるだけでもいろいろな生物が見られる。サンゴの種類も多い。ハシラセンベイサンゴとか、そのあたりだろうか。岩と岩の隙間に何かいそうな雰囲気だが…。

勢いよく逃げていった。ドクウツボの幼魚であろう。大きな円形の斑紋が特徴的でとても美しい。シガテラ毒をもつとされるが、沖縄では市場でも見る魚である。大きいウツボは咬まれると危険。確実に縫うことになるが、向かってくることはないので見ている分には大丈夫だ。

サンゴもあり、チョウチョウウオの仲間も見られる。写真はミスジチョウチョウウオ。ほかはトゲチョウチョウウオやフウライチョウチョウウオと、高知の海とあまりかわらない。しかしシマスズメダイは圧巻。さすがは沖縄。でかい。

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ヒメコトヒキ

2021年01月01日 20時45分33秒 | 魚紹介

みなさま、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

昨年初めて食べたシマイサキ科の魚だが、シマイサキだけでなく、こんな魚も来てくれた。ヒメコトヒキという魚だ。
ヒメコトヒキはシマイサキ属ではなく、コトヒキ属の魚である、しかし直線的な縦線なので、シマイサキに似ているが、線の太さや数などがシマイサキとは違うので間違えにくい。写真では縞模様が薄いがもっと鮮明なものが多い。また顔つきはシマイサキとは大きく異なる。さらに背鰭の大きな黒色斑もヒメコトヒキの特徴といえそうだ。

 

ヒメコトヒキとシマイサキ

写真は上がヒメコトヒキ、下がシマイサキ。同じシマイサキ科の魚であっても見た目が大きく異なっている。ヒメコトヒキはコトヒキ属で、シマイサキはシマイサキ属。シマイサキ属は1属1種。


ヒメコトヒキの前鰓蓋はカミソリみたいな感じになっているので、注意しないと危ないかもしれない。

ヒメコトヒキは以前も紹介したことがあったが、過去に紹介したのは幼魚であり、成魚は初めてである。幼魚は流れ藻やゴミなどの浮遊物につく習性があるため、関東地方の沿岸でも見ることができるのだが、その数はコトヒキと比べて圧倒的に少ない。国外の分布はインド-西太平洋の熱帯域であるが、最近地中海からの記録もある。

コトヒキ属は3種が知られ、我が国にはコトヒキとヒメコトヒキの2種が生息している。日本には生息しないTerapon putaは側線鱗数が70~85と、ヒメコトヒキ(側線鱗数46~56)と比べて圧倒的に多く、また体もヒメコトヒキに比べて細長いのが特徴である。この種の分布域は紅海(~スエズ運河経由で地中海)、ザンジバルから東南アジアにかけて達しているため、日本で見つかっても不思議ではないだろう。

ヒメコトヒキは東南アジアでは食用種。今回も食してみたが、かなりうまい。鹿児島の田中水産 田中積さんより送っていただいたもの。ありがとうございました。

それではみなさま、本年もよろしくお願いいたします。

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